このコーナーでは、ジャンルやテーマを問わず、トーキョー女子映画部が気になるテーマ、作品を題材にした特集をお届けします。
食にまつわる映画特集
■フード・インク
■ありあまるごちそう
■いのちの食べかた
■ダーウィンの悪夢
■キング・コーン
■未来の食卓
■人間は何を食べてきたか
■スーパーサイズ・ミー
■ブルー・ゴールド 狙われた水の真実
■おいしいコーヒーの真実
生きていくためには食べなければいけない。そんな当たり前で大事なことなのに、意外に食べ物の裏事情を私たちは知らないまま、口にしているのではないでしょうか?これらの映画を観て、食が人間に与える影響がいかに大きいか、そして健康を脅かすだけでなく、商業の発展に伴い食産業が社会に大きな与える影響を与えると共に、自然全体を破壊していること…、そんな事情を垣間見られる作品、食を改めて知る、考えるきっかけとなる作品をここではご紹介します。
『フード・インク』2011年1月22日より全国順次公開
2008・米・94分
監督:ロバート・ケナー
出演:エリック・シュローサー/マイケル・ポーラン
配給:アンプラグド
©Participant Media
おそるべき食にまつわる実状が映し出されているドキュメンタリーで、それは自然破壊の話でもあり、ビジネスの問題でもあり、あらゆる側面で起こっている問題が、食の問題に結びついているということにとても驚きました。
この映画を観て、食への関わり方を考え直さなければいけないとまず思いました。「体に良いか悪いか」だけで明日から完璧に思った通りの食生活に変えるのは難しいとは思いますが、ここで映し出されている実状を知った上で何を購入して、何を食べるかを意識することから始めるだけでも重要だなと思いました。あとは自分自身や家族の健康も危険にさらされているというのもありますが、ビジネスと食文化の密接な結びつきにより、食物の育て方やそれにまつわる環境が人工的に変えられてきたり、それがもとで今まで存在しなかった病原菌ができてしまったり、自分たちが知る以上に、自然そのものや自然の摂理さえも変えられてきてしまっていることにゾッとしました。こうして食文化に焦点を当てながら世界で起きていることの全容から語っているので、とても勉強にもなります。
映画の最後に私たちが一歩ずつできることがいくつか挙げられていますが、まずはそこからやれることをやってみることが大事なのだと思いました。ぜひ、多くの方に観て欲しいし、食卓を管理する女性には特に観て欲しい作品です。
<あらすじ>
第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート。あなたが口にしている食べ物の真相に迫る衝撃的映画が遂に日本上陸。「なぜ外国産食品は安いのか?」「なぜアメリカ牛は0ー157を発生させ、死者まで出してしまったのか」など、その答えの裏には驚くべきカラクリが隠されていた。ビジネスのために破壊されていく食の秩序や自然の摂理。ビジネスのカラクリもわかる目からウロコの衝撃ドキュメンタリー。



2011年2月19日より全国順次公開
2005・オーストリア・96分
監督:エルヴィン・ヴァーゲンホーファー
配給:アンプラグド
©Allegrofilm 2005
食べる分と同じだけ廃棄されている様子や、農業が盛んに行われている国なのに餓死者が多い国などの現状が映し出されています。富裕な国が貧困な国の食を奪っていて、一方では飽食なのに、片方では飢餓であるということを知らない人が多いと思いますが、日本でもコンビニなど便利になった一方で「廃棄」の問題、「賞味期限」の問題で企業が訴えられることもありましたが、それはそれで問題ではありますが、一方で「もったいない」精神は大事だなと改めて思いました。生産と消費のバランスと価格設定においても、社会全体の問題なので解決は相当難しいですが、企業だけのせいではなく、消費者側も考えて購入するようにしないといけないなと思いました。
あとは大企業の責任というのも『フード・インク』でも、本作でも問われていましたが、雇用を抱えているという社会貢献と、そのためには利益を出し企業を維持・発展させなければいけない義務とを果たすためにやっているという側面があることは忘れてはいけないし、だからといって何でもやっていいのかという問題も、合わせて考えていかなければいけないと思います。そうなると、やはり国がしっかり統制しない限りは何ともならないですね。とにかく、こちらもとても勉強になった作品でした。
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『いのちの食べかた』そう言えば、なんで「いただきます」って言うのでしょう?そんなことを考えさせてくれるドキュメンタリー。本作は食べ物が食卓に並ぶまでを映し出しています。日本人が1年間に食べるお肉(牛・豚・鳥)は約300万トンと言われていますが、肉だけでなく、野菜、果物、家畜、魚、ほとんどの食材が大規模な機械化によって生産・管理せざるをえなくなっている現代社会の実状に迫る映画です。 |
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『ダーウィンの悪夢』2006年アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ノミネートほか世界中の映画祭で多数のグランプリや賞を獲った衝撃のドキュメンタリー。飽食の国のために、飢餓に苦しむ国がある…という痛い現実を描く衝撃作です。 |
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『キング・コーン』大学生のイアンとカートは、とうもろこしの研究のため自ら農業を始め、遺伝子組み換えされた種子や強力な除草剤を使って、意外にも簡単に収穫に成功。さらに収穫したコーンの行方を追って全米30州を横断する旅へ出た二人は、そこで“とうもろこし”が人体に与える深刻な害毒の数々を知ることになる…。 |
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『未来の食卓』南フランスの小さな村がショーレ村長のもと、「子供たちの未来を守るため、“学校給食と高齢者の宅配給食をオーガニックにする”」という前代未聞の試みに挑戦。値段の高いオーガニック給食を村の財政でまかなえるのか、初めは戸惑っていた大人たちもいたが、給食や学校菜園での野菜作りを通して自然の味を覚えた子供たちの様子をみて、村全体が少しずつ変わっていく…。 |
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『人間は何を食べてきたか』スタジオジブリはアニメだけではないんですね。高畑勲、宮崎駿監督が、放送当時から深く感銘を受けたと言われているNHKドキュメンタリー番組を両監督と番組制作者との座談会映像と共にDVD化したシリーズものです。 |
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『スーパーサイズ・ミー』とある人物がファスト・フード店の商品を食べ過ぎたせいで体を害されたと訴えたというニュースをきっかけに、監督自身がファスト・フードだけの生活を1ヶ月間続けるという実験を実施。医師の診察を平行しながら、体にどんな影響があるのかを検証した実験ドキュメンタリー。食べ始めて数日は飽きて辛いと思うけれど、途中で中毒化していく様や、スーパーサイズを選ぶようにできているビジネスの手法なども描かれています。最後には医師からもドクター・ストップがかかってしまう!?「体に良くはなさそう」と思っていてもつい食べたくなるファスト・フードですが、ここまでの体の変化が起こるとは、驚きの内容です。 |
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『ブルー・ゴールド 狙われた水の真実』地球温暖化より深刻とも言われている“水戦争”を描いた衝撃のドキュメンタリー。今後想定される世界人口の増加に水資源は足りなくなると言われています。そして、日本の山林の地下水脈は外資系企業に狙われているとの報道もあり、世界で起こっている“水戦争”は日本にとっても無関係ではないようです。21世紀は石油戦争ならぬ水戦争の時代ということのようです。 |
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『おいしいコーヒーの真実』ここ数年で日本でもコーヒー店が人気で、外資系産業も多く参入してきました。でも、おいしく飲んでいるコーヒーの裏側には悲しい現実があるようです。売上のごく一部しか、コーヒー生産者には渡っておらず、彼らは困窮し破産せざるを得ない現実が本作では映し出されています。 コーヒー産業の実態と、貧困に苦しむコーヒー農家の人々を救おうとする一人の男性の戦いを追うドキュメンタリーです。 |
食べたり、飲んだりは楽しい行為だけれど、それを楽しむばかりであまりにも無知だったなと反省しました。飽食の日本にいながらできることは何かを考えたときに、個人でできることは、貧困に苦しむ国の人々に直接何かをすることはできなくても、もっと有り難く食べなければいけないし、捨てずに済むように考えること、必要なだけを買い、食べること、このような実状があることを一人でも多くの人に伝えることだと思いました。
あとビジネスと密接に関わっている実状も驚きましたが、人間にとって絶対に必要な食だからこそ、食産業の発展に伴う企業を絡んだ問題はかなり解決が困難で、国レベル、世界レベルで一緒に考えないといけないことだと思いました。
皆さんはどうですか?食べるなとは言わないし、私も体に良くないとわかっていても食べたいものはあります。でもこの実状を知っていて食べるのと、そうでないのとでは大違いです。ぜひ多くの方に知って頂きたいと思います。
2011.1.16 TEXT by Myson