映画業界人インタビューVol.2 DVD&動画配信でーた 編集部 西川亮さん【後編】
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【映画業界の方にインタビュー】第2弾後編をお届けします。今回のインタビュー担当は、エージェントの染井と、おこめとパンです。
今の自分に繋がる2本の映画
染井:今まで経験された中で、一番楽しかったお仕事は何ですか?
西川さん:俗な言い方をすると、人より先に映画を観られるっていうのは、まずこの仕事の特権です。その上で、「誰にインタビューできるか?」「どういう画素材があるか?」とか、そういうやり取りを一個一個クリアしていって、1冊の本が出来上がります。そのすべての工程が楽しいし、辛くもあるんですけど、日々楽しいので、自分にはすごく合った仕事だと思います。あとはずっと憧れていた人に会えた瞬間、その人にインタビューできた瞬間っていうのは、感慨深いものがあります。実際にそれが記事になって、いろんな方の目に触れて、読者の方に「すごく良かったです」と言って頂けると、それもまた嬉しいし。だから一個一個積み重ねていることすべてが楽しいですね。
染井:逆に大変なことはどんなことですか?
西川さん:月刊誌なので、スケジュール的に毎月校了時期がキツかったりはします。あと、雑誌とか紙媒体って、このスペースに何文字って文字数が決まっているんですね。これをオーバーしても少なくてもダメなので、確認先から修正で戻ってきた文字数が大幅に違っていると、調整に苦労することもあります。
染井:好きな映画ベストは何ですか?
西川さん:たぶんベスト映画は100本くらいあるので、その時その時によっても変わるんですが、自分が今ここにいるきっかけになった映画、特別な映画っていう意味でいうと、『プレデター』です。小学生の時の親友が映画少年で、その頃僕は全然映画を観てなかったんですけど、彼に薦められて『プレデター』を観たのがきっかけで、映画が好きになりました。どんどん映画の幅を広げていってくれた最初の一本で、自分のなかでは、ジブリとかより『プレデター』が先だったんです。一番の原体験が『プレデター』だから、今こうなっちゃったのかなあ(笑)。
あと、ブライアン・デ・パルマ監督を好きになったきっかけは『スネーク・アイズ』っていう映画なんです。『スネーク・アイズ』は大学生の頃に観たんですけど、最初の13分がワンショットの長回しで、「こんなおもしろいことをする映画監督がいるんだ」と思いました。過去にも長回しをやった監督はいくらでもいるんですけど、とにかくカメラが動き回るんです。ボクシングの試合が始まる前の楽屋裏で、ニコラス・ケイジがウロウロしてるのをカメラがついて行く。いろんなことが起きて、すっごくおもしろいんです。それで「自分も映画撮ってみたいかも」って思って、アメリカに行って、映画を勉強して、回り回って今ここにいます。だから、それも自分の生き方に多少影響を与えた映画です。全体的な完成度としては正直それほど高くない映画なんですけどね(笑)。ブライアン・デ・パルマ監督が大好きなので、作品はほぼ全部観てて『スネーク・アイズ』より良い映画もいっぱいあるんですけど、これが一番心に残ってます。だからこの2本は、ベスト1というより、自分の中で常に別格ですね。
今回の記事担当:染井
■取材しての感想
小学3年で映画少年の親友に出会った西川さんはきっと幸福だっただろうし、親友の方も西川さんが目をキラキラさせて食いついてくるのがたまらなく嬉しかったんだと思います。一人の人間が映画にのめり込んでいく最初の出発点は、やっぱり人にあるのかなぁと思わされたインタビューでした。
取材日:2018年5月16日
★西川さんがご担当の雑誌
DVD&動画配信でーた
毎月20日発売
公式サイト
発行:株式会社ムービーウォーカー
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