REVIEW
台湾屈指の進学校でマーチングバンド部に所属する男子高校生を主人公とした本作は、実話に基づいています。物語の舞台は1990年代の台北。父親から医学部への進学を強く期待されているジャン・ハオ(ムー・セン/牧森)は、父からの反対を懸念して密かにマーチングバンド部に入部します。でも、せっかく入ったマーチングバンド部は、度重なるトラブルによって、廃部の危機に立たされます。

本作には、思春期特有の葛藤が描かれている点で、主人公達と同じ年頃のティーンエイジャーが共感できるのはもちろん、大人はとても懐かしく感じるでしょう。また、お子さんがいる方は親目線でも考えさせられる部分があると思います。

大人と子どもの狭間にいる高校生は、自我が目覚める年頃です。将来のために勉強しろという大人の意見はある意味では正論でありつつ、今しかできない高校生らしい体験も貴重です。そうした貴重な体験をしたくてもできない状況で、親を大事に思うならなおさら葛藤が大きいでしょう。だから、ジャン・ハオが父を悲しませないようにする姿が何ともやるせなく映ります。

ジャン・ハオが“健全な反抗”をする姿は、特に胸に響きました。実は大学受験を控えた高校3年生の頃、私が今でも仲良くしている友人Aがジャン・ハオと同じような状況になりました。Aが親の反対を押し切り自分の意見を通そうとした場に私を含めた友人達が立ち会った日の出来事は、私達全員が今でもはっきり覚えています。本作でも、ジャン・ハオが自分の意志で決断し、自分で責任を負う覚悟をみせた瞬間はとても印象に残ります。

人間ドラマとしての見応えはもちろん、マーチングバンド部のパフォーマンスも見ものです。どこまでが実話に基づいているのかは不明ながら、クライマックスの見せ場はエンタテインメント性が抜群で、思わず大会の会場に自分がいるような感覚で拍手を贈りたくなります(笑)。
ジャン・ハオを演じたムー・セン(牧森)、タイチェンを演じたユー・ジェエン(余杰恩)、リウ・ジーチュワンを演じたリウ・ユーレン(劉育仁)もそれぞれ個性を光らせていて、今後の活躍にも期待大です。本作は、老若男女問わず“今”の大切さを教えてくれる1作です。
デート向き映画判定

特別デート向きというわけではないものの、普遍性があるストーリーなので、誰が観ても共感できる部分があると思います。デートで観て気まずくなるような要素はなく、自分の話や家族の話をするきっかけにもなるので、デートで観るのもアリでしょう。家庭を持つ予定のカップルや夫婦で観る場合は、お互いの感想から、子どもの教育方針に関わる価値観を改めて知るきっかけにもなりそうです。
キッズ&ティーン向き映画判定

主人公達と同年代の皆さんは特に身近に感じられるストーリーです。自分のことは自分で決めたいけれど、まだ親や教師のいうことも聞かなければいけない立場で、意見が食い違うと困りますよね。大事にしてもらっているからこそ、親の期待を裏切れないという方もいるでしょう。でも、時には自分の意見をぶつけることも必要なのかもしれません。本作は一旦自分の状況や本心を客観視する上でも、役に立つのではないでしょうか。

『進行曲 マーチングボーイズ』
2026年10月23日より全国順次公開
PG-12
メイジャー
公式サイト
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TEXT by Myson
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情報は2026年10月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。




























