![]() サイレント映画時代のスターだがトーキー映画の時代に乗れずに人気が落ちていく男優と、彼に憧れ、スターダムを駆け上がるもずっと影で彼を思い続ける若手女優のラブストーリー。きっとトーキーだと落ちぶれていくおじさんへのセリフとが悪意はなくても生々しく聞こえて、ロマンチックじゃないのかもと思いました。セリフの内容は観客に想像させつつ、新しい時代に生きる人物が古い時代に生きる人物を尊敬し愛しているという設定も、共感を得やすい気がします。こういう構図はいつの時代にも共通するというか、ずっと繰り返される過程なので、身近に感じるし、おじさんに夢を与える内容ですよね(笑)。これがカラーなら、おじさんの服の色がださいとか、じじくさいとなるところも、モノクロだと逆に世界感そのものが雰囲気があるので、なんだかかっこよく見えます。たまたまなのかもしれないし、狙ってなのかも知れないですが、ストーリーを一番ロマンチックな状態で見せる条件が、モノクロのサイレントにぴったりとはまっているように思いました。そして、最後のシーンでは、「パチン」と指をならされて、現代に還ってくるような感覚が味わえて、とてもおもしろい体験でした。笑いもあり、ほろっとする部分もあり、サイレント映画とか関係がなくても普通に楽しめる映画です。 |
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2012.2.25 TEXT by Myson