2015年2月21日より全国公開
ファントム・フィルム
公式サイト
![]() 銃乱射事件で亡くなった息子が遺した歌を、その父が引き継ぐという設定だけ聞くと感動的な物語だとイメージしますが、本作はそんな単純なものではありません。息子がこんな形でこの世からいなくなった現実と親はどう向き合うのかを描きつつ、同時に、誰が作った曲かを知らずに歌に魅了されどんどんと変化していく青年クエンティンの人生とクロスさせることで描きたかったものは一体何なのか。解釈はいろいろあると思いますが、絶望と希望の両方が描かれている本作は、親として自分の子どもにもう何もしてあげられなくても、まだできることはあるという救いを示しているように感じました。お子さんがいる方が観るともっともっと複雑な感情になると思いますが、子どもがいなくても子どもを持つということの重みを痛感させられます。本作に出てくる“息子が遺した歌”の歌詞がどれもとても意味深く、ズシッとくるワードが耳に入ってくる度に思いにふけってしまうくらいのインパクトがありました。ぜひ歌詞などにも注目しながら観てください。あと、クエンティンを演じたアントン・イエルチンの演技がすごく印象的でした。これからが楽しみな俳優の一人としてぜひ覚えてください。 |
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2015.2.3 TEXT by Myson