上映時間2時間28分の長編ですが、先の見えない展開と緊張感にラストまでガッツリ引き込まれました!監督は“るろうに剣心”シリーズの大友啓史。清水玲子の同名コミックの映画化を熱望し、約5年もの歳月をかけて完成させたという本作は、警察庁の特殊チーム“第九”が死者の記憶を映像化して事件の真相に迫るという禁断のミステリー。他人の脳内を覗き見るという行為に恐怖を感じつつも、その背徳感に正直ゾクゾクしてしまいました。主観や願望が入り混じる人の記憶。その複雑さを違和感なく視覚化した映像技術もスゴいのひと言です!
さらに、注目すべきは超豪華なキャスト陣。第九室長の薪剛に生田斗真、部下の青木一行役には岡田将生、薪の元同僚である鈴木克洋には松坂桃李と、旬なイケメン3人の共演はもちろんですが、栗山千明、大森南朋、吉川晃司、椎名桔平といった実力派俳優たちが一癖も二癖もある人物を演じているのも見どころです。ちらっとしか出てきませんが、精神科医を演じたリリー・フランキーの狂気じみた演技と、物語の鍵となる魔性の少女を演じた織田梨沙の新人らしからぬ存在感にも要注目!すべての登場人物が悲しい秘密を胸に隠しているというダークなストーリーなだけに、ラストシーンの美しさは切なく心に染み入ります。
事件は一件落着するも、青木の過去にまつわる事件の真相や、薪と精神科医の関係など、気になる要素を残したまま迎えるエンディング。これは、もしや続編への布石でしょうか…?その秘密が近いうちに解き明かされることを、期待してしまいます。
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恋愛を盛り上げるロマンティックな要素のある作品ではありませんが、見応えたっぷりでデートで行くのもオススメです。男性を惑わしてベッドへと引き込む妖艶な美少女が出てきますので、やきもち焼きの人は彼の反応を横目でチラ見してしまうかも(笑)。本作で描かれるのは、他人の秘密を覗き見ることの罪深さと恐ろしさ。どんなに愛し合っているカップルでも、相手の心に無断で立ち入るような行為はやめたほうがいいのです。彼のケータイをこっそりチェックしたいと思っているアナタ!本作を観て、その願望をクールダウンさせましょう。 |
ネタばれになるので詳しくは書けませんが、血なまぐさいシーンやセクシーなシーンもたくさん出てきます。キッズにはちょっと刺激が強いかもしれません。複雑な愛憎劇もティーンならある程度は理解できると思いますし、興奮度も高めで楽しめそうです。親子で観に行く映画というよりは、親に隠れてこっそり観るドキドキ感が似合う作品。夏休みの冒険として、友達同士で観に行くものおもしろそうです。 |