僕だけがいない街

現在と過去を行き来するミステリーものとしてもおもしろかったのですが、親子や人同士の絆の物語としても楽しむことができました。主人公の悟は身の回りで何か事件が起こると、それを未然に防ぐために“リバイバル（時間が巻き戻る）”という現象が起こる人物で、普段は短時間のリバイバルしかないのですが、ある事件を機に10歳の頃まで戻ってしまい、物語が展開していきます。ちなみに本作はマンガが原作ですが、原作のストーリーがまだ完結していないため、結末は映画オリジナルとなっているそうです。
29歳の悟役を藤原竜也、10歳の悟役を中川翼くんが演じているのですが、10歳の悟は29歳の意識がそのまま残っているという設定だったので、翼くんが大人っぽい難しい台詞を話す姿にクスっと笑える場面もありました。ほかにも小学生パートでは鈴木梨央ちゃんが出演しており、親に虐待される少女という難しい役を見事に演じていました。藤原竜也、有村架純、及川光博、石田ゆり子などの大人キャストの共演も魅力ですが、子役も本作における重要な役割を担っているのでぜひご注目ください。
ミステリーではありますが、怖い殺人シーンなどはないのでどんな人でも観やすいと思います。過去を変えることで未来にどんな影響があるのか、真犯人が誰なのか、ご自身で推理しながら楽しんでご覧ください。