出会った頃はラブラブだったのに、4年後には喧嘩ばかりのジブランとレラーニは、車で移動中に別れ話になり口論に。その時突然自転車に乗った男性が車に激突。後にこの男性が2人が乗った車を使ってひき殺され、彼等は犯人に間違えられてしまい、独自に自分達の無実を晴らそうと奔走します。これだけ聞くとクライム・サスペンスかと思うかも知れませんが、多少緊張感がありながら、おっちょこちょいな2人が不思議と事件の真相に近づいていき、また心を通わせていくというわかりやすいラブコメです（笑）。爆笑とまではいきませんが、クスッと笑えるシーンが散りばめられていて、すごく気楽に観られます。主人公のカップルが白人ではないというところで、マイノリティいじりのブラックジョークも印象的です。意味不明だけど、カップルの中だけで成立する会話にもリアリティがあって、わけわからん感が楽しい作品です。
別れることを決めたカップルが、ある試練を一緒に乗り越えることで再びお互いの魅力や本心に気づかされていくというストーリーなので、マンネリカップルや喧嘩中のカップルは、本作を観て自分達を客観視できれば、気持ちも若干再燃させられるかも知れません（笑）。喧嘩するほど仲が良いと言いますが、端から見たらお似合いなのに自覚がないカップルは、本作を観ると、自分達の相性の良さに改めて気づかされるのではないでしょうか。
「最初はどんなにラブラブでも、何年も付き合うとそうもいかなくなるものだ」という恋愛の現実が描かれています。若い皆さんはまだこういった感覚に縁遠いと思うので、大人になってから観たほうがより共感できそうですが、とてもシンプルでわかりやすいストーリーで、恋愛要素だけにフォーカスして観なくても楽しめます。ただ、一部セクシャルなシーンが出てくるので、せめて高校生くらいになってから観るのが良さそうです。
『ラブバード』
2020年5月22日よりNetflixにて配信
公式サイト
TEXT by Myson
