2013年5月31日より全国公開
ギャガ
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実在したグランド・マスター達の物語をウォン・カーウァイ監督が構想に17年かけて映画化。恋愛ものが多いウォン・カーウァイ監督がなぜ武術家の物語を手掛けたのか不思議でしたが、全ては監督が『ブエノスアイレス』撮影中のアルゼンチンでブルース・リーが表紙の雑誌を見て、遠い異国で愛され続ける彼の映画を撮りたいと思ったのがきっかけだそうです。ブルース・リーを育てたことでも知られる詠春拳の葉門(イップ・マン)を演じたのは、トニー・レオン。彼はイップ・マン最後の直弟子ダンカン・リョンから直接4年間もトレーニングを受けそうで、八卦拳の宮若梅(ゴン・ルオメイ)を演じたチャン・ツィイーも過酷な特訓を受けて本作に臨み、八極拳の一線天(カミソリ)役のチャン・チェンは2012年に中国の吉林省で行われた八極拳の全国大会で優勝するほどの腕前で、メインキャスト全員がホンモノの武術を見せてくれます。さらに武術指導はユエン・ウーピンということで間違いないですね。でも、不思議なことに武術バカのようなアクション映画ではなく、静かながら熱いラブストーリーの要素も盛り込んでいるのがウォン・カーウァイ監督のうまいところ。さらに、血の演出がとても芸術的で雨の中での格闘シーンがとても印象に残りました。アクションはアクションでも、ハリウッドや日本はマネのできないジャンル。美しい武術アクション映画ですので、ぜひ女子にも楽しんで欲しいです。事前にイップ・マンの関連作を観ておくと、より興味が深まりますよ。 |
武術家の映画と聞くと男っぽいと思うかも知れませんが、秘められた恋なども描かれ、映像も綺麗なので男女ともに楽しめます。露骨な恋愛シーンなどはなく、友達以上恋人未満のカップルや、思いはあるけどこれ以上には進めない事情がある男女は、本作のプラトニックな恋愛に共感するはず。ウォン・カーウァイ監督独特の世界観に浸ってもらえればと思いますが、ブルース・リーやイップ・マンの大ファンや、やたらとこういうジャンルに熱い男子を連れていくと、相手が異様に盛り上がり、蘊蓄をたっぷり聞かされる可能性があるのでご注意を。 |
ちょっと大人の雰囲気で、わかりやすいカンフー映画などではないですが、キッズ、ティーンが観ても楽しめる内容です。実在のグランド・マスターたちの話ということで、中国武術について興味を持ったら中国史なども合わせて勉強してみると良いでしょう。日本も絡んでくるので、中国と日本の関係なども少し学べると思います。でも勉強がどうこうは抜きにしても、とにかくかっこいいので、男の子ならきっとマネしたくなるでしょうね。特にキッズははまったらしつこいと思いますが、大目にみてあげましょう。 |
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2013.5.21 TEXT by Myson