REVIEW

長ぐつをはいたネコと9つの命【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『長ぐつをはいたネコと9つの命』

猫には9つの命があるという喩えがあり、それは「なかなか死なない」「しぶとい」ということを表しているとされています。主人公、長ぐつをはいたネコことプスはその9つの命のうち8つを使い果たし、命が1つとなってしまいました。本作では、プスが最後の命をどう生きるのかを描いています。
自由気まま、やりたい放題だったプスは命があと1つしかないということで、経験したことのない恐怖を味わいます。だから、描いているテーマは壮大で重みがあるのですが、そこは本シリーズのトーンを崩さず、楽しく可愛く描いています。特にプスが8つの命をどう使ってきたかというくだりには皮肉も効いていてクスッと笑えます。映画公式資料によると、プスの死に方は65通りも考えられたそうですよ(笑)。その中から厳選された8通りの死に方が採用されているので、楽しみにしてください。一方、プスが恐怖心から自分らしさを封印してしまう様子はかなりシュールで、人間である私達の生き方にも紐付けて感情移入してしまいます。
また、本作から登場するキャラクターも見どころ。特に見た目も性格もクセの強い“ワンコ”がすごく良い味を出しています。ワンコが笑いも感動も持っていくのでとてもおいしいキャラクターとなっています。そして、本作にはすごくたくさんの猫が登場するシーンがあるのですが、その数、なんと計37種、合計150匹だそうです(映画公式資料より)。そんな風に細かい部分にもこだわって作られた作品ですので、よくよく観察しながらご覧ください。キッズの皆さんはもちろん大人も笑って癒されてくださいね。

デート向き映画判定
映画『長ぐつをはいたネコと9つの命』

ファミリー向けの作品ではありますが、大人も楽しめて、気楽に観られるので2人とも興味があればデートで観るのもアリでしょう。クスッと笑えるシーンも多いので、一緒に笑って観られるとリラックスできますね。初デートなら、逆にこういうアニメーションのほうが気兼ねせずに観られそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『長ぐつをはいたネコと9つの命』

万国共通で通じるユーモアがたっぷりで、カワイイシーンもたくさんあるので、キッズやティーンの皆さんは特に好きなノリだと思います。そして本作ではプスはもちろんですが、ワンコにも注目してください。ワンコはとてもクセのあるキャラクターですが、観終わるとすごく好きになっていると思います。

映画『長ぐつをはいたネコと9つの命』

『長ぐつをはいたネコと9つの命』
2023年3月17日より全国公開
東宝東和、ギャガ
公式サイト

© 2022 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.


関連作:“長ぐつをはいたネコ”シリーズ

『長ぐつをはいたネコ』シリーズ1作目

ブルーレイ&DVDレンタル・発売中/デジタル配信中
Amazon Prime Videoで観る REVIEW/デート向き映画判定

TEXT by Myson

関連記事

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ 心理学から観る映画59:研究倫理に反する実験とその被害『エクスペリメント』『まったく同じ3人の他人』

『まったく同じ3人の他人』というドキュメンタリーを観ました。生き別れた三つ子が再会する感動のストーリーかと思いきや、驚愕の背景を知り、研究倫理について改めて考えさせられました。そこで今回は研究倫理をテーマとします。

映画『コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~』ヴァネッサ・パラディ ヴァネッサ・パラディ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年12月22日生まれ。フランス出身。

映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮 ブルーボーイ事件【レビュー】

高度成長期にあった1965年の東京では、街の浄化のため、警察はセックスワーカー達を厳しく取り締まっていました。ただ、セックスワーカーの中には性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けて女性的な体をした通称ブルーボーイが…

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 君の顔では泣けない【レビュー】

高校1年生の夏、坂平陸(武市尚士)と水村まなみ(西川愛莉)はプールに一緒に落ちたことで体が入れ替わってしまいます。2人はすぐに元に戻ることができず15年を過ごし…

映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト スプリングスティーン 孤独のハイウェイ

物語の舞台は1982年。ブルース・スプリングスティーン(ジェレミー・アレン・ホワイト)は、名声を手に入れながらも、葛藤を抱えて…

映画『2つ目の窓』松田美由紀 松田美由紀【ギャラリー/出演作一覧】

1961年10月6日生まれ。東京都出身。

「第38回東京国際映画祭」クロージングセレモニー:受賞者 東京グランプリは『パレスチナ36』!第38回東京国際映画祭ハイライト

2025年10月27日(月)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開幕したアジア最大級の映画の祭典である第38回東京国際映画祭が、11月5日(水)に閉幕。今年も個性豊かな作品が多数出品され、さまざまなイベントが実施されました。以下に、第38回東京国際映画祭ハイライトをお届けします。

映画『平場の月』堺雅人/井川遥 平場の月【レビュー】

朝倉かすみ著の同名小説を実写化した本作は、『ハナミズキ』『花束みたいな恋をした』(2021年)などを手がけた土井裕泰が監督を務めて…

映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル ぼくらの居場所【レビュー】

カナダのトロント東部に位置するスカボローを舞台に、さまざまな背景を抱えた3組の親子の姿を…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮
  2. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  3. 映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト
  4. 映画『平場の月』堺雅人/井川遥
  5. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP