Monthly Archives: 11月 2018

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映画『ガーディアンズ 伝説の勇者たち』声の出演:クリス・パイン/ジュード・ロウ/ヒュー・ジャックマン

クリスマスカウントダウン・アドベント映画レンダーVol.3『ガーディアンズ 伝説の勇者たち』

こんにちは。
学生映画宣伝局のエージェント兼2代目秘書、おこめとパンです。

ハロウィンが過ぎて、世間はすっかりクリスマスですね。
クリスマスといえば、彼がいなければ始まりません。

そう、サンタクロースです

“ほっこり優しいおじいさん” が定番の彼ですが、
そんなイメージが180度塗り替えられる映画があります。

それが、『ガーディアンズ 伝説の勇者たち』


サンタクロースはもちろん、麗しの主人公”ジャック・フロスト”が放つ魅力や学生だからこそ突き刺さるストーリーに注目していきます。

 

①背中を追いかけたくなる!●●なサンタクロース

本作ではサンタクロースイースターバニートゥースフェアリー(歯の妖精)サンドマンらによる“ガーディアンズ”のもとへ、世界を恐怖で支配しようと企むブギーマン、精霊ピッチが姿を現します。
そんな悪夢から世界中の子どもたちを守るため、ガーディアンズへ新たに召集されたのがジャック・フロスト
妖精として気ままにいたずらをして過ごす彼は、始めは「適任じゃない!」と戸惑います。
しかしガーディアンズと関わっていくうちに変化が…。

自分でも進むべき方向がわからなくなった時、誰かがヒントを握っていることってありますよね。
その存在が冒頭でお話ししたサンタクロース、ノースです。
彼は、私たちの知るほっこりしたおじいさんではありません。
屈強なんです。
豪快な笑い方、腕には刺青、がっしりした体つき、両手には剣!
みんな大好きソリの上でガンガン闘います。
そんなワイルドかつ愉快なノースには、茶目っ気や相手を思いやる広い心までしっかりあります。
楽しそうに競争心を燃やすかと思えば、悩んでいるジャック・フロストにもさりげなく手を差し伸べます。
だからこそ物凄く付いていきたくなるし、受け止めて欲しくなる存在です。
こんな上司のいる会社に就職できたらいいな!

 

②麗しのジャック・フロストにひれ伏す

そして、サンタクロースが図らずとも導いたのがジャック・フロスト
私は本作を手に取った瞬間から、完全に骨抜きにされました
元々、冬の色や肌が冷たそうな人がどうしようもなく好きな私にとって、ビジュアルから最高でした。造形が本当に美しいです。

雪女だとか某王女様だとか、氷を操る存在は女性で少し厳格な美しさを持っている…というイメージが印象強かったのですが、見事に打ち破られました!
身軽で細身のスタイルラフなパーカーちょっといたずら好きな優しいお兄ちゃんっぽさ、そして新雪のような白い歯…。
これでもかというレベルで、ツボを押さえてくるのが彼です。
ラストシーン、本当に心臓が止まっちゃいました。
絶対に同じ気持ちになる(なった)人がいるはずです。いますよね。

ちなみに、そんな彼を演じるのはクリス・パイン
お気付きの通り、声優陣が跪きたくなるほど豪華なんです。
他にはヒュー・ジャックマン、ジュード・ロウ…などなど、映画ファン垂涎もの。
(ヒュー・ジャックマン演じるイースターのバニーは、格好良くて頼りになる…けれどどこか可愛い!自信に満ちた立ち振る舞いに惹かれてしまう!という、思わぬ落とし穴だらけのキャラクターです。)

日本語吹き替えではピッチ役を務めた山路和弘さんにシビれました。
山路さんといえば、ゲーム『ウィッチャー3 ワイルドハント』のゲラルトさんですね。

③見かけだけじゃない、心に留まるストーリー

ここまでキャラクターについてお話をしてきましたが、何と言ってもストーリーに心臓がキュッとします。

キャラクターの動きや肌、感触…など、どこを取っても魅力的な本作をファンタジーだと思って甘く見てはいけません。
まだまだ不安でいっぱいな学生だからこそグッとくるようなポイントが詰まっています。

そもそも、ジャック・フロストってあまり聞いたことがありませんよね。
…これなんです。
これこそが彼の悩みであり不安の源です。
存在を知られていないから誰にも見えないし、認めてもらえない
どんなに頑張っても楽しませても、誰も自分に気がついてくれない。しかも数百年。
果てしなく切なくて悲しい…!

そんな彼と、まだ存在を確立できない学生の私たちは何だか似ています。
特に大学生は、もうすぐ“学生“という肩書きが無くなって、いよいよ社会に放り込まれる時が近づいてくる。
何者かわからない状態の焦りや不安ってすごく大きくいですよね。
だからこそジャック・フロストの気持ちが痛いほどに伝わって、物語の節々でうるっとくると思います。
物語はファンタジーな自分のルーツ探しだけれど、現実的な私たちにもしっかり通じています。

また、与えられた役目にただ従うだけなのも味気なくて、「なぜ選ばれたのか?」という疑問を持つことってすごく大切ですよね。
それだけで色々なことに意味が生まれます。
ジャック・フロストは、それを強く求めることができたから本作の主人公になれたんだと思います。
不器用でも少しずつ自分を探していて、確かに傷はついていくけれどやめられない。

私たち学生だって、怖いけどもがいていくしかない!


「自分は何者なのか?なぜ選ばれたのか?」

透明人間のような気持ちになったり、認めてもらえない虚しさを抱えてしまった時、この作品はぴったりです。
自分がわからなくなって、どうしようもなく寂しい気持ちになった時、ぜひ一緒にこの作品を観てみませんか?
ジャック・フロストの存在を受け入れてみれば、寒い現実も吹き飛ばす楽しみがやってくることでしょう!

 

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映画業界人インタビューVol.10 映画コラムニスト ジャンクハンター吉田さん

映画業界人インタビューVol.10 映画コラムニスト ジャンクハンター吉田さん【後編】

大人の社交辞令を逆手に取り、ファミコン雑誌編集部に遊びに行ってバイトをゲットした恐るべき高校1年生

ジャンクハンター吉田さん:もう1つ自分の転機があったんです。その転機になった人が、元GAGAで、今はメディアコンテンツ研究家と名乗っている黒川文雄さん。黒川さんがGAGAで映画の宣伝マンをやっていた時に、ホラー映画のイベントを新宿のシネマミラノでやって、1989か90年くらいだったかな。『バスケット・ケース』っていうカルト映画があって、フランク・ヘネンロッターっていうニューヨークにいる映画作家を呼んでイベントをやったんです。その時に黒川さんが、舞台に出て、キャパが300名くらいのところで、すごく熱意たっぷりに映画の宣伝トークをして、お客さん達を沸かせてたんです。そんなのは初めて見たから「なんなんだ、この男は!」って思って、こういう宣伝も大事で、喋りも大事だし、やっぱりイベントでの喋りって必要なんだって思って、すごく影響を受けました。自分の中では追いかけなきゃいけない人だなって思って、映画業界に入った時には、黒川さんはまだGAGAにいたんだけど、ある日GAGAを辞めて、セガ・エンタープライゼスに就職されたと知って、ゲーム業界でも名前が出てくるのかなと思ってたら、予想が的中して「やっぱりこの人ってただ者じゃないな」と思った。その後しばらくして、ゲーム関係の人に「昔から黒川さんの大ファンだったんだよね」って話したら紹介してくれて、一緒に食事したんですよ。それから今も仲良く関係が続いています。

一同:え〜!すごい!

映画業界人インタビューVol.10 映画コラムニスト ジャンクハンター吉田さんジャンクハンター吉田さん:もう1人自分のDNAに入っているのは、淀川長治先生。25か26歳の頃に、会社の人から、ヤン・デ・ボン監督のディザスタームービー『ツイスター』の完成披露試写会に行ってこいって言われて、淀川先生の隣りに座ることになったの。こんな大御所の人が隣に座っていても、自分はまだペーペーでこっちから喋りかけるわけにはいかなかったんだけど、隣からすっごく目線を感じるわけ。そしたら、「おい、お前いくつだ?」って言うから、「まだ25です」って返したら、「年齢を聞いてるんじゃない!」って怒り始めて、「体重を聞いてるんだよ!」って言われて(笑)。

一同:ハハハハハ!

ジャンクハンター吉田さん:「体重ですか…、95キロです」って答えたら、「あと5キロ増やしてこい。100キロになったら俺が面倒見てやるから」って言われて。頼んでもないのにどういう意味だろうって思って、「え?意味わかんないですね」って言ったら、「飯食わしてやるから。お前、飯食うの好きだろ?どうせお前金とかないだろ!映画業界なんかな、金とか儲からないところだからな」っていう映画業界の話をいっぱい喋り始めて。そんなこんなで、一緒にご飯を食べたり、映画の観方を教えてもらうようになって、その時に映画宣伝マンとしてプロモーションをやっているだけだと、自分の素の部分が出ないなって思ったの。もともと定時制高校1年の頃に、宝島社の前身のJICC出版局っていうところに入ったんですよ。ファミコン全盛期だったので、そこでファミコン攻略本の仕事をしたり、隔週でファミコン雑誌を出版していた編集部の一番底辺で働いてたの。その時はまだ15歳で、自分で原稿はなかなか書かせてくれないわけで、とにかく雑用ばっかりさせられて。ゲームの攻略本を作る時は、ある程度テキストを書いてそれを写植屋さんに持って行ったりして、国語の点数は悪かったけど、文章の書き方は先輩達を見てすごく勉強になった。で、自分が映画の宣伝をやり始めた時に、文章力が必要になったんです。映画のプレスシートの原稿を書いたり、リリース文も書かなきゃいけないから、絶対必要になったのね。そういうのをやらされて、どんどんどんどん自分が叩き上げで原稿を書くようになったんですよ。そういう話とかを淀川先生にしたら、「お前は独立したほうが良いんだよ。今のサラリーマンで、月に15万じゃ割に合わないだろうから独立して、30を超えればきっと何とかなるだろ」みたいな話になって。「お前がフリーランスで物書きをやるんだったら、いろいろ教えてやる」って言われて、すっごくいろいろ教えてもらって、資料とかも「この辺にあるやつ好きなものを持って帰って良い」って言われて、大量に持って帰って。そこから、自分の中で黒川文雄さんから影響を受けた宣伝マンの仕事とは別に、もう一つのレールに乗っかっちゃったんですよ。文章を書く仕事の大事さを知ったのは、淀川先生のおかげなんです。淀川先生と2年間くらいの濃厚な時間があって、先生には「おれは弟子なんかとらないけど、お前が最後の弟子みたいなもんだ」って言われたんだけど、自分なんかを弟子だと語るのは恐縮でございますみたいな話で。でも、自分の中では、映画の宣伝としては元GAGAの黒川文雄さん、物書きとしては淀川長治先生のDNAが入ってるんです。この2人の影響はやっぱりすごく大きい。

おこめとパン:ファミコン雑誌の編集部にはどうやって入ったんですか?

ジャンクハンター吉田さん:中学を卒業して、たまたまその雑誌の編集後記に、「遊びにいらっしゃい」みたいなことが書いてあったから、ゲームをやりたくて遊びに行ったんですよ。「遊びに来いって書いてあったから遊びに来ました」って言ったら、「本当に遊びに来るやつがいたんだ」みたいな話になって。

局長:吉田さん、そんなのばっかりじゃないですか(笑)!

ジャンクハンター吉田さん:その時に知り合ったのが、今はゲームアナリストって名乗っている平林久和っていう人だったんですよ。平林久和さんは、自分の中で最初の先輩です。行く前にかけた電話を彼が受けてたから、「本当にお前来たんだ。お前いくつだよ?」って言われて、「中学卒業したばっかりでまだ15です」って言ったら、「若いなー!」って皆珍しがって、「じゃあ若いから食えるよな、ラーメン」って言われてパッと机を見たら、カップ麺が50個くらいあったのね。そのカップ麺っていうのが、お湯が必要のないアルキメンデスっていうカップ麺で。

一同:へえ〜。

ジャンクハンター吉田さん:「コレ、編集部に山ほど届いちゃってさ。消化できないから50個食ってくれないか?」って頼まれて。これはとんでもないところに来ちゃったなって思いながら、それを食べたんだけど、25個くらいでギブアップしたのかな。半分は食べないと根性を見せられないと思って。でもそんなに食べるとは思っていなかったらしくて、当時編集長だった井上さんや平林さんが、「こんなに食ったから、編集部にあるゲーム好きなだけやっていいよ」って言ってくれて、そこでずっとピコピコやって。定時制高校だったから、17時半には行かなきゃいけなくて、「すみません、16時半になったので学校に行きます」って言ったら、「え!普通の昼間の高校をサボって来たんじゃなかったのか?」って言われて、定時制高校に通ってるって話したら、「じゃあうちでバイトしないか?」ってことになったの。平林さんにそう言われて、井上編集長経由で唯一の15歳のバイトとして入って、そこで写植とか、雑誌編集とかものすごくたくさんのことを学んだ。自分の中の師匠一番手が平林さんで、2番目は黒川文雄さん、3番目は淀川長治先生。人生で5人は師匠が現れるって言われているんだけど、この3人は自分の中で絶対的存在なんです。あと、人生の先輩ではチャック・ノリス先生がいるので、あと1人って誰が現れるのかなって。この人生の中で、残りの1人が誰だろうって、ワクワクしながら生きているんですよ。

取材日:2018年6月1日

 

今回の記事担当:おこめとパン
■取材しての感想
お話がとにかくディープ(笑)!刺激的な内容だけでなく、惜しみなくご自身の知識や経験を伝授してくださるので、吉田さんこそ”師匠”という印象でした。「何事も行動、そして恐れない!」を信条に、私も壁をぶち破っていきます。

【前編に戻る】【中編に戻る】

 

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映画『ホーム・アローン』マコーレー・カルキンほか

クリスマスカウントダウン・アドベント映画レンダーVol.2『ホーム・アローン』

こんにちは!学生映画宣伝局エージェントのmoです。
そろそろ町にも冬のムードが漂いはじめ、毎年恒例の大きなクリスマスツリーが設置されているのを見かけます。キラキラしたライトが町中に灯り、お店はお菓子やおもちゃ、クリスマスの飾りで溢れるこの季節。いくつになってもクリスマスの雰囲気は子どものようにドキドキワクワクしちゃいますよね(^^)。
ということで今回は、子どもが主役のクリスマス映画ホーム・アローンを紹介します!

大人気シリーズ1作目のビジュアルで、両手を頬にそえて目も口もまんまると開いたこの表情を、皆さん一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
マカリスター家の末っ子ケビンは、いつも自分を子ども扱いする家族にうんざりしています。クリスマスは親戚総出でパリに行くことになりますが、出発前夜にケンカをしてしまい、ケビンはこう言い放ちます、「家族なんか消えちゃえ!」 。翌日、目を覚ますと家には自分だけ!ケビンはひょんなことから家に置き去りにされてしまい、さらにはクリスマスの留守宅を狙った泥棒二人組が現れ…。

大きな家に一人残されたうえ泥棒に狙われるなんて、どうなることかと思いきや、子どもならではの発想で楽しんでしまうのがこの映画のおもしろさ。テレビを独占してもどんなにお菓子を食べても誰にも怒られないなんて、まさに子どもの頃の夢ですよね! 泥棒から家を守るためにケビンが張り巡らせる“泥棒撃退トラップ”も、使うのは家にあるもの、それもおもちゃばかりなのに、“そんな使い方をするのか!”と感心したり、過激な仕掛けに驚きます。しかもこの泥棒コンビもなかなかマヌケで、次から次へとトラップに引っかかる様子は爆笑必至!最後には家族の絆にほっこりするかも。
友達や家族とワイワイしながら観ると盛り上がりそうです。皆さんも是非観てみてください!

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映画業界人インタビューVol.10 映画コラムニスト ジャンクハンター吉田さん【中編】

プロレスラーをやりながら、映画宣伝の仕事。そして、CGの専門学校へ

ジャンクハンター吉田さん:日本に帰ってきて、ハリウッドでの体験から格闘技の道に進みたくなっちゃって、プロレス界に入ろうと思ったんですよ。それでプロレスの道に進みつつ、1991年、当時住んでた新大塚から行ける場所でバイトできるところを探してたら、株式会社現代(現在は“株式会社現代マーチャンダイズ”)っていう、映画のプロモーションの仕事をやってる会社を見つけて。当時の時給が820円くらいで「安っ!」って思ったけど、修行のためにと思って、面接を受けたんだよね。面接には映画業界に入りたいっていう人がたくさんきていて、皆スーツだったけど、バイトの面接だしというのもあって、自分だけ短パンに半そでで行ったんですよ。ちょっとアメリカナイズされてたから、おかしくなってた(笑)。結局80人くらい面接を受けてて、3人採用の中に入れられて、なんで自分が選ばれたのか不思議だったけど、最初の仕事が『ターミネーター2』で、そんなにでかい仕事があるんだと思った。それから『ターミネーター2』の仕事をやりつつ、ジャッキー・チェンの『ツイン・ドラゴン』っていう映画のプロモーションをやったり、東宝との仕事が多かったね。プロモーションとして、配布用、劇場販売用のキャラクターグッズの企画とか、いろいろとやり始めて、そうしてる間に、自分はまだ20歳で会社で1番若かったので、東宝東和のプロモーション会社に行けって言われて、東和プロモーションっていう会社で下積み生活を始めたんです。映画のチケットを管理している会社で、当時、東宝東和は20世紀フォックスとか日本ヘラルドのチケットの管理をしてたの。でそのチケットの営業を手伝わされたり、飲食店とかを回って、B2ポスターを貼ってもらったり、ポスターをラミネートフィルムで加工して看板を作って、店先に置かせてもらったり、営業なんかしたことがなかったから全然わからなかったけど、いろんなところへ行って、まず喋りを鍛えさせられて、これがタモリ倶楽部で見ていた、喋りを鍛えるってことなんだなと、自分のなかでの挑戦と思ってやってた。そういういろんな仕事をして、映画の宣伝をやった時はおもしろかったですよ。27歳の夏で会社を辞めるまで毎月15万で、生活がすっごくきつかったけどね。でも、やっぱ人生って修行が大事だと思うし。

局長:それと同時にプロレスラーをやってたんですよね?

ジャンクハンター吉田さん:その時に、アニマル浜口ジムに入って、プロレスの練習もし始めた。

一同:うわ!ヘビー!

映画業界人インタビューVol.10 映画コラムニスト ジャンクハンター吉田さんサン:そのときにジャンクハンターって名前が付いたんですか?

ジャンクハンター吉田さん:ジャンクハンターっていうのはまだ。ジャンクハンターって名乗り始めたのは1997年かな。フリーライターとしての道をスタートする時に、ジャンクハンター吉田っていう名前で活動し始めたんですよ。その後2000年に、プロレスをやって欲しいってすごく頼まれて、その時ライターネームの“ジャンクハンター吉田”のまま、プロレスとか格闘技を始めちゃって。でも、それまではずっとアマチュアでしかやってなくて、プロとしてはやってなかった。48歳でジャンクハンター吉田って、どうなのかなって思うけど、自分でもこの歳までこの名前で仕事してると思ってなかった(笑)。

一同:ハハハハハ!

ジャンクハンター吉田さん:20年ちょっとこの名前で仕事してて、一回この名前を捨てて、“吉田みやん”って名前にしたけど、仕事がこなくて、ジャンクハンター吉田に名前を戻したら一気に仕事がきたっていうね。絶望感を味わいました。名前は変えちゃいけないって思った。まあそういっても映画業界って、もともとお金が儲からない仕組みになってるんだなって、すごく学んじゃって。で、1998年に、デジタルハリウッドっていうCGの専門学校に退職金で行ったんですよ。CGクリエイターになるつもりはなかったけど、フリーのライターとして活動していきたいなと思って。あと1997、98年って、CGブームがくるっていう黎明期だったんですよ。その時にまた修行したいなと思って退職金の80万を全部注ぎ込んで、お茶の水にあるデジタルハリウッドに行って、半年間CGを学んだけど、知識が欲しかっただけだから、就職活動はしなかった。就職活動をしてたら、今の自分はいなかったですよ。でも、その知識のおかげで、ゲームクリエイターとも仲良くなれるし、ハリウッドのCGクリエイターともすごい仲良くなれる。

おこめとパン:それはどうやって、そういう方々と繋がったんですか?

ジャンクハンター吉田さん:取材です。ライターでここまで詳しいやつはいないって皆に言われる。クリエイターはそういう人間を喜ぶわけですよ。ウェルカムって感じで「飲み会やるから来ない?」って言われたり、アメリカに行って取材した時には、今度紹介したいやつがいるからって言って、CGクリエイターを紹介してもらったり、ILM(インダストリアル・ライト&マジック=アメリカの特殊効果の制作会社)の人を紹介してもらったり。それでいろいろ広がっていって、その80万は自分への投資だったけど、役に立ったよね。普通のライターじゃわかんない知識がいっぱいあるって言われて。

取材日:2018年6月1日

吉田さんのこれまでのご経験があまりにドラマチック過ぎて、3回の連載には収めきれないのですが、まだまだ“ドラマ”は続きます!
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クリスマスカウントダウン・アドベント映画レンダーVol.1『RENT』

こんにちは!学生映画宣伝局エージェント cosmos です。

これから毎週、映画レビューを投稿していきます。読者のみなさんが映画を観たくなるような、好きな映画をもっと好きになるような、そんなレビューを書いていけたらなと思っています。よろしくお願いします!

今週から12月いっぱいまではクリスマス特集です!クリスマス映画を独自の目線からたくさん紹介していきたいと思います。

初回はミュージカル映画『RENT』。

え、それクリスマス映画なの?て感じですよね。まあ簡単に言うと違います!というかテーマは全くクリスマスではありません。物語がクリスマスに始まり、翌年のクリスマスに終わるだけです。

むしろテーマは「HIVと貧困の中でもがく若者」という感じです。ロックミュージックが最高にかっこいいので忘れそうになりますが、かなり重くて苦しいお話です。クリスマスに近づいてから観るには悲しすぎちゃうのでこのくらいの時期がちょうどいいかもしれません。

なんて言いながら、実は私、これほどのクリスマス映画って他にはないとも思っています。

作中で重要なカギを握るエンジェル。サンタドレスに身を包み、クリスマスの朝に登場する彼(彼女)はまさにクリスマスプレゼント。マークやロジャー、コリンズだけでなく、観ている私たちにまで幸せを届けに来てくれる、そんな本物のエンジェルだと思うのです。映画を最後まで観てもらえたら、余計そのことが実感できると思います。

私、『RENT』のミュージカルを劇場で観たことあるんですけど、エンジェルが登場しただけで拍手と歓声がすごかったです!家で映画を観る分にはスタンディングオベーションも自由なので、ぜひエンジェルたちと歌って踊って楽しんで観てください!

 

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映画業界人インタビューVol.10 映画コラムニスト ジャンクハンター吉田さん

映画業界人インタビューVol.10 映画コラムニスト ジャンクハンター吉田さん【前編】

今回は、エージェントのサンと、おこめとパンが取材しました。このインタビューは3回に渡ってお届けします。

高校生で『ロボコップ』前売り券50枚の束を買い占めた!

サン:今まで映画にまつわるお仕事をいろいろとされていますが、ご職業名は何と書けば良いでしょうか?

ジャンクハンター吉田さん:そうか。映画コラムニストが主軸だよね、今はね。たぶんこの映画コラムニストっていう肩書きが、“最終駅”だと思うんですよ。これまでは映画の宣伝マン、ライター、ジャーナリスト取材とかをしてきたけど、1つの作品について「語ってください」「記事を書いてください」っていうオファーがすごく多くなっちゃって。需要がどれくらいあるかって自分ではわからないけど、例えば『レディ・プレイヤー1』だったら、普通はスピルバーグ推しだったりするけど、敢えてそうせずに、脚本家の目線という独自の切り口にしたり。具体的にいうと、「脚本家が実は80年代の映画が好きで、ゲームが大好きで、ゲームのドキュメンタリー映像まで作ってるザック・ペンっていう人で…」とか、そういうアウトサイドの切り口からコラムをやってくれって言われるわけ。王道なら誰でもできるけど、僕は王道じゃないところを切り口にするから需要がある。隙間産業ですよ。結局、畑を耕してるところはいっぱいあるけど、遠くの畑までは耕せないんですよ。だからやっぱり自分としては、メインストリームじゃなくアウトサイドのほうから、遠くの畑を耕すほうが、作品を柱として自力で支えてるような気がして好きなんです。それは映画の宣伝も同じで、メインストリームは誰だってできます。なんでかというと、お金を投入すれば、広告を打てるしCMも出せます。でも、お金を投入しないでどうやって限られた宣伝費でやるのか、頭を使って考えなきゃいけないとなると、王道で宣伝できない。だからアウトサイドから、遠くの畑を耕すやり方で宣伝していく。それが僕がホラー映画の宣伝ばっかりだった理由です。

局長:私が吉田さんに出会ったのも『テキサス・チェーンソー』の宣伝をされてた時でしたもんね。ほんと、宣伝、ライター、ジャーナリストと、いろいろされてて、ゲームもすごく詳しいですよね。

ジャンクハンター吉田さん:幅広くやってきたっていう部分で、肩書きを特に重要視しないで、この業界で生きてきてっていうのがあって、それが根底だよね。肩書きがあると、それだけ仕事の幅が狭くなるなと思って。だから名刺に肩書き入れてないでしょ。肩書きって、すごくこの業界で重要視される部分なの。でも肩書き入れないと、「こういう仕事できますか?」ってオファーが来るの、フリーランスだから。いや、できませんって断るときもあるけど、7割はできる仕事が多い。クライアントがある程度ネットで調べて、この人ならこういうことができるかなって思ってオファーしてくるの。フリーとして生きる道はそこだよね。

サン:では、定番の質問なのですが、この業界に入ろうと思ったきっかけを教えてください。

ジャンクハンター吉田さん:映画業界の話に限定しちゃっていいんだよね?

局長:はい、大丈夫です。

ジャンクハンター吉田さん:“タモリ倶楽部”っていう番組を80年代に観てて、当時は映画宣伝マンが月に1回くらい出てきて競い合ってたわけよ。それを観た時に、映画の宣伝マンって、喋れないとダメなんだなって思ったの。で、俺だったらこんな風にもっと喋れるのになって、自分で勝手にシュミレーションしてたのが高校生の時かな。それから1987年に、ポール・ヴァーホーヴェン監督の『ロボコップ』を試写会で観て衝撃が走って、これは自分が考える映画の教科書だと思ったの。こんなに最後まで沸かせるような、これはもう自分の中の王道の王道で、無人島に絶対持っていきたい映画だなって。定時制の高校に行ってて、バイトでお金をいっぱい貯めてたから、このポール・ヴァーホーヴェンってよくわかんないけど、映画の業界に入れれば、この人にきっと会えるかもしれないなと思って、映画のチケット屋に行って、前売り券を全部くださいって言ったの。

『ロボコップ』

一同:ええー!!

ジャンクハンター吉田さん:「全部ですか?!」って言われて、「全部です」って答えて(笑)。その時自分は高校生だったから学生として普通はそんなに買えないじゃない。でも、まだチケットが誰にも買われてなかったので、50枚つづりが1束あって、「すいません。これ50枚一束ください」って言ったら、「一束ですか?!」って聞かれたから、「いや、これ本気です」って言ったんだよね。そしたら、そこの人達が “なんだかよくわかんない若者が『ロボコップ』のチケット50枚を買おうとしてるらしい、なんなんだこれ?”ってざわざわしてたけど、現金で買って。当時の銀座プランタンのプレイガイドの人達の中では伝説になってるかもしれない(笑)。

一同:いや~すごい。

ジャンクハンター吉田さん:やっぱりね、この業界に入る時の熱量が大事なんですよ。“タモリ倶楽部”に出てた映画宣伝の人達が熱量ないなと思って、あれは反面教師でしたね。やらされてる感があって、この作品を本当に心底愛してない状態で宣伝してるな~っていうのが伝わってきちゃって。宣伝マンだから仕方なくきてるのかなって、ブラウン管越しだったからそういう風に感じたのかも知れないけどね。でも、いつか映画業界に入ったら、自分は熱量100パーセントでぶっぱなすしかないなと思った。『ロボコップ』でうるっとくるのもおかしいかも知れないけど、試写会で観た時も号泣して、自分だけしか泣いてなかったけど、17歳の時かな。劇場公開してからビデオリリースを待てずに輸入版VHSも買って、「この道に進んで『ロボコップ』を担当したら、こうやって宣伝するのにな」って考えたり、いろいろ自分の頭の中でシュミレーションしてました。それでね、定時制高校で4年制だったので、卒業する間際、映画の仕事とか漠然とした状態だったけど、アメリカに行ったんですよ。『ドラゴンへの道』っていうブルース・リーの映画があって、ハリウッド俳優であり、空手家のチャック・ノリスをこの作品で観て、「この俳優すごい、胸毛むしられてる。なんだすげえ!」と思って、彼を好きになっちゃって。マーシャルアーツ本とか空手本とかもういろいろ調べまくったら、見つけたんですよ、住所を!チャック・ノリス道場って書いた、空手着を着たチャック・ノリス先生の写真が載ってたから、「これだ!」と思って、渡米して道場を訪ねたんです。で入門させてもらおうと道場に行った瞬間に、たまたまチャック・ノリス先生がいてね。

一同:ええー!すごい!

ジャンクハンター吉田さん:これはもう逃せないと思って、なんとかハリウッドで仕事ができるかも知れないって勝手に妄想が膨らんじゃって、何の経歴もなく、何の手土産もなく行って、「あなたの作品”THE WAY OF THE DRAGON”を観ましたよ。ブルース・リーではなく、あなたのファンになりました。あなたのジャンピング・バック・スピンキックは本当に強いんですか!?」って、片言の英語でペーパーを持ちながら喋ってね。でも「本当に強いんですか?」って聞いたもんだから、それを向こうが道場破りと勘違いしちゃって。

一同:アハハハハ!

ジャンクハンター吉田さん:これはまずいなと思ったけど、道場生達に囲まれちゃって、カラテもレスリングも、格闘経験なんて何もない人間が、でっかいサンドバックっていうかキックミットっていうのを持たされて、「歯を食いしばれ」みたいなことを言われて。チャック先生が「本当にいいのか?」って聞いてきたけど、全然言葉がわかんないから“Welcome”って言ったら笑い始めちゃって、3,2,1と数えた後、ボーンっとジャンピング・バック・スピンキックをくらったんです。吹っ飛ばされて、3回転くらい転んだのかなあ。

局長:漫画みたい(笑)。

ジャンクハンター吉田さん:そしたら道場生達が「なんだ、この日本人は!」ってなって、一気にそこで皆爆笑し始めたの。それまで道場破りが来たと思われてすごい空気だったけど、その後に皆笑いながら近づいてきて、「お前のキックミットの持ち方がおかしいんだよ」とかダメ出しされて、そこで一気に雪解けして、仲良くなったの。それでチャック先生に「お前は本当に何しに来た?クレイジーだな」って言われて、「いやあ感動しました。キック食らって回転したけど、あなたは本当に強かった」って、なんだか気持ち良くなっちゃって、感動して泣いてたら、「泣く必要ないだろ」って言われて、「観光ビザだから3か月間、ここで道場生としてやりたい」って話して、入れてもらったんだよね。道場にはどっかで見たような映画プロデューサーとか、俳優とかが来るわけ。やっぱチャック・ノリスってすごい人なんだって思い始めて、アメリカでは格闘家としても有名だし、俳優としても有名なんだなって、余計尊敬を抱いちゃって。だから、そこで練習してて、白帯のくせに試合に出たいっていう欲求が出てきちゃったんですよ。

局長:なんか運命に導かれてる感がすごくありますね。

ジャンクハンター吉田さん:チャック先生は映画の撮影があるから1週間とか10日に1回しか来てないらしくて、「お前はラッキーだ」って言われた。直接指導は、本当に1週間とか10日に1回、みっちりと教えてくれるんだけども、その間も自分達は本当もう底辺だから、道場の隅々を磨いたり、下積みをやらされたんですよ。でもそこにハリウッドの映画人がいっぱい来るから、ミーハー気分ですごくドキドキするわけ。でもビザが切れるので帰国したんだよね。

今回の記事担当:サン
■取材しての感想
私の想像を超える破天荒で濃密なエピソードに、仰天するばかりのインタビューでした!難しいことをいろいろと考える前に、自分の直観に従って行動を起こすことが大切だと感じました。ありがとうございました!

取材日:2018年6月1日

映画化されても良さそうなくらい、ドラマチックな人生を送られている吉田さん。次回も濃厚なお話をお聞きしています!→【中編を読む】

 

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