2013年9月13日より全国公開/PG-12
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト 予告編
1992年に公開されたクリント・イーストウッド監督・主演の西部劇『許されざる者』を『フラガール』『悪人』の李相日監督が時代劇として蘇らせた本作。アカデミー賞最優秀作品賞受賞を受賞したイーストウッドの『許されざる者』は、作品の大きさから考えてワーナー本社がローカル化を許可する可能性はほぼゼロだと思われていたようです。でも李相日監督がやりたいと申し出て、渡辺謙が主演を快諾し、イーストウッドの許可がすんなり下りたとのこと。『硫黄島からの手紙』で築かれた渡辺謙とイーストウッド、ワーナー日本法人との信頼関係があったからこそと考えられていますが、初めから無理だなんて思わずに、実行に移して実現したというこの製作秘話には夢が感じられて共感しました。そんな熱意で撮られた作品なので、映画は最初から最後までエネルギー満タンで進んでいきます。 今は刀を封印し農民として暮らしている、かつて“人斬り十兵衛”と呼ばれ恐れられた男の葛藤を描いた物語。人斬りの話ですから、それなりに痛いシーンが続きます。そういう緊張感もあったせいか、135分という上映時間はあっという間でした。人はどうやって生きて、どうやって死ぬべきか…そんなテーマを感じさせる本作ですが、深いところまですぐには理解できないのが正直なところです。ストーリー自体はわかりやすいですが、この映画が伝えるメッセージをどう捉えれば良いのかはすごく考えさせられます。でもそこが本作の良いところなんだと思います。役者もとても良く、忽那汐里が良い演技をしてました。柳楽優弥もやっぱりうまいですね。そして、渡辺謙と佐藤浩市の共演。実は今作で初共演とのことですが贅沢な組合せですよね。2人の対決シーンはとても見応えありです。女子らしくはないですが、映画好きにはぜひイーストウッドのオリジナルと共に観て欲しい一作です。 |
女郎たちが登場しますが、きまずくなるようなエッチなシーンはありません。でも人斬りの話なのでかなり痛いシーンは多く、ロマンチックな内容ではないので、デート向きではないでしょう。ただ映画好きなカップルは興味があると思うので、クリント・イーストウッド監督・主演の『許されざる者』をDVDで観て、本作を観るというコースもありでしょう。主人公の決断、行動をどう解釈したかなど、話し甲斐のあるテーマですので、映画について語り合うのが好きなカップルにはオススメです。 |
PG-12なので、小学生以下のお子さんは大人と一緒に観てください。かなり痛々しいシーンも多く、露骨に映らないまでも残酷なシーンもあるので、子どもには衝撃が強いでしょう。ティーンはストーリー展開自体はわかりやすいので、挑戦してみても良いと思います。テーマや結末をどう受け止めるかは少し難しいですが、考えてみる価値のある内容です。友だち同士で観て語っても良し、家族と観て大人と意見交換してみても良いでしょう。 |
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■TJE Selection イイ男セレクション/柳楽優弥
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2013.8.17 TEXT by Myson