![]() 前半は心穏やかに見られるのですが、後半の展開でなぜ“おじさん”と犬が旅をし、あげくの果てに亡くなったのかがだんだん判明してきて本当に切なくなります。今の時代の社会問題をいろんな意味でとても象徴しているので、途中からは娯楽として観ている感覚がなくなっていきました。それに、根本的に「人に優しい人ほど人には頼るのが下手」という不器用な人の一面を描いている点がとても印象深かったです。中盤で汚れた服で食べ物もろくに食べていない様子の少年が出てくるシーンで“おじさん”が少年について語る言葉が、ラストでそっくりそのまま“おじさん”にも言いたくなるという皮肉な展開…。その辺りも本当に切ないなと思い、私はどちらかというと全体的に悲しい物語だと感じましたが、ラストあたりの奥津のセリフでは前向きなことを語っていたのが意外でした。受け取り用によってはどちらにも取れる内容だと思いますが、結局のところ「その人にとっての幸せって何だろう」と考えさせられた作品でした。 あと犬たちの名演にかなりびっくりです。犬って訓練したらこんな演技もできるんだ〜と感心。犬の癒し系映画というのではないですが、やっぱり犬好きにとってはたまらない映画です。 |
![]() |
©2011「星守る犬」製作委員会
2011.4.24 TEXT by Myson