2015年7月11日より全国公開
コムストック・グループ/配給協力:クロックワークス
公式サイト
小説好きのパン屋のおじさんが、イギリスから向かいの家に引っ越してきた妻に好奇心を抱き、彼女の名前がたまたまボヴァリー夫人ということから、小説「ボヴァリー夫人」と重ね合わせて妄想を膨らませるという設定なのですが、おじさんのただの妄想を描いているわけではなく、捻りの利いたミステリアスな展開があり、最後に真相がわかるまで楽しめます。小説の「ボヴァリー夫人」の物語そのものが彼女の退屈な日常を描いているからこそ、この映画に出てくる女性ジェマととリンクする部分もあり、観ているこちらもだんだんパン屋のマルタンと同じようにジェマとボヴァリー夫人の物語を混同してしまいそうな感覚になるのですが、そこまで引き込んでおいての“あのラスト”に「やられた!」と感じました。とても皮肉が効いていてユーモラスで、実際に起きたら笑えない出来事ながら、映画だからこそ笑えちゃう結末です。 |
官能シーンはそれほどいやらしくもなく激しくもないのですが、優しくて誠実な夫がいながら、退屈な毎日に心が彷徨っている女性を描いているので、カップルで観るには不向きだと思います。男子もパン屋のマルタンと同じく妄想にふける楽しみを得るなら1人で観に行く方が気楽でしょうし、女子もジェマの視点で楽しむなら1人で観るか、女友達と観る方が心起きなく楽しめるでしょう。 |
性的なシーンが出てくるし、おじさんの妄想が暴走する物語なので、キッズにはまだ理解し難いし、不向きです。ティーンもウブな中学生にはもしかしたらまだ刺激が強いかも知れません。大人向けの作品なので若者が観てもまだピンとこない部分は多い気がしますが、大学生以上なら文学的視点で楽しめるかも知れませんね。 |
© 2014 – Albertine Productions – Ciné-@ - Gaumont – Cinéfrance 1888 – France 2 Cinéma – British Film Institute
2015.7.7 TEXT by Myson