インターネットで世界中のどこへでもつながる現代。でも「ネット上の繋がりって本当の繋がりなの?」って考えさせられる、まさに現代的なストーリーでグイグイと引き込まれていきました。物語の構成はいくつものストーリーが交錯していく群像劇。子どもを亡くしたことから立ち直れずにSNSで心を通わす相手を見つけた主婦や、ネットでポルノまがいの仕事をして稼ぐ少年について報道したいニュース番組のリポーター、SNSで学校の上級生にいたずらをしかけている2人組の少年など、初めはネット上の関係だと思っているので、彼らの人生にどれほどの影響力があるのかわからないまま、相手とつながっています。それぞれに事情も違って目的も違うけれど、彼らは無意識にネット上で交わす相手とのやりとりは自分たちとは少し距離があるところで起きている他人事として捉えています。でもそこからあらゆる問題が出てくると、それが架空の世界の話ではなく、現実であることを実感していきます。
ネット上のことだからとはいえお互いに生身の人間であり、何かがきっかけでお互いの生活に支障をきたすこともあるということを痛烈に描いた本作は、インターネットですぐにできる都合の良い人間関係にはメリットがある反面、使い手によってはどんな状況に陥るかわからないということについて警笛を鳴らしています。繋がっているけど、繋がっていない。まさにディスコネクトですね。
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気まずくなるようなシーンは出てきませんが、明るいストーリーではないので、デートムービーではないでしょう。ただ、かなり見応えのあるストーリーなので、誰でも感情移入して観ることができると思います。ネット上で都合の良い人間関係を作るのは容易な世の中にはなりましたが、やっぱり生身の人間関係同士として築く人間関係がいかに強固で重要かがわかる内容だと思います。本作を観て、お互いの繋がりをもっと意識できると良いですね。 |
デジタル世代と言われるキッズやティーンのみなさんにはぜひ観て考えて欲しい作品です。キッズの皆さんにはまだ観慣れないシリアスなストーリーですが、高学年になれば十分に理解できると思います。ティーンの皆さんは自分の携帯電話などでSNSを利用することも増えてくると思いますが、ネット上の関係に逃げず、ちゃんと現実の世界でも友達を作り、直接話したり、遊んだりして触れ合いのある生活の大切さを本作で実感して欲しいと思います。 |