REVIEW

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』シアーシャ・ローナン/ティモシー・シャラメ

これは期待通り、個人的に大好物なやつでした!グレタ・ガーウィグ監督×シアーシャ・ローナンというコンビを聞いただけでも、映画好き女子なら観ずにいられないと思いますが、そこにひっかからなくても、女子の皆さんの多くはストーリーにとても共感されると思います。原作は、世界中で愛されるベストセラー、ルイーザ・メイ・オルコットの「若草物語」。原作を読んだことがある人なら、本作を観ていくうちに「そうそう、こういうストーリーだった」と思い出すと同時に、原作の舞台が19世紀であるにも関わらず、国や時代の違いを問わず、現代の女性達の生き方に多くの繋がりを見出すでしょう。この物語に登場する四姉妹は、それぞれに生き方、価値観が違いますが、時代が変わっても女性達は同じことで悩みながら前に進んでいるのだなと、誰かしらに必ず共感できるはず。4人の中で1番現代的なのは、誰から何を言われようと、迎合することなく、自分の叶えたい夢に向かって進み、独自の価値観で生きることを貫く次女のジョー。まだまだ女性の生き方に選択肢がない時代で、奮闘する彼女の姿からは大きな勇気をもらえます。そして、エマ・ワトソンが演じる長女のメグは家柄よりも愛を選び、フローレンス・ピューが演じる四女のエイミーは一見器用な生き方をしているようでいて葛藤を抱えています。三女のベスは姉や妹達を優しく見守り、1番控えめですが、大きな試練と静かに向き合っているからこそ、人一倍大人なのだなとわかります。彼女達にはそれぞれに強さがあって、どの生き方も輝いて見えますが、女性が自分とは違う女性を理解する上でもとても優れたストーリーだなと改めて感じました。本作を観た上で原作と比べてみると、グレタ・ガーウィグ監督の味付け具合もわかりそうなので、本と原作の両方を楽しむのもアリですね。俳優陣も本当に豪華で、シアーシャ・ローナン、エマ・ワトソン、フローレンス・ピューほか、姉妹の母親をローラ・ダーン、叔母をメリル・ストリープが演じていて、共演も見ものです。そして、ティモシー・シャラメが演じる、姉妹と幼馴染みのローリーが何ともセクシーで、惚れずにはいられませんよ(笑)。四姉妹の生き方を通して、映画の中でいろいろな人生を体感できる本作。女子必見の秀作です!

デート向き映画判定
映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』シアーシャ・ローナン/ティモシー・シャラメ

四姉妹のさまざまな恋愛模様が描かれているので、何かしら共感できる点はあると思いますが、どちらかというと恋愛の難しさのほうが印象的です。ロマンチックなシーンはもちろんありますが、過去の恋愛経験などが頭を巡り、デートで観ていても、自分の世界に入り込んでしまう可能性は否めません。今までで1番好きな人とのデートで観るならばオーケーですが、心に少しでもまだ引きずっている恋の火種がある人は、1人でじっくり観るか、仲の良い友達と観ることをオススメします。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』シアーシャ・ローナン/フローレンス・ピュー/エリザ・スカンレン/エマ・ワトソン

キッズやティーンの皆さんも「若草物語」という小説は名前だけでも聞いたことがあるのではないでしょうか。時代を経ても色褪せないこのストーリーを、“今を生きる”女性監督が描いている点で、メッセージ性をより強く感じさせられる映画になっていて、原作を知っていても知らなくても本作を観れば、この物語を好きになるはず。四姉妹の物語なので女子の皆さんのほうが共感ポイントは多いと思いますが、ちょうど「女の子ってわからない」と思い始めている思春期の男子の皆さんにも、女子という生態を理解する手助けになるでしょう(笑)。どんな生き方でも、自分らしく生きる尊さを教えてくれるストーリーなので、勇気をもらえますよ。

映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』シアーシャ・ローナン/ティモシー・シャラメ/エリザ・スカンレン/エマ・ワトソン

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
2020年6月12日より全国順次公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

【20周年記念ボイスシネマ声優口演ライブ2025】羽佐間道夫、山寺宏一ほか 人気声優達が真剣勝負!会場が終始笑いに包まれた【20周年記念ボイスシネマ声優口演ライブ2025】本番リポート

発起人である羽佐間道夫のもと、山寺宏一、林原めぐみほか錚々たる人気声優達がズラリと顔を揃えたライブは今年で20周年を迎えました…

映画『あの時、愛を伝えられなかった僕の、3つの“もしも”の世界。』ホン・サビン/シン・ジュヒョブ あの時、愛を伝えられなかった僕の、3つの“もしも”の世界。【レビュー】

物語の始まりは、1995年の韓国、テグ。学校でいじめられていたドンジュン…

映画『8番出口』河内大和 河内大和【ギャラリー/出演作一覧】

1978年12月3日生まれ。山口県出身。

映画『キル・ビル Vol.2』ユマ・サーマン 俳優ファミリー特集Vol.2

親子、兄弟姉妹、親戚揃って活躍する俳優達をご紹介するシリーズ第2弾をお届けします。

映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ 『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ 3名様プレゼント

映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ 3名様プレゼント

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』吉永小百合 てっぺんの向こうにあなたがいる【レビュー】

女性初、エベレスト登頂に成功した、登山家の田部井淳子氏による著書「人生、山あり“時々”谷あり」を原案として映画化された本作は、実話を基にしたフィクション…

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「映画アカウントで自分らしい距離感やペースをどう整えていけばいい?」

正式部員さんからいただいたSNSについてのお悩み相談におこたえしました。後半は…

映画『トロン:アレス』グレタ・リー グレタ・リー【ギャラリー/出演作一覧】

1983年3月7日生まれ。アメリカ生まれ。

映画『盤上の向日葵』坂口健太郎/渡辺謙 盤上の向日葵【レビュー】

“孤狼の血”シリーズの原作者としても知られるベストセラー作家、柚月裕子の同名小説を映画化した本作は…

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

AXA生命保険お金のセミナー20251106ver3 11月6日開催:トーキョー女子映画部マイソンと学ぶ【明るい未来のための将来設計とお金の基本講座】(スイーツとお飲み物付)女性限定ご招待!

本セミナーでは、「NISA・iDeCoなどの資産形成」「子どもの教育資金」「将来受け取る年金」「住宅購入・住宅ローン」「保険」など、将来に役立つお金の知識や情報、仕組みやルールについて、ファイナンシャルプランナーの先生が初めての方でもわかりやすく優しく教えてくれます。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  2. 映画『おーい、応為』長澤まさみ
  3. AXA生命保険お金のセミナー20251106ver3

REVIEW

  1. 映画『あの時、愛を伝えられなかった僕の、3つの“もしも”の世界。』ホン・サビン/シン・ジュヒョブ
  2. 映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』吉永小百合
  3. 映画『盤上の向日葵』坂口健太郎/渡辺謙
  4. 映画『女性の休日』
  5. 映画『爆弾』山田裕貴/佐藤二朗

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP