2019年1月25日より全国公開
ビターズ・エンド、パルコ
公式サイト
ヴィクトリア女王生誕200年となる2019年に公開となる本作は、ヴィクトリア女王の知られざる実話をベースに作られています。当時、イギリス領だったインドからやって来た一人の青年アブドゥルとヴィクトリア女王の出会い、そして2人の親子のような絆の強さを描いていますが、この関係は当時周囲から良く思われておらず、息子エドワード7世によって長らく秘密にされていたようです。ベッドから起きるのもやっとという高齢のヴィクトリア女王が、アブドゥルの無邪気さに触れ、新たにインドの言葉を覚えようとしたり、一変して活発に過ごすようになる姿はユーモラスに描かれているので、その微笑ましい光景に癒される一方、根底には女王として生きることがいかに重くて辛いという現実がしっかりと表れている点で監督、そしてジュディ・デンチの手腕を感じます。で、スティーヴン・フリアーズ監督は77歳、ジュディ・デンチは84歳(ともに2019年1月現在)ということで、これまたビックリ!でも長く生きてきた2人が軸となって作っている作品だからこその説得力もあるのではと感じます。国からすると人一人の力は小さいかも知れませんが、一人の人間にとってはどんな相手でも大きな存在で、それは身分もお国柄の違いも関係ないんだなと思うと感慨深いです。 |
切ない展開もありますが、微笑ましいシーンが多く、クスッと笑える部分もあるので、デートで観るのもアリだと思います。歴史を少しわかっているとより楽しめると思いますが、蘊蓄を語ると止まらなそうな相手はちょっと面倒そうなので、刺激しないようにヴィクトリア女王の時代を少しおさらいしてから観ると良いかも知れません。 |
ヴィクトリア女王の苦悩を観ていると、どんな立場の人でも孤独に苦しんだり、周囲からの重圧に耐えていたり、見た目ではわからないことがたくさんあると実感できるはずです。女王の華やかな部分だけでなく、人間らしい部分が観られるので、違った視点を得る意味でもオススメです。興味を持ったら歴史の勉強にもより身が入って一石二鳥ですよ。 |
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