2015年8月8日より全国順次公開
ビターズ・エンド
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「なんだこりゃ〜?」と思ってしまう世界観なのですが、どこかチャーミングで愛おしいと感じてしまうこの感覚は何なのでしょうか!?主人公のおじさん2人も全くイケてないけどなぜか憎めず、パッとしない営業トークを繰り返す様にも「しっかりしろ!」とツッコミを入れたくなりつつも、こちらがおじさんたちののんびりしたペースに呑み込まれてしまう不思議な引力があります。 最初はおそらくとても哲学的なメッセージがあるだろうと少々構えて観ていたのですが、あまりにおかしな展開と設定で、観るスタンスを途中で変えました。1つ1つの出来事はクスッと笑えるものだったり、ちょっとゾッとするものだったりするのですが、人間の滑稽さと同時に愛おしさが描かれていて、総括して「人間って、おもしろいでしょ」ということなのかなと個人的には解釈しました。本作で人間のどうしようもない姿を観ていると、良い意味で、何だか細かいこと考えてるのがバカバカしくなってきます。スウェーデン、ノルウェー、フランス、ドイツの合作映画ですが、このシュールさは日本人には出せないなあと、そういう意味でも楽しめる一作です。 |
デートで観て問題は無さそうですが、かなり独特な世界観でわかりやすい映画とは言えないので、普段から映画を観慣れていないとちょっとキョトンとしてしまうかも知れません。世界観はどこか可愛らしいのですが、主人公がおっさんたちなので、男性の方が特に興味を示しづらいのかも知れません。女子同士か1人でじっくり観る方が楽しめそうです。 |
キッズにはまだ難しい内容で、出てくるおじさんたちも若干ゾンビ的な風貌だったりするので小さい子は特に怖いと思うかも知れません。観るのはもっと大人になってからで良いでしょう。高校生、大学生くらいなら観ても楽しめると思いますが、はっきりとしたメッセージや、大きな出来事があるような映画ではないので、不完全燃焼になる可能性はあります。答えは1つではなく、観ている側が自由に想像するのが楽しい映画なので、誰かと一緒に観てどういう解釈だったか話し合うと、違った視点もいろいろ出てきて会話も盛り上がると思います。 |
©Roy Andersson Filmproduktion AB
2015.7.28 TEXT by Myson