2013年4月13日より全国公開/R-15
ショウゲート
公式サイト 予告編
冒頭の白いリムジンがずらっと並ぶ異様な光景を見た瞬間、舞台はこの世界でありながら浮世離れしている異世界に連れてこられたような不思議な感覚になりました。そして、ロバート・パティンソンが演じる、28歳にして巨万の富を得たエリックの登場。貧富の差が激しい社会で生きる成功者の陰と陽を描いたストーリーは、クレイジーで孤独感が蔓延していましたが、彼にピッタリの役でした。正直、本作を観るまでロバート・パティンソンをかっこいいと思ったことはありませんでしたが、今回の役はとても良かったです。役者としても演技派にイメージチェンジできたのではないでしょうか。 高級スーツを身にまとい、清潔感がありクールな面立ちの美青年。初めは彼が魅力的に見えますが、物語が展開するに連れ、彼のなかの狂気というか、破壊されていく部分や、ダークでダーティな部分がだんだんと怖く感じてきます。彼は全てを手に入れているように見えて、本当に彼を満たすモノは何も得ていないという皮肉が痛烈に伝わってきました。こういう喪失感が見事に描かれている点で、さすがクローネンバーグ監督だなあと思いました。ストーリーのほとんどがリムジン車内で起きるのに、これだけドラマチックに描けるのもすごいです。 ジュリエット・ビノシュ、サマンサ・モートン、ポール・ジアマッティと脇役も名優揃いで、クレイジーだけどクールでスタイリッシュな本作は映画好きの女子にオススメの作品です! |
成功者が一瞬にして墜ちていく様子を描いた作品なので、明るい内容ではありません。痛いシーン、少しショッキングなシーン、濡れ場やダーティな言葉も出てくるので、デートにオススメの内容とは言えません。でも、二人とも映画好きでいろんな映画をよく一緒に観ているならば、オーケーでしょう。見応えがある作品なので、監督、出演者、ストーリー、演出など、映画ネタとしての話題はいろいろ広がると思います。 |
R-15なので、中学生以下は観られません。高校生が観るとしても、ウブなお子さんだとショッキングに感じると思います。でも、大金持ちになることだけが幸せの条件ではないことを知ったり、どうして主人公は孤独なんだろうと考えたりすることには意味があると思います。はっきりした答えがわかる内容ではなく人生経験がまだない若年層には難しいとは思いますが、自分で自分なりの解釈をしてみる楽しさを知るには良い題材かも知れませんね。 |
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2013.4.2 TEXT by Myson