2017年4月22日より全国公開
東宝、アスミック・エース
公式サイト
私は2部作を一気に観たのですが、後編まで観て改めて、主人公が本当の意味で成長し、自分の居場所を見つけたのだと感じました。前編とはかなりテンションが変わり、後編はシリアス。前編では家族の陽の部分に焦点を当てていますが、後編は陰の部分を描いています。家族だからこそ救われる部分はあるけれど、同時に家族だからこそ見捨てられなくて苦しむ部分もあります。前編で“心の家族”を見つけた主人公の桐山零が、窮地に立たされた彼等を今度は自分が守ってあげようと奔走しながら、“家族”としての距離感や支え方がわからずに苦悩する姿にも胸を打たれますが、家族と向き合うとはこういうことだと、いろいろなキャラクターを通して教えてくれるストーリーには共感できます。そして、後編は川本家の三姉妹や、伊藤英明が演じる後藤正宗などのキャラクターの背景が掘り下げられていき、群像劇となっていて、見応えが増していきます。いろいろな側面が見えてくると、他のキャラクターに対する感情も変わってきますが、全体的に家族、愛についての物語なので、最後は心が温まります。ぜひ後編も観てください。 |
2部作なので、前編を観ていたほうが内容への理解も深まり、感情移入しやすいのは言うまでもありませんが、もし片方が前編を観られないまま後編を観るとしても、観る前に少し解説しておいてあげるとついていける内容ではあります。恋愛の要素は含まれますが、気まずくなるようなラブシーンなどはないので、その点はご安心を。根本は家族についての物語なので、鑑賞後はお互いの家族について話すのも良さそうです。 |
自分を助けてくれた人達を今度は自分が助けようと思って、必死になる主人公の姿は見習いたいところもありますが、一方でそのやり方が正しいとは言えない部分もあり、人の心が絡む事柄の場合は、ただ物理的に助けるだけでなく、当事者の心を一番に考えることが必要だということを、本作を観て感じてもらえれば嬉しいです。いじめにどう立ち向かうかという展開も出てきますが、お手本にしたい内容で勇気ももらえると思います。 |
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2017.3.6 TEXT by Myson