2013年11月2日より全国公開
東映
公式サイト
脚本家になる夢を追い続けている34歳女子と、大きな口を叩いてばかりで行動に移さない男子の奮闘を描いた物語。私も映画に関わる何らかの仕事に就きたいと思って上京した身なので、とても共感する点が多く、この作品によって初心を思い出させてもらいました。夢を抱いたときには「自分は絶対に夢を叶えてやる」って大きな気持ちでいられるけれど、どんどん失敗を繰り返してなかなか前進できないと弱気なってくる。本作では、麻生久美子が演じるばしゃ馬さんタイプと、安田章大が演じるビッグマウスタイプの極端な2人が登場しますが、実際は夢を追う過程で誰でも両方の状況を経験するんですよね。初めは誰でもビッグマウス、だんだんばしゃ馬さんになっていくか、ばしゃ馬になるほどの情熱がない人は夢を捨てて違う道をいく。夢を叶えるのも難しいし、夢を諦めるのも難しいという主人公の言葉はまさにそのとおりで、ばしゃ馬タイプはどっちにしろ辛いんですよね。でも、「諦める」としてもこれでもかってほどやりきらないと諦めきれない。「夢は叶う」っていう単純なノリではなく、きれい事だけに留まらずにそういう苦い部分も描いているのが良かったです。それに自分のなかにビッグマウスな部分とばしゃ馬さんの部分は両方無くてはならないと感じました。本作を通してこのバランスが大事だなと気づけたのも良かったです。 夢が叶うかどうかばかりに気を取られていたら臆病になってしまうけれど、結局はなんでも一生懸命やらないと悔いが残るんだなということが客観視できてとてもスッキリした気分になりました。夢を追う人、諦めた人にもぜひ観て欲しい良作です。 |
きわどいシーンもないし、恋愛的な展開も軽くて爽やかなので、デートで観ても楽しいです。夢を追いかけている人とつきあっていたり、あなた自身がそうだったら、ぜひ観て欲しいと思います。こういう点は人の価値観がすごく表れると思うので、将来を考えている相手と観て話しあうきっかけにするのも良いでしょう。そして、彼や旦那が今まさに「夢を諦めるか、おい続けるか」で悩んでいたら、連れて行ってあげましょう。少し頭と心が整理されるかも知れません。 |
まだまだこれから夢をいっぱい持って、可能性もたくさんあるキッズやティーンにぜひ観て欲しい作品です。子どもの頃に楽しかった出来事や感動した出来事は、大人になってからやりたい仕事に結びつくことはよくあります。本作を観てこれからいろいろあるかも知れないという覚悟を持ちつつ、今の気持ちを大切にして、大人になっても夢を追いかけて欲しいです。 |
©2013「ばしゃ馬さんとビッグマウス」製作委員会
2013.11.5 TEXT by Myson