REVIEW

大綱引の恋

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『大綱引の恋』三浦貴大/中村優一

鹿児島県の行事“川内大綱引”について、本作を観て初めて知りました。なので始めは地元のお祭りのことだろうというスタンスで観ていましたが、物語を辿っていくと、地元ではいかに大事な行事であるかが伝わってきます。そして、大綱というだけあって、本当に大綱です(笑)。「そんなに!」というくらい太い綱で、その綱を行事の日の朝から大勢で紡いでいく様子にも驚かされました。そんな感じでこれがいかに大事な行事であるかがわかると、一層演じた俳優さん達のプレッシャーや苦労もスゴいものがあったのではと想像ができます。実際に大綱引の様子を再現したシーンがありますが、まさに地元の協力がない限り作れないシーンとなっていて、これぞご当地映画です。
土地に根ざした物語のなかに、伝統を継いで欲しいと願う人達の思いと、これからの未来をどう描くかに迷う若者達の葛藤が見えますが、その異なる世代がある出来事を通して、それぞれの思いを胸にお互いを理解する姿が印象に残ります。佐々部清監督の遺作となってしまいましたが、監督のパワーと情熱をぜひ本作から感じ取ってください。

デート向き映画判定
映画『大綱引の恋』三浦貴大/知英

ビジュアルだけ見ると男臭い映画のようにも思えますが、タイトルに“恋”とある通り、基本ラブストーリーです。複数のラブストーリーが描かれていて、あるキャラクターの初々しい姿には、友達以上恋人未満の2人や、初デートのカップルならなおさら共感できると思います。まだ正式なカップルになっていないなら、本作を観た勢いで告白するのも良いかもしれません(笑)。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『大綱引の恋』三浦貴大/比嘉愛未/石野真子

不器用な大人達が複数登場するので、いろいろと苦労をしてきた大人のほうが共感しやすい内容ではあります。キッズにはまだピンとこないかもしれませんが、伝統を重んじる地域に住んでいる若者や、家業を継ぐ可能性のあるティーンの皆さんは、自分に重ねて観られる部分もあるでしょう。親子の物語も重要な要素として描かれているので、たまには親を誘って観るのも良いのではないでしょうか。

映画『大綱引の恋』三浦貴大/知英/比嘉愛未/中村優一/松本若菜/西田聖志郎/朝加真由美/升毅/石野真子

『大綱引の恋』
2021年5月7日より全国公開
ショウゲート
公式サイト

© 2020「大綱引の恋」フィルムパートナーズ

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『悪魔祓い株式会社』マ・ドンソク/ソヒョン/イ・デヴィッド 悪魔祓い株式会社【レビュー】

本作は、『悪人伝』や“犯罪都市”シリーズ、ハリウッド映画『エターナルズ』などでお馴染みのマ・ドンソクが…

映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ 『ツーリストファミリー』特別試写会 10組20名様ご招待

映画『ツーリストファミリー』特別試写会 10組20名様ご招待

Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一 イクサガミ【レビュー】

今村翔吾著のベストセラー「イクサガミ」シリーズを原作とする本シリーズでは、岡田准一が主演、プロデューサー、アクションプランナー、藤井道人、山口健人、山本透が監督と脚本を担当…

映画『TOKYOタクシー』蒼井優 蒼井優【ギャラリー/出演作一覧】

1985年8月17日生まれ。福岡県出身。

映画『バーフバリ エピック4K』来日舞台挨拶イベント、プラバース、ショーブ・ヤーララガッダ(プロデューサー) プラバース、ショーブ・ヤーララガッダ来日!『バーフバリ エピック4K』には追加シーンも

2025年に劇場公開10周年を迎える大ヒット作『バーフバリ 伝説誕生』と『バーフバリ2 王の凱旋』を一つの作品として再編集し、壮大な物語を4K映像で体験できる『バーフバリ エピック4K』の日本公開を目前にして、バーフバリ役のプラバースと、プロデューサーのショーブ・ヤーララガッダが来日しました。

映画『楓』福士蒼汰/福原遥 楓【レビュー】

残酷過ぎて、切な過ぎて、優し過ぎて、どうしましょ(笑)。ネタバレを避けると、ほぼ何も書けませんが…

【東京コミコン2025】オープニング:イライジャ・ウッド、カール・アーバン、リー・トンプソン、トム・ウィルソン、クローディア・ウエルズ、ダニエル・ローガン、ジョン・バーンサル、クリスティーナ・リッチ、イヴァナ・リンチ、ノーマン・リーダス、ショーン・パトリック・フラナリー、ジャック・クエイド、マッツ・ミケルセン、浅野忠信、ピルウ・アスベック、セバスチャン・スタン、ジム・リー、C.B.セブルスキー、フランク・ミラー、クリストファー・ロイド、中丸雄一(MC)、伊織もえ(PR大使)、山本耕史(アンバサダー) 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』一行や人気アメコミ出演者達が勢揃い!【東京コミコン2025】オープニングセレモニー

年末恒例行事となった東京コミコンのオープニングセレモニーを取材してきました。今年は過去最高といえるのではないかという数のスター達が来日してくれました。

映画『ズートピア2』 ズートピア2【レビュー】

さまざまな動物達が人間と同じように暮らすズートピアを舞台にした本シリーズは…

映画『エディントンへようこそ』ホアキン・フェニックス/ペドロ・パスカル エディントンへようこそ【レビュー】

アリ・アスター監督とホアキン・フェニックスの2度目のタッグが実現した本作は、メディアの情報に翻弄される人々の様子を…

映画『愚か者の身分』林裕太 林裕太【ギャラリー/出演作一覧】

2000年11月2日生まれ。東京都出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『悪魔祓い株式会社』マ・ドンソク/ソヒョン/イ・デヴィッド
  2. Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一
  3. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥
  4. 映画『ズートピア2』
  5. 映画『エディントンへようこそ』ホアキン・フェニックス/ペドロ・パスカル

PRESENT

  1. 映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ
  2. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
PAGE TOP