2016年10月22日より全国公開
KADOKAWA
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信じられないようなお話ですが、実話ということでビックリです。インドは数学に長けている人が多く、IT部門でも能力を発揮する人が多いと聞きますが、主人公ラマヌジャンの場合は身分が低く、学歴もなくて、勉強ができる環境になかったにも関わらず、数々の数式を閃き、読み解くことができるという才能を持っていて、劇中で彼は、数式は神が与えてくれるといった表現をしていましたが、まさに何か不思議な力が働いているとしか思えません。 第一次世界大戦のさなか、世界的に名門のケンブリッジ大学で、インドからやってきた学歴もなく身分の低い青年が、教授達の学説をも覆す数式を発明するなんて前代未聞で、ラマヌジャンは相当な苦労を強いられます。本作は彼のサクセスストーリーだけを描いているわけではなく、どちらかというと彼という逸材が現れることによって、周囲の人間達が変化していく様を描いていますが、それが彼の使命だったのかなと思う部分がありました。彼の数式は現代でもあらゆる分野で役立っているようですが、彼自身がまさに神の恵みだったのではないかと思います。また、ラマヌジャンはあらゆる数式を導き出しますが、彼自身は数字で何もかもを論じるロボットのような人間ではなく、心をとても大切にする人物という点もすごく共感できました。デヴ・パテル、ジェレミー・アイアンズの演技も見事で、とても心に残る秀作です。 |
“数式”とタイトルにありますが、難しいストーリーではありません。誰もが身近に感じることのできる人間ドラマで、夫婦のラブストーリーも描かれていて、デートで観るのにも良い作品だと思います。才能がありながらも貧しい環境で、仕事になかなか就けなかった夫が、家族を養うため、自身の可能性を試すために、遠い国へ旅立つという展開がありますが、遠距離や転勤、単身赴任などで悩むカップルは、一緒に観て話し合うきっかけにしても良いと思います。 |
難しいストーリーではありませんが、宗教的な話題なども出てくるので、中学生くらいになってから観るほうが理解できる内容だと思います。学生でいるあいだは、勉強したくないと思うこともあるでしょうが、本作で主人公の苦労を観て、学校に普通に通えて勉強ができる環境がいかに恵まれているかを実感してもらえると嬉しいし、何かに夢中になることの素晴らしさを感じてもらえたらと思います。 |
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©Richard Blanshard
2016.10.5 TEXT by Myson