TOP > 部活コーナーTOP > 通常部活リポート一覧 > HERE
『グッバイ・クリストファー・ロビン』
2018年10月3日よりブルーレイ、DVD発売&レンタル開始、9月5日より先行デジタル配信開始
公式サイト 作品詳細 映画批評&デート向き映画判定
世界中で愛されている「クマのプーさん」の原作者アラン・アレクサンダー・ミルンとその息子クリストファー・ロビンの物語が描かれた映画『グッバイ・クリストファー・ロビン』。本作は、小説の成功の裏で起きていた、原作者一家の苦悩を描いています。そんな本作を観て、どんな印象を持ったのか、観る前と後でプーさんのイメージが変わったのか皆さんに聞いてみました。
マイソン:本作をご覧になってみていかがでしたか?観る前に興味を持った点も教えてください。
Aさん:「クマのプーさん」の裏にこんな話があったとは、すごく圧倒されました。観る前は、もっと明るく空想的なストーリーを想像していました。でも意外と現実的で、ビリー(=クリストファー・ロビン)自身も小さい頃から大人びていて、こういうテンションのお話なんだって思いました。
Bさん:私は今度公開する『プーと大人になった僕』とセットで観たいなと思っていました。この作品は、思ったより戦争の背景が濃くて、伝記映画のようだなと感じました。今まではクリストファー・ロビンを架空の人物だと思っていましたが、その裏側にホンモノがいたんだと知りました。
Cさん:意外とシュールでしたね。ビリーは、子どもの時からいろいろと我慢していたから、空想の世界がちょっと良い方向に動いてプーさんの世界を作り上げたのかなって思いました。そういう我慢から生まれた大切なものなのに、皆に知られてしまって、「何で皆が知っているの?」みたいな。それでも泣き叫ぶわけでもなく、大人になってから初めてお父さんに話していて、そこまで我慢するんだなって思いました。
Dさん:私はもともと製作秘話などが描かれた作品が好きで、今回はプーさんがどうやってできたのかを観たいと思いました。最初は、画面に光がすごく溢れていて綺麗だったのに、だんだんと暗くなっていって、展開も思ったのと違う方向にいったなと思いました。
Eさん:制作会社が私の好きなFOXサーチライトだったので気になって、さらに主役がドーナル・グリーソンということで、これはただものではないなと思って観たかったんです。出だしで驚いたのが、お母さんが男の子を産んで残念がるところ。普通なら男の子が産まれて喜ぶことが多いと思うんですけど、「戦争に取られちゃうから、男の子じゃなければ良かった」と言っていて、そういうところで“戦争とは?”ということを考えさせられました。
マイソン:それぞれのキャラクターにも意外性があったし、結構生々しさもありましたよね。
マイソン:本作を観て、プーさんに持つ印象は変わりましたか?
Cさん:そうですね。プーさんのイメージのほわんとした感じが、いろいろなものを背負っているように見えてきますよね。大変だったんだなって。
Bさん:純粋に可愛いキャラクターという感じには見られない気がしますが、それは悪いことではなくて、作品の裏側に書いている人がいて、犠牲もあって、それでできたことがすごいなって、より力強く感じられるようになりました。
Fさん:今まで子ども向けの絵本という印象だったのが、犠牲を伴った末にできた作品なんだという印象に変わりました。子どもの頃に絵本を楽しんでいた自分を思うとちょっと心が痛みますが、こういう背景を観ると、台詞でもあったように、「戦争で心を痛めた人を癒やす」という役割も果たしていることがわかりました。
Eさん:私はディズニーの黄色くて赤い服のプーさんしか知りませんでした。本作を観ていろいろな代償を払ってプーさんが生まれたことがわかりましたが、それをディズニーが上手く流通させていて、いろいろな意味ですごいなって思いました。その裏に生みの苦しみを味わった人達がいたっていうのは、たぶんこの作品を観なければわからなかったので、この作品を観て背景を知れて良かったと思います。
Aさん:皆に楽しんで欲しくて「クマのプーさん」ができたと思ったので、これからも変わらず楽しみたいと思いました。
Dさん:私もディズニーのプーさんのイメージが強いんですけど、本作を観たからといってあまりイメージが変わった感じはありません。むしろ重いものを受け止めてくれそうだし、より頼もしさを感じるようになりました。
マイソン:私は『プーと大人になった僕』を先に観たのですが、後からこの作品を観て、捉え方とか表現の仕方でここまで伝わり方が変わるのってすごいなと思いました。本作を知っていて『プーと大人になった僕』を観るのと、知らないで観るのとでは違うと思うので、ぜひ両方観て欲しいと思います。
マイソン:本作はFOXサーチライト作品なのですが、FOXサーチライトを知っていましたか?
Bさん:『シェイプ・オブ・ウォーター』で、初めて認識したんですけど、それで振り返ってみたら、これもあれもFOXサーチライトって気付いて、結構私のツボにハマっているなという印象です。それ以降気になっています。
Cさん:ちょっと癖のある作品が多いというイメージですが、作品を選ぶ上ではFOXサーチライト作品かどうかは普段あまり気にしていません。
Fさん:FOXサーチライトを認識したのが最近ですが、すごくサブカル的で、オシャレ女子が取り上げそうな作品が多い印象です。『リトル・ミス・サンシャイン』とかおもしろいですし、一辺倒のハリウッド大作とかとは違う視点なんだろうなってことに期待しますね。
マイソン:ラインナップを遡ると本当にたくさんの作品があるんですよ。オシャレで可愛い作品や、良質な作品が多いというのはもちろん、なかなか挑戦的な作品も作っているので、ぜひご注目頂ければと思います。
全員:うんうん!
マイソン:では最後にこの作品がどんな人にオススメか教えてください。
Dさん:親子関係に悩んでいるお父さんに観て欲しいですね。もうちょっと子どものことを考えてあげてということで。息子さんがいて、距離の取り方に悩んでいるお父さん、もしくはこれから息子と関わっていきたいというお父さんに観て欲しいと思いました。
Fさん:プーさんを知っている人はたくさんいますが、プーさんについてより一歩深めて知りたいという人に観て欲しいですね。あとは、ビリーの状況が、子役の置かれている状況に似ているなと思ったので、子役を取り囲む環境を整えてあげないと、というのを皆さんに知らしめるためにも観て欲しいと思いました。
Eさん:今SNSで子どものことをアップする人もいますが、子どもにとってそうやって祭り上げられたり、有名になることが果たして真の幸せなのか考えて欲しいなと思いました。もちろん幸せの基準は人によって違うと思うし、SNSなどで注目されることを「私は有名!楽しい、嬉しい!」って思える子だったら、幸せなんだろうと思うのですが、そこは感性の違いですよね。だから、果たして今子どもが置かれている環境がその子にとって本当に幸せなのか、そこをもう一度問うべきなのかなと思いました。
Aさん:今日部活に参加する前に友達に「今からプーさんを観るんだ」って自慢したんですよ。そしたら「え?プーさん、その歳で」って返されたんです。でも今は、その子に「これがプーさんだぞ。いいから観てみて」って言いたいです(笑)。だからプーさんは子どもが観るものって思っている人にもぜひ観て欲しいです。
Cさん:私は娘がいますが娘と観るよりも1人で観るか、自分の親と観たいと思いました。それで、「昔こういうことがあったよね」とか、逆に親も「あんたをこういう風にさせたかったのよね」みたいな話をして、お互いに黙っていた何かがわかると思うんです。最後にお父さんとビリーが話していたように、親子でご飯でも食べながら話すのも良いと思います。
元々「クマのプーさん」に明るいイメージを持っていたという皆さんでしたが、本作でその背景を知り、良い意味でプーさんに対する印象が変わったという方がほとんどでした。本作を観て、「クマのプーさん」誕生の裏にあるさまざまな背景には驚きますが、親子の物語としても考えさせられることがあり、ヒューマンドラマとしても楽しめます。「クマのプーさん」誕生秘話が気になる方はもちろん、親子関係に悩んでいる方にも観て欲しい作品です。
©2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
2018.8.17 event