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『ラブストーリーズ コナーの涙』
『ラブストーリーズ エリナーの愛情』
2015年8月28日DVDリリース
9月4日レンタル開始
2015年8月8日部活実施
TSトーキョー社内にて
鑑賞会&座談会
公式サイト 作品詳細
映画批評&デート向き映画判定
今回は、ある二人の男女に流れる日々を男性目線、女性目線で描いた2部作『ラブストーリーズ コナーの涙』 『ラブストーリーズ エリナーの愛情』を2本立てで鑑賞。片方の目線だけ観るのと両方を観るのとでは印象が違う作品で、観る順番の違いでも感じ方が変わる異色作。今回はまず『〜コナーの涙』から観てその後に『〜エリナーの愛情』を鑑賞しました。男女それぞれの視点を観た皆さんは、男女のどんな違いを発見したのでしょうか?
※一部、ネタバレする箇所があります。
マイソン:2本観た感想をお願いします。
Aさん:すごく楽しい映画で、観て本当に良かったです。私は男目線で観ましたが、やっぱり女って勝手だなって思いました(笑)。セリフが男女それぞれ都合の良いように置き換わっているシーンもありましたし、でもそういうことって結構実際の恋愛にあることだなって思いながら観ました。
Bさん:男と女の違いがよく出ている作品ですよね。エリナーは過去に囚われて未来が見えなくなっていて、コナーは今を生きていて、エリナーとの未来をちゃんと見ているなって感じました。男の人には辛い経験をした奧さんの気持ちがわからなくて、奧さんの方も何度も戻ってしまっているんだなとかいろいろ考えました。
Cさん:私自身の経験とエリナーが重なってしまいましたが、彼女のようにずっとそこにしがみついてはダメだと思いました。夫婦で背負った悲しみというのは、やっぱり次に進まないと癒されないものですし、だからこそ旦那さんとそう簡単に離れてはいけないのになって思って観ていました。
Dさん:この作品は2本ちゃんと観た方が良いですよね。『〜コナーの涙』で男目線を観ているときは、女って何も言わなくて面倒くさいなって思いましたが(笑)、『〜エリナーの愛情』で女目線を観たときは、エリナーが旦那さんに言えなかったことを妹にちゃんと話していて、両方観て発見できたことがたくさんありました。でも2人が一緒にいるシーンでセリフや行動がズレていたのは怖かったです。人は結局自分の都合の良いように何でも受け取っていることが表現されているんだなって。
マイソン:セリフや行動にズレがあるのにはすぐに気づきましたか?
Dさん:最初は日本語の字幕が違うのかなって一生懸命考えていました。でも訳が違うのではなく、動きやシャツの色まで違うシーンもあったので「記憶ってこんなに変わっちゃうの!?」ってビックリしました。
Eさん:やっぱり2作で違うところがあったんですね。「あれ?」って思うところはあったのですが、今話を聞いていて違うところがあったことをやっと理解できました。「2作で同じシーンがあるけど、もしかしてちょっと違う?」って思いながら観る感覚は推理ドラマを観ているようでした。
Fさん:普段はあまり気にしていませんでしたが、この映画を観ていたら、男女で同じ物事に直面しても全然違う風に捉えていることが日常でいっぱいあるんだろうなって思いました。
マイソン:記憶違いというか、同じ言葉を言っていてもこの2人みたいに違う言葉として記憶していることもあるかも知れませんよね。
Fさん:例えば待ち合わせ場所を誰でもわかるようなところにしても、女の人はここって言ったところにちゃんと来るのに、男の人はその裏にいたりすることってありますよね(笑)。あれは昔から不思議だなって思っていましたが、男女の違いってそういうことですよね。
Gさん:女性は気持ちを口に出さずに察して欲しくて、男性は気持ちよりも状況を察して欲しいんだなって思いました。この夫婦に何が起きたのか、この映画の設定を知らないとわかりづらいところもあるかも知れませんね。
マイソン:物語が進むに連れてこの夫婦の状況が理解できました。そういう意味では2作ともトリック的なところが結構ありますよね。
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マイソン:一番印象に残ったシーンはどこですか?
Aさん:『〜エリナーの愛情』の方にだけあった、2人が昔を思い出しながらドライブをして、車のなかでおもいっきり笑い合っていたシーンが印象に残っています。問題が起こったあと、2人はあのときに初めて笑い合ったんじゃないかなって思いました。コナーは平凡な日常を送って年月を経ていくことで傷を癒していくことを目指していて、エリナーはゼロから始めたいと変化を追い求めていて、それで髪型を変えたり実家に戻ったりしていましたよね。でもあの車のなかのシーンでは、やっとお互いが同じものを目指すことができて、乗り越えられたシーンだと思いました。
Hさん:私は『〜エリナーの愛情』で、エリナーが教授と部屋で向かい合って「お互いママみたいだね」って語り合っていたシーンが印象的です。
Fさん: 2人それぞれのシーンも良かったのですが、男女の違いが引き立つのは、やっぱり2人が一緒にいるシーンでした。だからこそこの作品は2本いっぺんに観ないと意味がないなって思います。
Cさん:印象的なシーンはたくさんありますが、特に食い逃げのシーンですね。コナーは食い逃げをしたドキドキ感を覚えているのに、エリナーはその食い逃げの後に2人で寝転がってホタルを見たっていうロマンチックな記憶になっていて全然違う思い出になっちゃっているんだなって思いました。
マイソン:本作をどんな人にオススメしますか?
Eさん:オススメするなら男女の違いがまだよくわからない若い子ですね。若いからこそ男女の違いを受け入れられない子もいると思うので、この映画を観て男女は違うんだってことをわかったら少し楽になるんじゃないかなって思います。
Bさん:私はケンカしているカップルに観て欲しいです。男と女は違うんだってことがわかったら仲直りできるかも知れないので。でも一緒に観て、私はあのときこう言ったとか揉めたら困るので、別々で観た方が良いと思います(笑)。
Aさん:あまり恋愛経験がない人が観ると、エリナーとコナーがすぐに別れれば良いのにって思うかも知れないので、これから結婚を考えていたり、20代半ば以上である程度の恋愛経験がある人に観て欲しいです。付き合っているときは、ダメなら別れたら良いって思うから相手が傷つくことでも言ってしまうのですが、夫婦だとそう簡単に別れられないし、一晩寝たり放っておくことで解決したりすることもありますよね。そういう部分がこの映画にもあるし、やっぱりある程度恋愛をしている人じゃないとわからないかなって思います。
マイソン:恋愛の酸いも甘いも観られるっていうことですね。
Hさん:私は男性も含めた友達同士で観て、どっちに共感したのか語り合ったらおもしろいと思います。そしたら相手の性格もなんとなくわかりそうな気がします。
Gさん:私も男女合わせた複数で観たらおもしろいと思います。「女って面倒くさいよね(笑)」とか、そういうツッコミもできそうですよね。
Dさん:やっぱり2作いっぺんに観た方が良いと思います。DVDなら自分のペースで観ることができますし、同じシーンを見比べても良いし、「あれ?」って思ったところはすぐに確認できますよね。みんなでワイワイ観ても良いと思います。
マイソン:物語を解明するのが好きな人がいたら、すぐに解説してくれるかも知れませんね。男友達も交えて観てコナーについて「これはどういうことなの?」って話すのもおもしろそうですよね。
本作を観て男女の視点がわかったという意見はたくさんありましたが、観る人によっていろいろな捉え方も感じ方も違ったのがおもしろかったです。今回は女子のみで観ましたが、もし男性が観たらそれはそれでまた違う意見が挙がるのかも知れませんね。
本作は、男女の単なる恋愛模様が描かれているわけではなく、1つの夫婦の挫折から再生までの様子がそれぞれの視点で描かれるおもしろい作品です。コナーを観て男性ってこう思うんだって勉強になる部分もあれば、エリナーを観て自分にもこういうところがあるなと反省したり、いろいろな見方ができる作品です。ぜひ男と女を客観的に見つめてみてください。
『ラブストーリーズ コナーの涙』
『ラブストーリーズ エリナーの愛情』
2015年8月28日DVDリリース
9月4日レンタル開始
監督・脚本:ネッド・ベンソン
出演:ジェシカ・チャステイン/ジェームズ・マカヴォイ/ヴィオラ・デイヴィス/イザベル・ユペール
マクザム
公式サイト 映画批評&デート向き映画判定
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ある出来事によって、心がすれ違ってしまったコナーとエリナー。耐え難い経験をし、なかなか立ち直れず無気力に過ごすエリナーを必死に励まそうとするコナー。コナーは一歩踏み出そうと必死だが、その前向きな態度は逆にエリナーとのあいだに溝を作ってしまう。同じ日々を男性コナーの視点、女性エリナーの視点から、それぞれ描いた2部作。
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