REVIEW

マーメイド・イン・パリ

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『マーメイド・イン・パリ』ニコラ・デュヴォシェル/マリリン・リマ

劇中でキーアイテムとなっている飛び出す絵本のごとく、作品そのものもアーティスティックで独特なな世界観を醸し出しています。本作にもアンデルセン童話の「人魚姫」を踏襲している要素が少し感じられますが、人間の男と人魚の関係や“歌”の扱い方に特徴があります。本作が初の長編実写映画監督作となるマチアス・マルジウ監督は、フレンチロックグループ“ディオニソス”のメンバーとのことですが、歌にフォーカスした物語にそんな監督のルーツとこだわりが見えます。キャラクターもとても魅力的で、展開上対立的に見えるところはあるにせよ、根っからの悪人が出てこないところでも、優しさに包まれた作品となっています。また、ガスパールを演じたニコラ・デュヴォシェルはルックスも雰囲気も魅力的で、ローラースケートで走り回る姿さえオシャレ。人魚のルラを演じたマリリン・リマもとてもキュートで、透明感が人魚にピッタリです。そして、個性派俳優ロッシ・デ・パルマが演じる役も見事に本作のアクセントになっています。
物語はオーソドックスですが、描写が独創的な点でぜひ映画好き女子の皆さんにも観て欲しい1作です。

デート向き映画判定
映画『マーメイド・イン・パリ』ニコラ・デュヴォシェル/マリリン・リマ

デートにピッタリのムードにしてくれるロマンチックでキュートな作品です。気まずいシーンもなく、ベースは誰もが知る人魚姫の物語なので、初デートでも安心して誘えます。程よく切なさもあり、でもラストは清々しく、デートの後のメニューに響いてしまう心配もありません。恋に夢中になるのを恐れている人にも良い刺激になるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『マーメイド・イン・パリ』ニコラ・デュヴォシェル/マリリン・リマ

人魚が登場する物語と聞くとキッズも楽しめそうですが、物語のトーンとしてはティーン以上向けかなと思います。シンプルにラブストーリーとして楽しむのはもちろん、美術やファッションに興味がある人にも楽しめる要素が多く詰まっています。内容的にもわかりやすいので、友達も誘いやすいでしょう。いろいろな視点で気楽に楽しんでください。

映画『マーメイド・イン・パリ』ニコラ・デュヴォシェル/マリリン・リマ

『マーメイド・イン・パリ』
2021年2月11日より全国公開
ハピネット
公式サイト

©2020 – Overdrive Productions – Entre Chien et Loup – Sisters and BrotherMitevski Production – EuropaCorp – Proximus

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ひゃくえむ。』 ひゃくえむ。【レビュー】

魚豊著の『チ。 ―地球の運動について―』がすごく好きなので、絶対に本作も…

映画『お嬢と番犬くん』櫻井海音 櫻井海音【ギャラリー/出演作一覧】

2001年4月13日生まれ。東京都出身。

映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝【レビュー】

実に楽しい!良い意味で「なんじゃこりゃ?」というハチャメチャなノリなのに…

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「どうしたらいい出会いがありますか?」他

今回は、正式部員の皆さんからいただいたお悩み相談の中から、下記のお2人のお悩みをピックアップして、マイソンなりにお答えしています。最後にチラッと映画の紹介もしています。

映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ ザ・ザ・コルダのフェニキア計画【レビュー】

REVIEWこれぞウェス・アンダーソン監督作という、何から何までかわいい世界観でありながら…

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流 こんな事があった【レビュー】

2021年夏の福島を舞台に、主人公の17歳の青年のほか、震災後も苦悩しながら生きる人々の姿を…

映画『パルテノペ ナポリの宝石』セレステ・ダッラ・ポルタ セレステ・ダッラ・ポルタ【ギャラリー/出演作一覧】

1997年12月24日生まれ。イタリア出身。

映画『ブロークン 復讐者の夜』ハ・ジョンウ ブロークン 復讐者の夜【レビュー】

『工作 黒金星と呼ばれた男』『アシュラ』などを手掛けたサナイピクチャーズが贈る本作は…

映画『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』西島秀俊/グイ・ルンメイ Dear Stranger/ディア・ストレンジャー【レビュー】

真利子哲也監督(脚本も担当)による西島秀俊主演作という情報のみで、毎度ながら前情報をほぼ入れずに観て、いろいろ良い驚きが…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 ファストムービー時代の真逆を行こうと覚悟を決めた!大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート前編

『るろうに剣心』シリーズ、『レジェンド&バタフライ』などを手掛けた大友啓史監督が<沖縄がアメリカだった時代>を描いた映画『宝島』。今回、当部の部活史上初めて監督ご本人にご参加いただき、映画好きの皆さんと一緒に本作について語っていただきました。

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃
  2. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  3. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ

REVIEW

  1. 映画『ひゃくえむ。』
  2. 映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド
  3. 映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ
  4. 映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流
  5. 映画『ブロークン 復讐者の夜』ハ・ジョンウ

PRESENT

  1. 映画『ホーリー・カウ』クレマン・ファヴォー
  2. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  3. 映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人
PAGE TOP