REVIEW

市子【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『市子』杉咲花

REVIEW

冒頭から何が起きたのかわからないゾワゾワした空気で一気に物語に引き込まれます。そして、市子に何が起こったのかだけでは収まらず、謎が謎を呼び、複数の時間軸を行き来しながら、徐々に真相が明かされていきます。
市子はとてもおとなしく、影のある女性に見えて、芯の強さと大胆さも感じられます。本当は明るい子なのかもしれないけれど、何かが感情を抑えているようにも見えます。そんな複雑な内面を杉咲花が見事に演じています。また、大人びているようであどけなさもある市子の掴みどころのない色気も印象的で、杉咲花が役にピッタリとハマっています。
市子の厳しい立場は、私達の“当たり前“がいかに価値のあることかを教えてくれます。彼女の涙とふとした笑顔を観ると、世の中にはこういう現実があり、人知れず苦しんでいる方がどれだけいるのだろうと考えさせられます。見事なストーリーと演出、演技力が結集した本作はとても見応えがありますよ。

デート向き映画判定
映画『市子』杉咲花/若葉竜也

重い内容ではあるので、ウキウキした気分で過ごしたい日のデートには向きません。ただし、市子の恋人が、何かに苦しんでいる市子を救おうと奔走する場面など、大事な人がいる方にとっては共感ポイントもあります。もし自分が同じような立場になったらどうするか考えてみると、相手への気持ちが本気かどうか確かめられるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『市子』杉咲花/森永悠希

社会の構造など背景を想像できるようになってから観たほうが、より理解が深まると思うので、中学生くらいになってから観ると良さそうです。市子に何が起こったかを辿る上で、子ども時代から現在までを描いているので、ティーンの皆さんにとっては身近に感じられる部分もあるでしょう。今当たり前に思っていることが尊いことだと気付くきっかけになると良いなと思います。

映画『市子』杉咲花

『市子』
2023年12月8日より全国公開
ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

©2023 映画「市子」製作委員会

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2023年11月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『旅と日々』シム · ウンギョン/堤真一 旅と日々【レビュー】

つげ義春の「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」を原作に、『ケイコ 目を澄ませて』『夜明けのすべて』などを手がけた三宅唱監督が映画化…

映画『風のマジム』肥後克広 肥後克広【ギャラリー/出演作一覧】

1963年3月15日生まれ。沖縄県出身。

【20周年記念ボイスシネマ声優口演ライブ2025】羽佐間道夫、山寺宏一ほか 人気声優達が真剣勝負!会場が終始笑いに包まれた【20周年記念ボイスシネマ声優口演ライブ2025】本番リポート

発起人である羽佐間道夫のもと、山寺宏一、林原めぐみほか錚々たる人気声優達がズラリと顔を揃えたライブは今年で20周年を迎えました…

映画『あの時、愛を伝えられなかった僕の、3つの“もしも”の世界。』ホン・サビン/シン・ジュヒョブ あの時、愛を伝えられなかった僕の、3つの“もしも”の世界。【レビュー】

物語の始まりは、1995年の韓国、テグ。学校でいじめられていたドンジュン…

映画『8番出口』河内大和 河内大和【ギャラリー/出演作一覧】

1978年12月3日生まれ。山口県出身。

映画『キル・ビル Vol.2』ユマ・サーマン 俳優ファミリー特集Vol.2

親子、兄弟姉妹、親戚揃って活躍する俳優達をご紹介するシリーズ第2弾をお届けします。

映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ 『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ 3名様プレゼント

映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ 3名様プレゼント

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』吉永小百合 てっぺんの向こうにあなたがいる【レビュー】

女性初、エベレスト登頂に成功した、登山家の田部井淳子氏による著書「人生、山あり“時々”谷あり」を原案として映画化された本作は、実話を基にしたフィクション…

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「映画アカウントで自分らしい距離感やペースをどう整えていけばいい?」

正式部員さんからいただいたSNSについてのお悩み相談におこたえしました。後半は…

映画『トロン:アレス』グレタ・リー グレタ・リー【ギャラリー/出演作一覧】

1983年3月7日生まれ。アメリカ生まれ。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

AXA生命保険お金のセミナー20251106ver3 11月6日開催:トーキョー女子映画部マイソンと学ぶ【明るい未来のための将来設計とお金の基本講座】(スイーツとお飲み物付)女性限定ご招待!

本セミナーでは、「NISA・iDeCoなどの資産形成」「子どもの教育資金」「将来受け取る年金」「住宅購入・住宅ローン」「保険」など、将来に役立つお金の知識や情報、仕組みやルールについて、ファイナンシャルプランナーの先生が初めての方でもわかりやすく優しく教えてくれます。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  2. 映画『おーい、応為』長澤まさみ
  3. AXA生命保険お金のセミナー20251106ver3

REVIEW

  1. 映画『旅と日々』シム · ウンギョン/堤真一
  2. 映画『あの時、愛を伝えられなかった僕の、3つの“もしも”の世界。』ホン・サビン/シン・ジュヒョブ
  3. 映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』吉永小百合
  4. 映画『盤上の向日葵』坂口健太郎/渡辺謙
  5. 映画『女性の休日』

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP