『告白』『北のカナリアたち』の湊かなえの原作を映画化した本作。観る前のイメージはドロドロしてもっとシリアスなタッチかと思いきや、そういう面はもちろんありつつ、コミカルに見えるシーンも結構あり、やっぱり映画化する監督によって同じ原作者でもかなり印象が変わるんだなと実感しました。ツイッターというツールが広く使われるようになった社会を皮肉った内容なので、登場人物や世間の人々のツイートが画面に表示されるなど、映像的な構成も特徴がありました。ある殺人事件の犯人を憶測する人々の勝手な妄想が真相をねじ曲げていく様子は、殺人事件でないにしても私たちのすぐ身近で起こりえることなので、他人事としては観られずゾッとします。容疑者の城野美姫について語るさまざまな証言を再現したシーンは、同じ場面でも人によって印象が大きく変わることがわかりやすく描かれていますが、それぞれに演じ分けている井上真央の演技力が証明されたと言えるでしょう。中村監督のインタビューでお伺いしたのですが、映画的な構成にするために、原作とは違う設定にした部分があります。原作を読んだ方はその辺りにも注目して比較してみてもおもしろいのではないでしょうか?女同士の人間関係の怖さも実感させられる内容なので、女子必見です。 |
女子の怖い部分が丸出しの映画なので、それをデートで好きな人に見せても良いのかというところで検討してください。おそらく女子は「女子あるある」を観ている感じですんなり感情移入できると思いますが、男子としては“普段、男子にはみせない女子の顔”に引いてしまう可能性はあります。そんな心配がないカップルは、鑑賞後「どこで犯人に気付いた?」とか、「誰が一番怖かった?」など豊富な話題で会話を楽しんでください。 |
まだピュアなキッズには観られたくないと思う内容です。それなりに理解はできると思いますが、もう少し大人になってから観た方が楽しめるでしょう。とはいえ、小学生高学年ともなると女子は特におませなので、この映画の世界をリアルに受け止められると思います。子どもたちの世界の方がある意味残酷ですから、大人のように割り切れず、皮肉さを笑うというスタンスにはならないかも知れません。いじめや友だちとの関係に悩んでいたり、女子社会に恐怖心を本気で抱いているキッズは今は観るのはやめておくか、フォローしてくれる親か兄弟と観ると良いでしょう。 |