REVIEW

愛しのクノール【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『愛しのクノール』

本作はオランダで制作された、独特な風貌が魅力的なパペットアニメーションです。監督は、ザ・プロディジー(イギリスのテクノ・エレクトロ・ロックバンド)のミュージック・クリップ制作などを手掛ける女性映像作家マッシャ・ハルバースタッドが務めています。原作は、ヨーロッパのベストセラー小説「クノールの復讐!」です。バブスという少女を主人公に、子豚の運命を左右する家族の物語が描かれています。
と、ここまでの作品プロフィールを読むと、ロックバンドのミュージック・クリップを手掛けた監督の経歴と、可愛らしいパペットアニメーションにギャップがあるように感じるかもしれません。でも、ストーリーがかなりファンキーなんです。世界観はとても可愛いので、「そんな展開!?」と新鮮味を持って観られるでしょう。また、長らく疎遠だったおじいちゃんがやってきて、孫に子豚をプレゼントして一緒に育てていくという設定だけで想像すると、子どもにお手本を示すようなストーリーかなと思うでしょう。実はそこにも捻りが利いています。もちろん、子どもにとっても動物を大事にするというシンプルなお手本が示されています。同時に、大人に対する戒めといえるストーリーともいえます。そういう点で、子どもから大人まで楽しめる作品となっています。

デート向き映画判定
映画『愛しのクノール』

ほのぼのとした世界観とストーリーで、上映時間も短めなので、デートでも観やすい作品です。ただし、食前食後は避けたほうが良いかもしれません。パペットアニメーションなので露骨な描写にはなっていませんが、想像力が豊かな方は食前食後にやや響く展開があります(苦笑)。そこだけ注意して観る時間帯を選んでください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『愛しのクノール』

主人公のバブスはもうすぐ9歳の女の子です。なので小学生なら等身大で観られると思います。バブスは初めて動物を飼うので、動物のお世話に興味がある方は本作を観てシミュレーションしてみてください。前述したように大人が観ても楽しめるし、アーティスティックな作品ともいえるので、中高生でもいろいろなポイントで観て楽しめるでしょう。

映画『愛しのクノール』

『愛しのクノール』
2023年7月7日より全国順次公開
リスキット
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

©2022 Viking Film,A Private View

TEXT by Myson

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『レイブンズ』瀧内公美さんインタビュー 『レイブンズ』瀧内公美さんインタビュー

写真家、深瀬昌久の78年に渡る波瀾万丈の人生を、実話とフィクションを織り交ぜて描いた映画『レイブンズ』。今回は本作で、深瀬昌久の最愛の妻であり被写体でもあった洋子役を演じた瀧内公美さんにインタビューさせていただきました。

映画『ミッキー17』ロバート・パティンソン ミッキー17【レビュー】

『パラサイト 半地下の家族』で第92回アカデミー賞(作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞)を受賞したポン・ジュノ監督(脚本、製作を兼務)が、この度制作したハリウッド映画は…

映画『ANORA アノーラ』マイキー・マディソン マイキー・マディソン【ギャラリー/出演作一覧】

1999年3月25日生まれ。アメリカ出身。

映画『BAUS 映画から船出した映画館』染谷将太 BAUS 映画から船出した映画館【レビュー】

2014年、東京都、吉祥寺の映画館“バウスシアター”が閉館となりました。本作は、この映画館を親の代から運営してきた本田拓夫著…

映画『白雪姫』レイチェル・ゼグラー 白雪姫【レビュー】

1937年に製作されたディズニーの『白雪姫』は、世界初のカラー長編アニメーションであり、ウォルト・ディズニー・スタジオの原点とされています…

映画『ニンジャバットマン対ヤクザリーグ』 ニンジャバットマン対ヤクザリーグ【レビュー】

バットマン・ファミリーが戦国時代の歴史改変を食い止めた『ニンジャバットマン』の続編…

【映画でSEL】森林の中で穏やかな表情で立つ女性 自分を知ることからすべてが始まる【映画でSEL】

SEL(社会性と情動の学習)で伸ばそうとする社会的能力の一つに「自己への気づき」があります。他者を知るにも、共感するにも、自己をコントロールするにも、そもそも自分のことを全く理解していなければ始まりません。

映画『悪い夏』北村匠海 悪い夏【レビュー】

染井為人著の原作小説は、「クズとワルしか出てこない」と話題を呼び、第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞しています。映画化の際には…

映画『女神降臨 Before 高校デビュー編』Kōki,/渡邊圭祐/綱啓永 女神降臨 Before 高校デビュー編【レビュー】

本作は、縦スクロール形式のデジタルコミック“webtoon”で人気を博したyaongyi(ヤオンイ)作の同名コミックを原作としています…

映画『教皇選挙』レイフ・ファインズ 教皇選挙【レビュー】

圧倒されっぱなしの120分でした。教皇に“ふさわしい”人間の境界線をテーマに、神に仕える聖職者達の言動、ひいては人格を通して…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

映画『セトウツミ』池松壮亮/菅田将暉 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.4

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『オッペンハイマー』キリアン・マーフィー 映画好きが選んだ2024洋画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の洋画ベストを選んでいただきました。2024年の洋画ベストに輝いたのはどの作品でしょうか!?

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画でSEL】森林の中で穏やかな表情で立つ女性
  2. 映画『風たちの学校』
  3. 【映画でSEL】海辺の朝日に向かって手を広げる女性の後ろ姿

REVIEW

  1. 映画『ミッキー17』ロバート・パティンソン
  2. 映画『BAUS 映画から船出した映画館』染谷将太
  3. 映画『白雪姫』レイチェル・ゼグラー
  4. 映画『ニンジャバットマン対ヤクザリーグ』
  5. 映画『悪い夏』北村匠海

PRESENT

  1. 映画『ガール・ウィズ・ニードル』ヴィク・カーメン
  2. 映画『私の親愛なるフーバオ』
  3. 映画『デュオ 1/2のピアニスト』カミーユ・ラザ/メラニー・ロベール
PAGE TOP