原作は1816年に発表されたE.T.A.ホフマンの「くるみ割り人形とねずみの王様」です。ここまで有名な童話なのに一度も読んだ記憶がないなんて大きな声では言えませんが、こういうお話だったのかと本作を観て知りました(苦笑)。本作だけでなく、ほかのベストセラーやヒット映画のモチーフになっているようにも思える設定や要素がたくさんあり、ここまで語り継がれ愛されるストーリーなのも納得です。とにかく洋服や装飾、小道具、建物まですべてがかわいらしく、アーティスティックで、大人が観てもワクワクします。カラフルな世界観や、キャラクターのビジュアル、無数のねずみが集合体になった“ねずみの王様”など、それぞれの描写にインパクトがあって、すごく細かいところまで凝られているのがわかります。また、ドラマ性の強い作品に定評のあるラッセ・ハルストレムと、ILM創立時からのメンバーであり、アカデミー賞視覚効果賞の受賞歴もあるジョー・ジョンストンが共同監督を務めているということで、それぞれ得意な分野がとても活かされた作品になっています。ヒロインがお転婆で、理系女子というのもおもしろい!キャストもすごく豪華で、ヘレン・ミレン、モーガン・フリーマンという大物俳優が脇を固めるだけでなく、ミスティ・コープランド、セルゲイ・ポルーニンといった一流バレリーナが素晴らしいダンスシーンを披露していて見応え充分。その中でクララを演じたマッケンジー・フォイもこの大物俳優達に負けない存在感を放っています。そして何といってもキーラ・ナイトレイがこれまでのイメージを覆す役柄を演じている点も見どころ。エンドロールまで余すところなく、こだわりが見える作品なので、ぜひ最後までご堪能ください。 |
プリンセスの物語ではありますが、快活な少女が主人公で、理系要素のあるストーリーなので、男性でも楽しめるのではないでしょうか。バレエの演目で有名な作品ということも意識してか、本作の劇中にもバレエのシーンが出てきます。一流バレリーナが演じているので、大人が観ても見応えがあり、デートで観ても楽しめます。 |
母を亡くした少女が、母が遺した思いを胸に冒険するファンタジーなので、キッズやティーンの皆さんは、等身大の目線で楽しめると思います。目に観て楽しい世界が広がり、ストーリーもわかりやすくドラマチックなので、最初から最後まで飽きずに観られるでしょう。少女が主人公で、衣装の華やかさなどは女子ウケ抜群のはず。でも、冒険ものという意味では、男子の皆さんも楽しめる内容です。機械仕掛けのものなどが好きな理系の人も、特有の目線でワクワクできるでしょう。 |