名著『白鯨』の原点となった実際の海難事故の真相を描く本作。『白鯨との闘い』というタイトルから、『ジョーズ』のような映画なのかと想像していましたが、良い意味でそれは裏切られます。とは言え、もちろん白鯨との死闘が描かれていて、ただ巨大なだけではない、執念を持った(ように見える)動物として本当にゾッとさせられます。鯨は賢いというのはわかっていながらも、ここまで執着を持つという点で、劇中の“悪魔”という表現にも納得。鯨が襲ってくるシーンは本当にリアルで、これはぜひ劇場の大きなスクリーンで体感して欲しいと思います。
そして、本作のもう一つの見どころは海上でのサバイバルです。白鯨の襲撃から逃れても、船はボロボロ、救助が来るような場所ではないため、自力で帰らなければいけませんが、それにはあまりにも苦難な状況に陥ります。なので、ここで描かれる本当の闘いは、自分との闘いと言っても過言ではありません。その様子はあまりにも壮絶で、生きる残るために言い争う場面では緊張感が張り詰め、食物が絶え、飢えていくシーンでは、皆ガリガリになり、正気を失っていきます。役者たちも役作りを本格的にやっていて、特に極限までやせ細った姿は驚くほどです。これが実話をもとにした映画だということを疑いたくなるほどの過酷さがリアルに伝わってきますが、予想していた以上に映像的にもドラマとしても見応えがあるので、映画好き女子にもオススメです。
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捕鯨船に乗る男達のストーリーで、ロマンチックさはほとんどありませんが、人間ドラマとして見応えがあるので、友達以上恋人未満のカップルや、初デートの人は観やすい映画だと思います。巨大な白鯨が襲ってくるシーンはビックリするので、そのタイミングに便乗してちょっと寄り添ってみるのも良いかも。これを機に、いつか海に鯨を観に行こうと旅行の計画を立てるのもアリですね。 |
怖がりなキッズは、白鯨が襲ってくるシーンで泣いちゃうかも知れないので、トラウマになりそうなら今は観るのはやめておきましょう。小学校高学年以上なら、怖いと思いつつ観られると思いますが、それよりももっと衝撃的なシーンがあるので、小学生は大人と観るほうが良いと思います。中学生以上のティーンは、こういった極限の状態で主人公たちが取った行動について、自分たちならどうするだろうと考えてみてください。友達同士で意見交換するのも有意義でしょう。 |
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