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BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント
2016年9月17日より全国公開
ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
公式サイト
スティーブン・スピルバーグとディズニーという夢のタッグで生み出された、感動的なファンタジー・アドベンチャーです。原作は「チャーリーとチョコレート工場」などで知られるイギリス児童文学界の巨匠、ロアルド・ダールの「オ・ヤサシ巨人BFG」(評論社刊)。ロンドンの児童養護施設に暮らす少女ソフィーと心優しい巨人BFGの友情と冒険を描くストーリーで、物語自体にこれといった奇抜さや目新しさはないのですが、わかりやすくシンプルで、小さな子どもから大人まで誰もが楽しめるでしょう。特に、幼少期に『E.T.』や『グーニーズ』を観て子ども達の大冒険に胸躍らせた世代は、当時のスピルバーグ作品を彷彿とさせる懐かしさを本作に見出すのではないでしょうか。
最新のVFX技術“パフォーマンス・キャプチャー”を通じてBFGを演じたのは、『ブリッジ・オブ・スパイ』でアカデミー賞助演男優賞に輝き、2作連続のスピルバーグ作品出演となるイギリスの名優マーク・ライランス。従来のモーション・キャプチャーの進化形である同装置は、顔や指の動きといった繊細な表情までを読み取ることができるそうで、ライランスの優しく豊かな表情がBFGのキャラクターに親しみと深みを与えています。ソフィーを演じるのは、オーディションで選ばれたルビー・バーンヒル。好奇心いっぱいの少女を文字通り体当たりで演じていて、観ているだけで微笑んでしまうようなかわいらしさ。孤独な2人が出会い、互いに癒されていく姿に胸が温まります。そして、印象的だったのが2人で夢を捕まえにいくシーン。幻想的な風景や躍動的な光の動きはディズニー映画の不朽の名作『ファンタジア』へのオーマージュのようにも感じました。とても美しいシーンですので、ぜひとも大きなスクリーンで観て頂きたいです。
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ラブストーリーの要素はありませんが、気楽に鑑賞できてファンタジックな世界観にも浸れる本作はデートにもぴったりです。よほどひねくれた相手でもない限り、当たり外れといった概念なく観られると思いますので、ケンカの直後やファーストデートなどにも向いています。素直な子ども心を取り戻せる本作の鑑賞後は、お互いの子ども時代のことを語り合ってみてはいかがでしょうか。より深く相手のことを知ることができるかも知れません。 |
小さなお子さんからお年寄りまで一緒に楽しめる作品です。人間よりもはるかに大きな生活用品に囲まれた巨人の世界や、人間界にやってきた巨人の動きなど、子どもならワクワクするシーンが盛りだくさん。おばけキュウリのグロテスクさや、不思議な飲み物“プップクプー”を飲むシーンなどは、子どもなら素直に大喜びしてしまうと思います。大きな体でありながら、虫の声や植物たちのささやきを聞くことができる繊細で優しいBFG。子どもたちもきっと大好きになってしまうと思いますが、BFG会いたさに夜更かしをする子が増えないかが、ちょっぴり心配です(笑)。 |
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2016.9.7 TEXT by min