取材&インタビュー

カッコいい線、音が出せるまで猛練習!是枝裕和監督作『ルックバック』完成報告イベントに出口夏希、蒔田彩珠らが登壇

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映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:出口夏希、蒔田彩珠、七瀬ふうり、岡田六花、是枝裕和監督

藤本タツキの原作漫画「ルックバック」は2024年にアニメーション化され大ヒットを飛ばしました。そして遂に、是枝裕和監督により実写化されました。2026年8月20日、待望の本作の完成報告を行うべく、是枝監督とメインキャストが舞台挨拶を行いました。

映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:出口夏希

藤野役を演じた出口夏希は、「皆が心を込めて作り上げてきた『ルックバック』をやっとこうして皆さんに観ていただける日がきて、とても嬉しく思っています」とコメント。京本役の蒔田彩珠は「1年という贅沢な期間をかけて丁寧に作ったこの作品の完成報告がようやくできて、すごく嬉しいです」と挨拶。

映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:蒔田彩珠

子どもの頃の2人を演じた、七瀬ふうりと岡田六花も仲良く登壇しました。ここから先は、質疑応答を会話形式で掲載します。

映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:七瀬ふうり、岡田六花

Q:完成版を観た感想は?

出口夏希:
始まる前から今までにない緊張がすごくあって。でも、最初に出てきたのがこの子達で、すごくホッとして自分の番がくるまで観られました。その後は、景色とか私達が(現場で)見ていたものがそのまんま映し出されていて、本当に綺麗で、自分が出ていたのに忘れるくらいの感じで観てました。

蒔田彩珠:
現場ではこの(子ども時代の)お2人のお芝居を見ていなかったので、始まってまずふうりちゃんが出てきて、「本当にあのふうりちゃん?」っていうくらい、自分の役を演じていて。六花ちゃんが出てきた時も、(出口夏希と)2人で顔を見合わせて「かわいい〜!」ってなってて、作品はもちろん素晴らしいんですけど、2人が現場で頑張っていたのを知っていたからこその感動があって、何だかホッコリしました。

映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:七瀬ふうり

七瀬ふうり:
あんまり自分の演技を見る機会がなくて、最初はすごく恥ずかしくてちょっと目をつむってて。京ちゃん(岡田六花)の演技とか、夏希ちゃん、彩珠ちゃんの演技を見て、本当に感動したし、やっぱり演技の先輩達ですから、勉強になりました。

映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:岡田六花

岡田六花:
やっぱり、にかほ(秋田県にかほ市)の景色が春夏秋冬全部ものすごく綺麗でした。1番は皆さんの演技がとてつもなくお上手で。

七瀬ふうり:
いやいやいや。

岡田六花:
いやいやいや。

MC:
是枝監督、さっきまで皆さん緊張していらっしゃいましたけど、そうは思えないくらい堂々とされていますね。

是枝裕和監督:
はい、本当に。いつもの空気が戻ってきて良かったです。

MC:
監督は編集もされているので完成まで何度もご覧になっていると思いますが、改めて完成されたものをご自身でご覧になってどんなことをお感じになりましたか?

是枝裕和監督:
素晴らしい原作に出会ったところからスタートしているので、撮りながらずっとあの原作に答えなければという風に考えていました。いざ撮影が始まってみると、本当に天気とか自然、白鳥とかいろんなものに恵まれて、何か特別な時間がこの映画の中で撮れているなという実感が、たぶん僕だけではなくて現場を共有したスタッフ皆にあったんですよね。編集しながらそれを作品の中に残せたかどうかっていうのが、ちょっと心配ではあるんですけど、登場人物、風景を観ていただいた時に、そういう祝福されている感じが共有されていればいいなと、自分で自分の作品を観ながら思いました。

Q:オファーがきた時にどんなことを感じましたか?

映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:出口夏希

出口夏希:
オファーをいただいた時は、こんなにたくさんの方に愛されている作品が自分にきたので、嬉しいももちろんあったんですけど、怖いのほうが勝って。あと是枝さんと4年ぶり、『舞妓さんちのまかないさん』ぶりなので、「成長してなかったらどうしよう。え〜ん」って言ってました(笑)。

映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:蒔田彩珠

蒔田彩珠:
私は「ルックバック」の漫画が発売された頃に監督に本をいただいていて、それから4、5年経って、「やっと実現した!」という気持ちが大きかったです。やっぱり、私も『舞妓さんちのまかないさん』ぶりに監督とご一緒だったので、ちょっと恥ずかしかったです。

MC:
その恥ずかしさというのはどういうところからくる恥ずかしさなんですか?

蒔田彩珠:
今さら、監督の前でお芝居ができるかなって(笑)。

MC:
七瀬さんと岡田さんはオーディションだったと伺っています。ご出演が決定した時はどんな気持ちでしたか?

映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:七瀬ふうり

七瀬ふうり:
もう嬉しすぎて、本当にビックリして、家の中で叫んでぴょんぴょん跳びはねたんですよ。まさか、自分が決まると思っていなかったので本当に嬉しかったです。

是枝裕和監督:
七瀬さんに関しては一次のオーディションでそこに立ち会っていたスタッフ全員が「あ、藤野だ」と思ったんです。

七瀬ふうり:
ありがとうございます!

MC:
岡田さんは決まった時はどうでしたか?

映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:岡田六花

岡田六花:
学校から帰ってきた時に、お母さんに「決まったよ」って言われて、本当に信じられなくて、私もまさか自分が受かるとは思っていなかったので、夢だと思いました。そこから1、2週間くらいは全然実感が湧かないまま、ボ〜ッと過ごしてました。

MC:
七瀬さんは、今回是枝監督の現場でどんなことを感じましたか?

七瀬ふうり:
監督自体がホッコリしてて、優しくて、やっぱりそりゃあもう、この人だったら皆に愛されるよね〜って言ってました。おっきいクマちゃん(笑)。

是枝裕和監督:
七瀬さんには台本を渡していないので、現場で時々やる、口伝えでセリフを渡して、その場で作っていくやり方をしたんですけども、それをすると「わかった。あとは自分でやるから、出来上がるまで監督は出てくれ」っていわれて、僕はセットを出されたんです。それで完璧になってから呼ばれる。

七瀬ふうり:
これには訳があって、監督に完璧な状態で見せたいっていう気持ちがあったからです。

是枝裕和監督:
セットから出てくれっていわれたのは初めてです(笑)。

七瀬ふうり:
バレたくないから(笑)。楽しみにして欲しかったから「出て行ってって」。

一同:
藤野だね〜(笑)。

映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:出口夏希、七瀬ふうり

MC:
岡田さんは、現場でどんな感じでしたか?

岡田六花:
やっぱり同じで和む現場で。監督が一言でいえば人格者なので。

会場:
ハハハハ(笑)。

岡田六花:
スタッフさんも私にお菓子を分け与えてくれたり、人見知りな私にもしゃべりかけてくれたりで本当に優しい現場でした。

Q:漫画を描くシーンで特にどういったところにこだわりましたか?

映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:是枝裕和監督

是枝裕和監督:
原作の藤本(タツキ)さんにお会いして、お話をさせていただいた時にその場で、ベテランのアシスタントの方が描くペンの音、迷いのない勢いのある「シャッ!」っていう音がすごくカッコいいんですよねっていう話が出て。音か〜、音だなって。それは原作の漫画ではないものだったから、音をちゃんと録る、その音の変化をちゃんと録ろうというふうに最初から考えていたので、録音部の冨田(和彦)さんとも話をして。1つの音が2人になって、音が変わっていって、1人になって、デジタルの音になってっていう音の変化が成長を描くというようなことをきちんとやりましょうと。そこが狙いでした。

Q:クランクインの前から漫画練習を重ねてきたそうですが、練習で大変だったこと、印象深かったことは何ですか?

映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:出口夏希、蒔田彩珠、七瀬ふうり、岡田六花

出口夏希:
まずは手が痛い(笑)。もう撮影の合間も終わった後も練習できる場所を作っていただいて、練習してたんですけど、監督から最初に、音とカッコいい線を描くようにといわれていたんです。カッコいい線を描けるまでにすごく時間がかかって、最初ほっそい線しか描けなかったし、2つに割れるし、ほんと描いて自分達で覚えていくしかなかったので。ひたすら描いて、豆ができるまで練習しました。

映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:出口夏希

蒔田彩珠:
課題が大変でした。撮影に入る4ヵ月前くらいから練習していて、他の作品を撮っていたりもしていたので、撮影の合間に漫画練習をしに行ってました。日数でいうとそんなに撮れないので、課題をたくさんもらって次までにっていうのが、学生時代を思い出して大変でしたね。

映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:蒔田彩珠

出口夏希:
1枚描くのに1時間かかるのを1日8枚くらいやって、もう徹夜しないと課題が間に合わないくらいだったので、徹夜してそのまま撮影に行ってっていうのをやってました。

七瀬ふうり:
『ルックバック』の撮影を始める前から絵はちょくちょく描いてたんですけど、全身を描くとかポーズとかが難しくて。1コマだけでもすごく時間がかかるし、本当に勉強になりました。この作品のおかげで絵を描くのにハマり出しました。

岡田六花:
撮影前から絵を描くのは好きだったんですけど、基本的にはキャラクターばっかり描いていたので、背景を描いたことが1回もなかったので、まずそれからが大変でしたね。あとは、毎日描いて描いて、京本ほどではなかったんですけど、家にスケッチブックが溜まったり、本当に大変でした。

Q:原作では書かれていない京本の下の名前は、(藤本タツキと)どのような話をしたか?

実写映画『ルックバック』出口夏希/蒔田彩珠

是枝裕和監督:
実写化する上で原作で省かれている部分をどういう風にプラスしていくかっていうのをいくつか提案していきました。名前に関しては僕の記憶だと「奏(かなで)」という名前は藤本さんから出たと思っていて、京本の描く漫画が音を連れてくるというような形で藤野の描く漫画との違いみたいなものを強調していく、描く音も大事になっていくことを踏まえた上で「奏でる」っていう文字を考えてくれたのかなって思っていまして、それをいただいてっていう。藤本さんに聞くと、「どっちから出たんだっけな」ってみたいなことだったんですけど、2人の話合いの中で出た名前だと思います。

実写映画『ルックバック』七瀬ふうり/岡田六花

そしてここで、原作者の藤本タツキから本編を観た感想が発表されました。

漫画の実写映画化などで漫画のセリフや演技がそのまま実写になると、リアリティのないものになる事があると思います。
ルックバックの実写映画化ではそこを是枝監督映画特有の俳優が持つ所作やカメラの動きで、原作のテイストを崩さずに原作が持っていた雰囲気をリアリティを持って出す事でできていたのでとても嬉しかったです。
映画内での漫画のアナログ道具の使いっぷりや、ペンを入れる特有の気持ちのいい音、家の経年劣化具合や小道具が魅せる生活感は、そこに藤野と京本が本当に生きている証拠のように見えて映る度に感動していました。
原作は僕の漫画ですが、以上の点からしっかり是枝監督作品になっていたので初めて見る作品の様にとてもとても楽しめました!
ただ、地元にかほ市が出てくる場面ではどうしても当時を思い出してしまい、映画に集中できませんでした!

さらに、「シャークキック・ギター(友情演奏)」として米津玄師、劇中曲ボーカルに三浦透子が参加していることが発表されました。また、演出の一部として、実写映像をもとにアニメーションを制作する“ロトスコープ”技法が採用され、ロトスコープアニメーション監督を久野遥子、制作を『化け猫あんずちゃん』のシンエイ動画が担当していることも発表されました。加えて、背景美術にはスタジオジブリに所属する西川洋一、劇中の絵画には『となりのトトロ』の男鹿和雄や『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の串田達也など、日本アニメーション界を支えるクリエイターたちが参加しているとのことです。

映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:是枝裕和監督

イベントの最後に是枝監督は以下のようにコメントしました。

是枝裕和監督:
僕がしたことは本当にキャスティングまでなんじゃないかな。

一同:
そんなことないですよ。

是枝裕和監督:
あと、見つめていただけだと思いますけど。でも、出来上がった作品をスタッフ皆で観ていて、たとえば、ふうりちゃんが演じた藤野が文房具屋さんで買ってきたスケッチブックに初めてペンをもって1本の線を恐る恐る描き始めるようなところでなんか涙が出ちゃうんですよ。悲しいわけではないんですけど、なんかそういう自分のいろいろな人のああいう瞬間ってあっただろうなって思って。人が一生懸命になっている眼差しとか背中って、こんなに感動的なんだなって改めて気づかされた撮影でしたし、そんな映画になったんじゃないかなと思います。応援してください。ありがとうございました。

映画『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:出口夏希、蒔田彩珠、七瀬ふうり、岡田六花、是枝裕和監督

本作は第83回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門への正式出品が決まっており、このメンバーで出席するそうです。キャストの4人はご飯が楽しみと話していて、是枝監督はおいしいお店をリサーチ中とのことでした。まだまだ話題が尽きない本作、劇場公開を楽しみに待ちましょう!

『ルックバック』(実写版)完成報告イベント:
2026年8月20日取材 PHOTO&TEXT by Myson

実写映画『ルックバック』出口夏希/蒔田彩珠

『ルックバック』
2026年9月11日より全国公開
監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:出口夏希/蒔田彩珠/七瀬ふうり/岡田六花/野呂佳代/池田良/佐々木みゆ/山田真歩/宮藤官九郎/菅田将暉
配給:K2 Pictures
公式サイト
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定(後日UP)

©藤本タツキ/集英社 ©2026 K2 Pictures・集英社

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情報は2026年8月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

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  1. 実写映画『ルックバック』出口夏希/蒔田彩珠
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  3. 映画『TAVERNA DE GAGA―人生はまだまだ面白い―』パンツェッタ・ジローラモ
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