ローマを舞台にいろいろな人々の恋が交錯してハチャメチャになるという展開が、ウディ・アレンらしいチャーミングな演出で楽しめます。現実なのか、非現実なのかすらだんだんわからなくなるのですが、途中からそういう細かいことを気にして観るべき映画ではないなと気付いて気楽に楽しみました。気に入ったのは、歌がうまいお父さんのくだりですが、「シャワー中に口ずさむ歌はうまい」というどうでもいいけど誰もが思ったことのあるネタを本気でどうにかしようとしている展開が滑稽でウディ・アレンらしいなと思いました。
そしてなんといっても、ウディ・アレン自身の風貌というか佇まいが私はツボです。普通にしているのになんだかおかしい(笑)。あの見た目はとてもコミカルで、情けないおじさん役がピッタリ過ぎて、今回の役柄もハマっています。ほか、豪華キャストが大勢出ていて、ストーリーも演技も楽しめる一作です。ウディ・アレンは昔はもっと難しい作品が多かった気がしますが、最近は誰でも観やすい作品が増えましたね。名前だけ知っているけど観たことないという方は、今作からウディ・アレン作品デビューしてみてはどうでしょう? |
いろいろなカップルが出てくるのですが、どのカップルの恋愛模様もだんだんとおかしくなっていくので、今まさに笑えないほどややこしい関係の人や最近修羅場があったカップルは念のためデートで観るのは避けておいた方が良いかも知れないません。平穏なカップルは「他人事」として大いに楽しんでもらえる内容だと思います。よくよく考えると大変なできごとが起きているのですが、不思議と滑稽さが前に出ていて「いろいろあったけど、ま、いっか」って思ってしまうような演出がとても楽しくて好感が持てると思います。これから恋愛で苦労しそうだなと思うカップルは、この映画の気楽さを参考にしてみるのもアリです。 |
子どもでもわかるコミカルな内容で、子どもが観てはいけないほどエッチなシーンもありません。恋愛のお話なので、大人の話的なところもありますが、小学生高学年以上ならいちいち説明しなくても何となく察して理解できる内容だし、そういうところがメインの話ではないので、単純にドタバタ喜劇として楽しめます。ローマの綺麗な風景がたくさん出てくるので、気に入ったらイタリアについてちょっと調べてみたり、海外にも興味を持つきっかけになると良いですね。 |