REVIEW
太平洋戦争終戦から80年経った、2025年に公開される本作は、当時実在した駆逐艦“雪風”にまつわる物語です。ただし、「この物語は史実に基づいたフィクションであり、人名、事象、時制などに架空の設定が含まれています」(映画公式資料)。本作では、さまざまな資料を基に作られたオリジナルキャラクターを、竹野内豊、玉木宏、奥平大兼、當真あみ、田中麗奈、中井貴一等、豪華キャストが演じています。

雪風は、「真珠湾奇襲攻撃による日米開戦以降、ミッドウェイ、ガダルカナル、ソロモン、マリアナと、すべての苛烈な戦いを生き抜き、どの戦場でも海に投げだされた多くの仲間たちを救い、必ず共に日本に還って来た」駆逐艦で、“幸運艦”と呼ばれていました。

本作では、一人でも多くの兵士を救う船員達の姿が印象的に映し出されています。その様子を観ていると、日本軍が兵士達に命と引き換えに攻撃する特攻を命じていた状況で、雪風の船員達が仲間を1人でも多く連れて帰り、命を繋いでくれたおかげで、私達が今存在していると実感します。

そして、竹野内豊が演じる雪風の艦長、寺澤一利が武士道を貫く姿も印象的です。たとえ、立場は敵味方であっても、状況によっては一人の人間として命を尊重するシーンは胸にグッときます。また、玉木宏が演じる、先任伍長の早瀬幸平や、奥平大兼が演じる水雷員の井上壮太も英雄でありながら身近にいそうな人物として描かれており、共感を覚えます。

本作は現代との繋がりを描いている点も印象的です。本作は、日本が戦後守ってきた平和を維持するために大切なことに、改めて気づかさせてくれる1作です。
デート向き映画判定

ラブストーリーの要素はあまりないものの、寺澤一利と妻の志津(田中麗奈)の姿を観ていると、相当な恐怖を抱えながら静かに見守る妻の心情と、家族を残して海の戦場に出て行く夫の心情を想像させられ、パートナーの存在の尊さを実感する機会になるでしょう。また、戦争に関心があるかないかという点は、人生観が合うかどうかを見る上でも参考になるのではないでしょうか。
キッズ&ティーン向き映画判定

終戦から80年経ったとはいえ、現代の私達にも戦争は無関係ではありません。昨今、ニュースでは軍事費や、近隣諸国の緊迫した情勢なども話題に挙がり、日本の立場も都度問われています。日本の平和を守るためには、戦争を経験した世代の方々が語り継いでくれた平和の尊さを私達も語り継いでいく必要があると感じます。ぜひ、若い世代の皆さんにも観て欲しい1作です。

『雪風 YUKIKAZE』
2025年8月15日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、バンダイナムコフィルムワークス
公式サイト
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TEXT by Myson
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- イイ俳優セレクション/奥平大兼
- イイ俳優セレクション/竹野内豊
- イイ俳優セレクション/田中麗奈(後日UP)
- イイ俳優セレクション/玉木宏
- イイ俳優セレクション/當真あみ(後日UP)
- イイ俳優セレクション/中井貴一
- イイ俳優セレクション/三浦誠己