>映画に隠された恋愛哲学とヒント集10

映画史に名を残す名監督アルフレッド・ヒッチコック。でも、彼が数々の名作を世に出してきたのも、妻アルマ・レヴィルによる貢献があったからこそ。彼女は妻として尽くしただけでなく、脚本家、編集者として才能を発揮し、夫を支えました。ただ、ヒッチコックはそんな妻に対して素直に感謝の思いを表現するのが下手だったことが映画を観てわかります。

家庭で夫を支える妻の場合にも言えることですが、夫が妻に感謝の意を示さないがために、妻の不満が溜まっていくばかり…という光景はよく目にしますよね。客観的に見ていると、アルフレッドがアルマを愛していることもよくわかるし、心の中では感謝していることも察することができます。でも、アルマ・レヴィルの場合は、仕事でもアルフレッドを支えていて、ときにはノー・クレジットで夫の作品に協力することもあったようです。それでも賛辞を浴びるのは夫ばかり。だからといって、アルマはその賛辞を自分にも向けるべきだとは思っていないようですが、ただ夫自身が妻の功績をわかっていて、それを認め感謝しているという様子を見せないことに悶々としているのです。
さらにアルフレッドは常にお気に入りの女優がいたようで、そのことをアルマは知っていながらも長年黙認していました。才能を持つ名監督ならば仕方がないと思ったのかも知れません。でも、やっぱりそういういろいろな苦労をしているからこそ、彼女はアルフレッドからねぎらいの言葉一つでも欲しいのだと思います。男ってこういうところがダメなんだよな〜とつくづく思ってしまいました。長年連れ添っていれば、言葉なんか要らないと男性は思ってしまうのでしょうが、女性は態度で示してもらいたいと思うもの。どれだけ尽くしてもそれが当たり前のような態度をされると、女性も堪忍袋の緒が切れてしまうでしょう。もちろん、男女が逆の立場の場合もそうですが、やはり言葉や態度に出すことって大事ですよね。