歓びのトスカーナ

タイトルやのどかな田舎町の風景からして、ほのぼのとしたストーリーなのかと思ったら、大間違い。野性感溢れるドラマチックなストーリーで、導入シーンから良い意味で裏切りがあり、一気に引き込まれました。心に病を抱える女性達が住む診療施設で出会ったベアトリーチェとドナテッラ。正反対の2人のドタバタ劇は楽しさと、イライラが混在していて、どう転ぶのか読めないおもしろさがありました。特にベアトリーチェのキャラクターは濃厚で、どこまでが正気なのかがわからない点ので、いろんな意味でスリリング。ベアトリーチェをここまでリアルな存在にした、女優ヴァレリア・ブルーニ・テデスキは素晴らしいと思います。
「彼女達は心を病んでいる」という先入観で観ていると、ハッとさせられる展開も。心を病むって、本当はどういうことをいうのだろうと、観た後に余韻を残します。皆一生懸命生きてるんですよね！暗い部分を見せつつも、最後は明るい気分にさせてくれる映画です。