TOP > 部活コーナーTOP > 通常部活リポート一覧 > HERE
ハエが主人公という奇想天外な物語を描き日本でも大ヒットした『マッキー』のS.S.ラージャマウリ監督作。復讐劇でインド版『ロミオとジュリエット』とも言えるストーリーなのに、とてもコミカルに描かれている本作。今回は、皆さん楽しく本作を観てインド映画の魅力について語り合いました。
※一部、ネタバレする箇所があります。
マイソン:まずは感想をお願いします。
Aさん:何も情報を入れずに観たので、途中で『ロミオとジュリエット』だったんだって思いました。最後はかなり泣けました。歌って踊ってっていう昔からのインド映画らしい部分がありつつも、CG技術もふんだんに使われていましたよね。ただそのCGの使い方が斬新で(笑)、ハリウッドとはまた違うなと思いました。
Bさん:ハラハラドキドキして、笑いあり恋愛ありっていう欲張りな感じがインド映画っぽかったです。でもヒップホップのダンスが出てきたり、今までとは違うところもあったのがおもしろかったです。
Cさん:ツッコミどころ満載でおもしろかったです。私は特にしゃべる自転車が気になって、あの自転車は影の主人公とも言えると思いました(笑)。
マイソン:『マッキー』でもハエが登場しますが、この映画の自転車はそのハエと同じように監督の作風を象徴していると思います。Dさんはどうですか?
Dさん:私は今日初めてインド映画を観ました。歌ったり踊ったりするシーンはイメージ通りでしたが、もっと強引に入ると思っていたので、イメージしていたよりも違和感はありませんでした。あとは、ヒロインのアパルナがすごくきれいで素敵でした。
Eさん:インド映画の女優さんって、最近ハリウッド風になってきれいですよね。インドの女の人は、おへその周りの肉が揺れるっていうのが、昔からすごく大事なポイントらしいです。意外とアパルナもぽっちゃりしていてちょっとスカートにお腹が乗っていたし(笑)、きれいな人を使いつつも上手く伝統を取り入れているのかなって思いました。
マイソン:本作ではコメディ、復讐劇、ラブストーリーと要素があったのですが、一番注目したところはどこですか?
Eさん:私はラブコメっぽく観ました。あとは、家族の鬱陶しさみたいなのもありましたよね。日本も昔は家族がいろいろと言っていたのが今はだんだんとなくなっていますが、そういう家族の鬱陶しいところの良い面と悪い面を両方描いたストーリーが良かったです。
Fさん:コメディですかね。私は一度スイッチが入ったら全部可笑しく思えてしまうので、全部笑えました。主人公のラームはかっこ良いんだかそうでもないんだかわからなかったけど(笑)、ダンスがすごく上手でびっくりしました。
一同:そうそう(笑)!
Fさん:あとはみんなシャツをインして踊っていたりとか、そういうところも可笑しかったです。
Eさん:ダンスは全体的にレベルが高くて、逆立ちで歩くのとかすごい技術なんだけど、決してかっこ良くは見えないんですよね(笑)。そういうちょっと変な方向に進化しているのがおもしろかったです。
マイソン:コメディ寄りで観た方が多いようですが、あまり復讐劇の部分は怖く感じませんでしたか?
Bさん:斧を持っていたので、最初は「そういう怖い話なの?」って思いましたけど、コメディ色が強かったのでそんなに怖いとは思いませんでした。
Gさん:復讐話をベースに、<ラブストーリー:3、コメディ:7>くらいでやっているように思いました。やっぱりコメディ色が強いかなと。
Aさん:人をずっと恨み続けることって意外と大変なことなので、その執念深さに最初は怖いなって思いましたが、そういうのを全部歌と踊りが吹き飛ばしてくれるのが良いですよね(笑)。
Cさん:ああいうネチネチした復讐の部分をコミカルに描かなかったら、観ていて胃が痛くなってきますよね。私は伏線の回収を気にして観ていましたが、ほとんど回収せずにボケ倒したなと思いました。そういうところがボリウッド的で、関西人としてはツッコミどころ満載でした。
マイソン:今までのインド映画のイメージと違ったところはありましたか?
Cさん:ダンスシーンで、トゥワーク(腰とお尻を上下左右に動かすダンス)をしていたのがびっくりしました。インドもいろいろと基準が変わってきたのかなって感じました。逆にイメージ通りだったのは、顔の表情ですね(笑)。がーんっていう顔とかお約束通りで、良い意味で期待を裏切らないなと。
Aさん:インドの人って細身なイメージがあったんですけど、意外とマッチョな人が登場するなって思いました。
Bさん:お兄さん2人もすごい筋肉でしたよね。腕が太くて”気を付け”できないんじゃないかってくらいマッチョでしたよね!?
一同:ハハハハハ!
Bさん:一般的にインド人って線の細いイメージがあるけど、映画を観るとラジニカーントとかも中肉中背だし、それが最近はマッチョに変わってきているのかなって思いました。
マイソン:日本とインドとで美しさの観点も違いますが、インドもだんだんと変わっているのかも知れませんね。
Aさん:私はお父さんの脚がきれいだったのにびっくりしました(笑)。アップで映って女の人かと思ったらお父さんの脚で!
一同:ハハハハハ!
--------このあとしばらく爆笑トークが続き…--------
マイソン:いろいろ気になったところがたくさんありましたよね(笑)。では最後にこの作品をオススメするとしたらどんな人にオススメしますか?
Gさん:とにかく笑いたい人にオススメです。でも、インド映画は突然歌ったり踊ったりするシーンがあるっていう予備知識はあった方が良いと思います。
Eさん:私は初デート向けだと思います。内容にツッコミを入れることもできるから話題も続くし、ラブシーンとかもないので、恥ずかしい思いをせずに観られると思います。あとは家でカレーパーティーとかしながら、みんなで観るのも良いかも知れませんね。
Bさん:家族で観るのもオススメです。自転車がしゃべるシーンとかきっと子どもは好きですよね。
Dさん:何か教訓を得たいと思って観るよりも、単純に楽しみたいと人にオススメです。明るい部屋のなかでみんなでワイワイ笑いながら観た方が楽しいと思います。
Fさん:誰でも観られると思うんですが、笑い飛ばせる人が良いと思います。頭の固いおじさんよりも学生がノリでワイワイ観る方が楽しめるかなって。映画を純粋に楽しみたい人には絶対オススメです。今日みたいにみんなで観ても、それぞれ気づくところが違ったので、ぜひ何人かで集まって観て欲しいです。
本作のコメディ要素には特にツッコミどころが多く、話しているとみんなそれぞれ観ているところが違っておもしろかったです。一見あの話どこいったって思う部分も、実は歌の歌詞が内容を繋げていると発見された方もいました。 内容的には、復讐劇、コメディ、ラブストーリーとボリュームたっぷりな本作。インド映画の昔と現代の両方を感じられるのも本作の魅力の一つです。時間も130分とインド映画にしては短い方なので、初めて観る方もまずは本作から観ることをオススメします。きっと皆さん楽しめること間違いなしです!
『あなたがいてこそ』
2014年12月19日DVD発売
2015年1月7日レンタル開始
監督・脚本:S.S.ラージャマウリ
出演:スニール/サローニ/ナーギニードゥ/スプリート /ヴェーヌゴーパール/ブラフマージー
マクザム
公式サイト 映画批評&デート向き映画判定
ご購入はこちら→ あなたがいてこそ [DVD]
愛用のオンボロ自転車で宅配の仕事をしていたラームは、仕事をクビになってしまった矢先、一通の手紙を受け取る。両親は既に他界し身寄りもないラームだったが、彼に相続できる土地が故郷にあるとの知らせだった。失業してしまったラームは相続した土地を売り生活を立て直そうと故郷へ向かうが、そこには世代を超えても解放されない因縁があった。そんなことも知らずに故郷への電車に乗ったラームは美しい娘アパルナと出会う。だが実は彼女はラームの父を死に追いやった抗争相手ラミニドゥの娘だった!
©ARKA MEDIA WORKS PRIVATE LIMITED
2014.12.13 event