ぶきよう宇宙人の日記 by マイソン

「ノー」と言えない空気の怖さ

  • follow us in feedly
  • RSS
二面性の顔イメージ写真AC

先日ツイッターで、ある記事を見つけました。それは「『童貞。をプロデュース』強要問題の“黙殺された12年”を振り返る 加賀賢三氏インタビュー」(ガジェット通信)という記事です。
日々、たくさんの映画情報に触れていますが、この作品についてはずっと知らず、2017年、東京、池袋にあるシネマ・ロサで行われた本作の舞台挨拶でこの件に関わる騒動が起きた時に初めて知りました。

かなり過激で性的な内容なので、ここでの詳細説明は控えさせて頂きますが、気になる方は上記のインタビューを検索して読んで頂ければ、どんな出来事かはわかると思います。
私は舞台挨拶での騒動を聞いた時も、改めて上記のインタビューを読んだ時も、いろいろな意味でとても怖い話だなと感じました。
本件ついては問題の当事者同士で言い分が異なり、直接私が取材したことではないので、本件についてということではなく、私の身近なところで起きた話について、ここでは振り返りたいと思います。

私が大学生の頃、大阪のモデル事務所で知り合った子がいました。彼女は一際可愛くてスタイルが抜群、すぐにでも大きな仕事ができそうなオーラを放っていました。既に東京で事務所に所属したことがあり、グラビアの仕事もいろいろとやっていたようです。それを聞いて納得でしたが、なぜ大阪に帰ってきたのか聞くと、社長の愛人にされそうになって逃げ帰ってきたとのことでした。彼女は当時まだ19歳くらいだったと思いますが、芸能界ってやっぱりそういうことがあるんだなと怖くなったのを覚えています。

そんな話からも想像していた通り、私が東京に出てきてからは、そういう話は当たり前のように多く聞き、芸能活動をしている身近な友達からも複数怖い目に遭ったという話を聞きました。そういう悪事をやる人はこっそりそういうことをしていたり、被害に遭っても泣き寝入りする人が大半で発覚しないだけ。有名な事務所だから安心ということもなく、これは芸能界に関わらず、一般企業でもきっとそうだと思います。私自身も仕事に関わるある現場でとても嫌な思いをしたことがあります。お世話になっている方を巻き込むと迷惑がかかると思い、自分の中にずっとしまったままですが、当事者は日常茶飯事のような態度だったので、他にも同じような目に遭っている人がいたと思います。私はすぐにその場から逃げたので、手を握られたくらい(といってもすごく気持ち悪かったですが)でしたが、自分がお世話になっている方と交友関係にある人でもそんなことをしてくるんだということにとてもショックを受けました。

一般企業でもセクハラはよくある話ですが、芸能界はある意味特殊なところがあるのも事実。映画に出たい、テレビに出たい、舞台に立ちたい、スターになりたいと思っている人達にとって、権力のある人から言われることに抵抗するのは、とても難しいはず。ハングリー精神のようなものを試される業界ですが、それが良いほうに発揮されるのには賛成でも、それを逆手にとってハラスメントが起きているとしたら、本当に悲しいです。

実際に演者の仕事は覚悟がないとできないと思うし、度胸が試される現場が多いと思います。だからこそ「こういう演技をして」とか「脱いで」って言われることに抵抗すると、役者魂が足りないと思われるのではないかとか、チャンスを逃すことになるかも知れないと思って、イヤだと言えないことも多いでしょう。それにまだよく知らない世界だからこそ、「映画ってこういうものなのかな」とか、錯覚を起こさせると思います。正統な理由でヌードになるとか、過激なシーンに挑戦するケースももちろんありますが、それでもやるかやらないか選択する権利はあるはず。それは男性でも同じことだと思います。

作り手としてズカズカと踏み込んでいくパワーが必要な時もあるし、それが評価されるケースもあるからこそ、『童貞。をプロデュース』のような問題が起きたのかも知れませんが、「おもしろければ何でもあり」というノリが、時々怖くなります。

夢を届ける業界なのに、夢をくいものにする業界であってはならない。
自分でも注意しなければいけないなと、上記のインタビュー記事を読んで改めて感じました。

『童貞。をプロデュース』の件も解決されることを祈りつつ、業界全体が安心して働ける環境になることを祈ります。

TEXT by Myson

二面性の顔イメージ写真:bBearさんによる写真ACからの写真

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『彼女が好きなものは』神尾楓珠/山田杏奈 彼女が好きなものは

多様性という言葉が徐々に浸透してきている昨今ですが、まだまだそれぞれの方の心の奥にあるものまで…

映画『あなたの番です 劇場版』福原充則さんインタビュー 『あなたの番です 劇場版』福原充則さんインタビュー

大ヒットドラマ『あなたの番です』と、この度映画化された『あなたの番です 劇場版』の脚本を担当された福原充則さんにインタビューをさせていただきました。視聴者や観客が「犯人は誰?」「あそこに伏線があった?」と盛り上がる作品ということで、以前から脚本家の方に聞いてみたかった質問もぶつけてみました。

『コーダ あいのうた』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『コーダ あいのうた』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『軍艦少年』佐藤寛太 軍艦少年

世界文化遺産に登録された軍艦島が物語の鍵を握る本作は、軍艦島が見える街が…

映画『花椒(ホアジャオ)の味』サミー・チェン サミー・チェン

1972年8月19日香港生まれ。アジア中にファンを持つトップアーティストで俳優としても輝かしい成績を残し…

映画『成れの果て』萩原みのり 成れの果て

絶対に許せない罪を犯した人物が姉と結婚しようとしているという設定だけ聞くと、いろいろな疑問が湧きますが、最後に…

映画『ウエスト・サイド・ストーリー』ワールドプレミア、アンセル・エルゴート/レイチェル・ゼグラー/アリアナ・デボーズ/デヴィット・アルヴァレス/マイク・ファイスト/リタ・モレノ/スティーブン・スピルバーグ監督 スティーヴン・スピルバーグ監督&豪華キャスト集結!『ウエスト・サイド・ストーリー』聖地ニューヨークにてワールドプレミア開催

2022年2月11日より全国公開となる映画『ウエスト・サイド・ストーリー』。先日、物語の舞台にもなった聖地ニューヨーク・ウエストサイドにてワールドプレミアが行われました。会場には、スティーヴン・スピルバーグ監督をはじめ、アンセル・エルゴート、レイチェル・ゼグラーら豪華キャスト&スタッフが登場しました。

映画『ベロゴリア戦記 第2章:劣等勇者と暗黒の魔術師』ヴィクトル・ホリニャック/ミラ・シヴァツカヤ ベロゴリア戦記 第2章:劣等勇者と暗黒の魔術師

前作で一件落着したと思ったら、今度は新たな敵が出現。そして、本作では主人公イワンが本当の…

映画『アンテベラム』ジャネール・モネイ ジャネール・モネイ

1985年12月1日アメリカ、カンザス州出身。高校卒業後、ニューヨークのアメリカン・ミュージカル・アンド・ドラマ・アカデミーに進学し…

映画『悪なき殺人』ドミニク・モル監督インタビュー 『悪なき殺人』ドミニク・モル監督インタビュー

1人の女性の失踪事件から物語が始まり、予想外の人間関係と思わぬ展開を見せる『悪なき殺人』。今回は本作で監督を務めたドミニク・モルさんにリモートでインタビューをさせていただきました。本作のお話から監督の好み、コロナ禍の映画業界についてなどお話をおうかがいしました。

部活・イベント

  1. 映画『あまくない砂糖の話』
  2. 映画『おとなの事情』
  3. MOPIE PARK(ムーピー・パーク)zoom開催イメージ
  4. 映画『映画 太陽の子』柳楽優弥/有村架純/三浦春馬
  5. 映画『まともじゃないのは君も一緒』成田凌/清原果耶

おすすめ記事

映画『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』 娘との距離を感じたエピソードや娘についての悩みを大募集!『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』企画

これは、娘の成長は嬉しいけれど親離れは寂しいなと思っているお父さんに向けた企画です!記事に採用された方には、『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』の劇場鑑賞券(ペア)をプレゼント!小学生のタビサと同じ年頃の娘さんがいらっしゃる方から思春期の娘さんがいらっしゃる方まで、どんなエピソード、メッセージ、お悩みでもOKですのでぜひご応募ください。

映画『キングスマン:ファースト・エージェント』レイフ・ファインズ/ハリス・ディキンソン お気に入りのスパイ映画はどれ?スパイ映画人気ランキング

シリアスな展開やハラハラドキドキするアクションシーンも楽しめるスパイ映画。今年は、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』『キングスマン:ファースト・エージェント』など超目玉作品の公開が続きます。そこで今回は、編集部独断でスパイ映画の代表作を選抜し、皆さんのお気に入りの作品を聞いてみました!

映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』佐藤健 楽しい妄想シリーズ:1日あの人になってみたい!〜演技派俳優編〜

楽しい妄想シリーズ第3弾!今回は、皆さんがもし1日だけ演技派俳優になって映画に出られるとしたら、誰…

映画『ブライズ・スピリット〜夫をシェアしたくはありません!』ダン・スティーヴンス/レスリー・マン/アイラ・フィッシャー 好きな人が付き合っていた人ってどんな存在?『ブライズ・スピリット〜夫をシェアしたくはありません!』アンケート特集

驚異の2000回上演を果たしたノエル・カワードの名作戯曲「陽気な幽霊」を原案とし、『ダウントン・アビー』のスタッフとキャストが作った本作。今回は副題にある「夫をシェアしたくはありません!」というテーマにそったアンケートを実施し、映画好きの皆さんの本音を調査しました。

映画『真夜中の五分前』三浦春馬/リウ・シーシー(中国) 映画好き女子が“もう一度、映画館で観たい”映画特集4:ドラマ、サスペンス、ホラー編

本特集はついに最終回!今回は、ドラマ、サスペンス、ホラー編を紹介します。

映画『映画 太陽の子』柳楽優弥/有村架純/三浦春馬 今の私達と変わらない若者達の本音に共感『映画 太陽の子』部活リポート

今回は、太平洋戦争末期に行われていたとされる“F研究”と呼ばれる日本の原爆開発の事実を基に、その研究に関わった若者達やその家族達の葛藤を描いた青春群像劇『映画 太陽の子』を観て、座談会を行いました。当時の若者達がどんなことを思っていたのか、本心はどうだったのかと想像しながら、自分達ならどうしていたか、いろいろな視点で語っていただきました。

映画『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』ベン・スティラー/ロビン・ウィリアムズ/ベン・キングズレー他 映画好きとして観ておきたい映画ランキング:シリーズもの“洋画恋愛、コメディ、ドラマ、クライム編”

今回は、編集部独断で選抜した洋画シリーズ、恋愛、コメディ、ドラマ、クライム編(アニメーションを除く)についてアンケートを実施し、ランキングを出しました。映画好き女子による思い入れあるコメントにも注目です!

映画『レイダース失われたアーク《聖櫃》』ハリソン・フォード あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『インディ・ジョーンズ』

「勝手にキャスティング企画!」第5弾は、『インディ・ジョーンズ』。ハリソン・フォードが演じたインディ・ジョーンズ役、ショーン・コネリーが演じたヘンリー・ジョーンズ(インディの父親)役を新たに演じるとしたら誰が良いか挙げていただきました。

映画『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』ビル・スカルスガルド 映画好きとして観ておきたい映画ランキング:シリーズもの“洋画ホラー、スリラー、サスペンス、ダークファンタジー編”

今回は、編集部独断で選抜した洋画シリーズ、ホラー、スリラー、サスペンス、ダークファンタジーについてアンケートを実施し、ランキングを出しました。ぜひ参考にしてみてください!

映画『インターステラー』マシュー・マコノヒー 映画好き女子が“もう一度、映画館で観たい”映画特集3:SF&ファンタジー編

今回は、SF&ファンタジー編!迫力あるシーンや美しい映像がたくさん登場するSF&ファンタジー作品ですが、今回はどんな作品が挙がったのでしょうか?

REVIEW

  1. 映画『彼女が好きなものは』神尾楓珠/山田杏奈
  2. 映画『軍艦少年』佐藤寛太
    軍艦少年

  3. 映画『成れの果て』萩原みのり
    成れの果て

  4. 映画『ベロゴリア戦記 第2章:劣等勇者と暗黒の魔術師』ヴィクトル・ホリニャック/ミラ・シヴァツカヤ
  5. 映画『グロリア 永遠の青春』ジュリアン・ムーア/ジョン・タトゥーロ
  6. 映画『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』ルーク・ドイル/ミシャ・ハンドリー
  7. 映画『スパゲティコード・ラブ』倉悠貴/三浦透子/清水尋也/八木莉可子/古畑新之/青木柚/xiangyu/香川沙耶/上大迫祐希/三谷麟太郎/佐藤睦/ゆりやんレトリィバァ/土村芳
  8. 映画『悪なき殺人』ダミアン・ボナール
    悪なき殺人

  9. 映画『tick, tick... BOOM!: チック、チック...ブーン!』アンドリュー・ガーフィールド
  10. 映画『ベロゴリア戦記 第1章:異世界の王国と魔法の剣』ヴィクトル・ホリニャック/ミラ・シヴァツカヤ
PAGE TOP