ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命

激動の時代を生き延びたユダヤ人の方々の物語は数多く映画になっていますが、本作で語られた実際の出来事にも大変驚かされました。この物語では、第二次世界大戦時のポーランド、ワルシャワで動物園を営む夫婦ヤンとアントニーナが、300人ものユダヤ人を救った経緯が描かれています。自らの命も危険にさらされてしまう状況のなか、ユダヤ人達を救った2人の勇気と優しさに心を打たれますが、彼らを救うことで夫婦関係が不安定になったり、彼らの子どもがどんな人間に育っていくのかというところも語られていて、英雄としてというよりも、私達と同じ普通の人間がこんな偉業を成し遂げたのだと改めて感じられる描写になっていた点が印象的です。また、ジェシカ・チャスティンが演じたアントニーナが動物と密に触れあうシーンがたくさん出てくるのですが、とても慣れている様子で驚きます。どうやって撮っているのかとても気になりますが、改めて彼女の演技力の高さを実感できました。
戦時中を描いた作品でありながら、戦争映画というわけではないので、どんな方にも観やすいと思います。驚きと感動のストーリーをぜひご覧ください。