本作は、別れる瀬戸際のカップルに妊娠が発覚し、結婚するまでの様子が描かれたラブストーリーで、主人公の緑役を菊池亜希子、真生役を中島歩が演じています。カップルが夫婦に変わるまでの様子はとても生々しく、主人公達と同世代の私にとっては、「あるある」と思う部分もあれば、「周りにもこういう人達がいるな」と共感できるところがたくさんありました。
緑は夢を叶えられずアルバイトをなんとなく続けていて、真生は優柔不断で常にいろいろなことに流されていて、どちらもまだまだ子どもっぽくて「この2人は、本当に結婚できるの?」と、心配になるほどでした。でもいざ結婚するとなると、お互いの家族へ挨拶をしたり、結婚式の準備などもしなくてはならないので、ただ付き合っているときとは全く違う“やるべきこと”がいくつも登場します。そんなハードルを一つずつ乗り越えていく2人は、相変わらず頼りなさはあるものの(苦笑)、2人なりに向き合っていて、その様子を観ていると、やはり“やるべきこと”も含めて、カップルが夫婦へと変わるってこういうことなんだなとしみじみ感じました。
本作は、岨手由貴子監督(脚本も担当)自身、現在32歳で主人公達と同世代だからこそ描けた、今どきのアラサー結婚事情だと思います。アラサー世代はもちろん、そのほかの世代でもそれぞれの視点から観られる作品です。ぜひ今どきカップルの一例として2人を温かく見守り、変化の様子を楽しんで観てください。
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緑と真生の結婚までの道のりはとても険しく、観ていて生々しいと思うところもたくさんありますが、結婚を考えているカップルであれば、本作で一足先に疑似体験しておくと良いでしょう。逆にまだ結婚に踏み出せないカップルなら、そのまま今の関係を続けるのか、結婚するのかを考える良いきっかけになると思います。ぜひ感想を聞きながら、さりげなく相手の結婚観を探ってみてください。 |
キッズも観られますが、主人公達を自分に置き換えるというより、お父さんとお母さんの話のように感じてしまいそうなので、もう少し大きくなってから観ることをオススメします。ティーンは、「これが現実なんだ」と、結婚への憧れがやや冷めてしまうかも知れませんが、むしろ皆さんにはまだまだチャンスがあります!相手選びはもちろん、家族や友だちとの付き合い方も今からいくらでも変えることができます。緑と真生のことを反面教師として観て、皆さんは自分の理想に少しでも近づけるように頑張ってください。 |