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女にとってのセックス、男にとってのセックス
男と女ではこの世で“種”として与えられた役割が違いますが、それにともなってか、セックス観も違うと言われています。あくまで生物学的に考えて、オスは子孫繁栄が使命、メスは種を誕生させることが使命だとすると、オスは多くのメスと生殖行為をするのは自然のことで、本能的な行動とも言えるのかも知れません。が人間の場合はそう単純ではありません。
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そこで、今回の特集では、映画に描かれたシチュエーションを参考に、セックスについての女の価値観、男の価値観を考えてみます。女子のセックス観を知れば、あなたの人間関係はもっとうまくいくかも。女子のセックス観、男子のセックス観を比較
『31年目の夫婦げんか』 公式サイト
2013年7月26日より全国公開© 2012 GHS PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.
平和に過ごしてきたかに見えた夫婦。だが、妻は現状に不満があり、結婚生活を取り戻したいと密かに願っています。というのも、寝室は別々で、夫が女として自分に触れたと感じたのは何年も前という状況で、妻はただの“同居人”としてではなく、夫との夜の生活を望んでいたからです。そして、切羽詰まった妻はあるカウンセラーの夫婦セラピーを受けると決意します。一方、亭主関白の夫は妻の不満など気付いておらず、妻が夫婦セラピーを受けようと言ってきたときも拒否。でも、今回だけは一歩も引かない妻のただならぬ様子をみて、仕方なくセラピーを受けます。
この映画では、愛はあるけれど、愛情表現の方法を忘れてしまった夫婦が、夫婦生活を取り戻すために奮闘する姿が描かれています。セラピーで行われるプログラムによって、この夫婦にとっては過酷な試練を乗り越えなければいけなくなるのですが、こうなってしまってからでは本当に大変だなと思いました。男性は性に対して欲求があることを口にしてもそれほど抵抗はないかも知れませんが、女性はあまりそういうことを口にしません。でも、女性にとってはスキンシップやセックスが相手からの愛情を確かめたり、女性であることを自覚する手段にもなります。性的欲求を処理するだけではない理由で、セックスが必要だと考える女性もいることが本作からわかると思います。『セックスの向こう側〜AV男優という生き方』R-18
2013年7月5日リリース(6/28レンタル開始)© MAXAM Inc.
本作は実際のAV男優さんのインタビューを撮ったドキュメンタリー映画です。男子、女子問わず、AV男優さんがどんな状況でお仕事をされているのか気になる方は多いですよね。女子目線で観た感想は、職業柄当たり前ですが、とてもサバサバと性的な行為について開けっぴろげにお話されるのが、まずビックリでした。あとは、この職業に就いたきっかけがわりと軽い方が多いのにも驚きました(笑)。今は時代が変わっているので、AV女優さんもそうなのかも知れませんが、この映画に出てくるAV男優さんに関しては、「友だちに誘われてなんとなく」みたいな方もいて、女子よりもハードルが低いのかなと思いました。やはり多少は性的関係性においての男女の立場の見え方の違いなんでしょうね。でも、職業柄、セックスが日常になっているだけに、逆に一般の男性よりも女性の心理的なケアには気を付けていそうだなとも思いました。
本作は「知らない世界を覗いてみたい」という好奇心で楽しむ映画だとは思いますが、同じ男子目線でプロのセックス観を知って、違った視点を得るきっかけになるかも知れませんね。それにしても、男子の皆さんはAV男優さんを羨ましく思うものなのかが、女子としては気になるところです。【Amazon.co.jp限定】AV男優セット(『セックスの向こう側』+『AV男優のアドリブ・セックス』)(『セックスの向こう側』未公開お蔵出し映像DVD-R付き)(完全初回生産限定)
© 2012 Focus Features LLC. All rights reserved. photography by Eugenio Recuenco,Laurie Sparham
ある貴婦人が1人の青年と出会ったことで、再び女として目覚め、破天荒な人生をたどるストーリー。夫との関係もそれほど悪かったわけではないけれど、激しい愛情と欲望をぶつけてくる若い青年との情事は、彼女の心をかき乱し、無謀な行動を起こさせるほどになります。表面的には見えていなかったけれど、きっと彼女のなかの女の部分は、青年に会うまで休眠していたのでしょう。家庭を持つとそうなる女性は多いとは思いますが、それで幸せだとする人と、常に女としての満足がないといられない人と、タイプが分かれるように思います。また、性的関係を夫に求める場合と、別の男に求めてしまう場合とが出てきますが、妻が後者になってしまう前に手を打っておかないと収集がつかなくなるので、普段から妻をときには女性として扱うよう心がけてください。
© 2011 Joe’s Daughter Inc.All Rights Reserved
友だちのように仲の良い夫婦だけれど、全く別のタイプの男性が現れ…。何でもない毎日、問題のない毎日は平和で幸せなはずなのに、なぜこうなっちゃうのでしょうか。女心は、何を察知して、何に物足りなさを感じるのか、ミシェル・ウィリアムズが演じている主人公の妻の気持ちは、女でもわかるようでわからない部分です。というか、主人公自身が自分が求めているものをわかったように見えて、実は自分自身でもわかっていなかったのではと思う切ないストーリーです。
夫とは相性も良く仲が良いけれど、好奇心をくすぐる別の男性が身近に現れ、事態は変わっていきます。解釈はいろいろにとれますが、結局のところ、こんなことのくり返しになるのかなと絶望感を抱いてしまいました。ただ、逆にいうと、やはりセックスだけが全てではないのはもちろんで、好奇心の対象が日常の一部になってしまったら、セックス以外の部分がないと成立しないということなのだと思います。ぜひ男子なりに女子の心情を観察してみてください。© 2009 Last Night Productions, Inc.
タイトルにありますが、「恋」と「愛」の違いを考えさせられる内容です。夫婦がそれぞれ別々に夜を過ごし、秘密を持つのですが、一見同じようなことをやっているように見えて、それを男がやる場合と、女がやる場合で、罪悪感に違いが出るんだなとしみじみと感じました。このストーリーの場合、妻と夫とどっちが罪深いと思いますか?これは男子目線、女子目線でも、見解に違いが出ると思います。
私は女子の方が罪深く、一度ほつれてしまった部分の修正は難しいように思いました。もし、あなたがこの主人公の夫の立場だったら、どう思いますか?夫婦って、秘密を抱えながら、うまくやっていくのも必要なんですかね〜なんて、考えちゃう内容でもあります。
本作はセフレがテーマの映画なのですが、同じ関係を男女でどう解釈しているかに違いがはっきりと出るのだなと感じました。本作では、友情のある男女がたまたま相手がいない時期に割り切って肉体関係を楽しむという設定なのですが、お互いにちゃんとつきあうかもしれない相手が浮上してきて、事態はだんだんと変化していきます。
女子が望むハッピーエンドに基づくクライマックスの解釈では、1つのセリフが良いように捉えられるのですが、現実的な男子の視点で同じセリフを解釈すると、女子にとってはとても切ない結果にも捉えられるのがおもしろいところです。この辺は、やはり男女のセックス観というか、恋愛観の違いなんだろうと思います。Copyright © 2011 DW Studios L.L.C. All Rights Reserved.
女子の方がドライな場合ももちろんあります。本作では、女性の方が割り切った態度を貫こうとします。でも本心からドライなのかというとそこは微妙なところで、根底には何か理由があるようで、一般的な話に置きかえても、肉体関係を持ってしまったら、女子の方が感情移入してしまう人が多いと思います。女子は心とセックスを結びついて考える人が多いと思いますが、だからこそ割り切ってつきあおうとする場合に、よりドライに接することに徹しようとするのかも知れません。でも、この映画のような状況、つまり男子の方が本気になりセフレから本気の恋愛にしようと努力するパターンは実際には少なそうな気がしますね。
『夢売るふたり』R-15
発売中©2012「夢売るふたり」製作委員会
本作は夫婦で結婚詐欺を働くというストーリーで、驚くのは仕掛けを考えるのは妻の方で、夫に他の女を抱かせるわけです。もちろん、初めから妻はそうすることを望んでいるわけでもなく、夫が他の女と寝ることを良しとしているわけではありません。どこかで歯車が狂って、妻はセックスという行為をとてもドライに捉えるようになります。おそらく妻は夫が結婚詐欺を働く際のセックスには相手に愛情はなく、自分に勝る女はいないと思っているからでしょう。女性のなかでも、「ばれないように浮気するなら良い」とか、「愛情がなくセックスだけの浮気ならまだ許せる」という人もいるでしょうが、「最後には自分のもとに帰ってくる」「愛しているのは自分」という自信がないと、そう言わないでしょう。だからやっぱり女性は、本命の男に対しては、心とセックスは切り離して考えることはできないと思われます。
『セックスと嘘とビデオテープ』 『みんなで一緒に暮らしたら』 『ミラノ、愛に生きる』 最近ではセックスについてもオープンに語られるようになり、映画でも大胆に描かれることが増えましたが、ただエッチな映画として観るだけでなく、人間観察として楽しむのもアリだと思います。この機会にぜひ女子の心情も観察してみてください。
2013.7.1 TEXT by Myson