REVIEW

海辺の金魚

  • follow us in feedly
  • RSS

本作は、『イノセント15』や『ビューティフルドリーマー』などの作品で俳優としても活躍する小川紗良による長編初監督作品。身寄りのない子ども達が暮らす施設を舞台に、18歳の花が、8歳の晴海と出会い、少しずつ心情が変化していく様子が映し出されています。施設の中で花は、スタッフの手伝いを積極的に行い、子ども達の面倒も見ているお姉さん的な存在ですが、彼女にも過去に親元を離れることになった理由があり、過去と向き合っていく姿も見どころです。
花役を演じた小川未祐の透明感のある自然な演技に惹きつけられるのはもちろん、晴海役の花田琉愛も新人とは思えない演技力を発揮しています。花田琉愛は、撮影地である鹿児島県阿久根市で行われた現地オーディションにより選ばれたそうですが、そんな彼女を見出した監督の先見の明の素晴らしさも感じます。全体的に静かなトーンで物語が展開しますが、その分人物像や鹿児島の美しい大自然が際立って見える作品なので、ぜひさまざまな角度から観て欲しいと思います。

デート向き映画判定

恋愛作品ではなく、気まずくなる要素はないので、デートで観ても問題ありません。花や晴海の親との関係性は、観ていて胸に刺さるような場面もありますが、愛にさまざまな形があることを実感できる作品でもあるので、これを機に恋人との関係に本当に愛があるのかを考えてみるのもアリかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定

花と晴海は皆さんと同世代にあたるので、それぞれ共感しながら観られるのではないでしょうか。最初は心を閉ざしている晴海が、花と出会って少しずつ心を開いていく様子や、花が晴海を通して自分自身とも向き合っていく姿は、きっと皆さんの心にも響くものがあると思います。多くを語る作品ではありませんが、想像力を働かせ、いろいろな人物に寄り添いながら観て、自分なりの答えを見つけてみてください。

『海辺の金魚』
2021年6月25日より全国公開
東映ビデオ
公式サイト

© 2021東映ビデオ

TEXT by Shamy

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『サリー』エスター・リウ 『サリー』特別試写会イベント 5組10名様ご招待

映画『サリー』特別試写会イベント 5組10名様ご招待

映画『THE END(ジ・エンド)』ティルダ・スウィントン/ジョージ・マッケイ/モーゼス・イングラム/ブロナー・ギャラガー/ティム・マッキナリー/レニー・ジェームズ/マイケル・シャノン THE END(ジ・エンド)【レビュー】

REVIEWいつも通り観賞前にほぼ何も情報を入れず、登場人物はいつの時代にどこに住んでいる…

映画『シェルビー・オークス』 シェルビー・オークス【レビュー】

かつて繁栄しながらも今は廃墟と化しているシェルビー・オークスという町で…

映画『ナイトフラワー』渋谷龍太 渋谷龍太【ギャラリー/出演作一覧】

1987年5月27日生まれ。東京都出身。

映画『悪魔祓い株式会社』マ・ドンソク/ソヒョン/イ・デヴィッド 悪魔祓い株式会社【レビュー】

本作は、『悪人伝』や“犯罪都市”シリーズ、ハリウッド映画『エターナルズ』などでお馴染みのマ・ドンソクが…

映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ 『ツーリストファミリー』特別試写会 10組20名様ご招待

映画『ツーリストファミリー』特別試写会 10組20名様ご招待

Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一 イクサガミ【レビュー】

今村翔吾著のベストセラー「イクサガミ」シリーズを原作とする本シリーズでは、岡田准一が主演、プロデューサー、アクションプランナー、藤井道人、山口健人、山本透が監督と脚本を担当…

映画『TOKYOタクシー』蒼井優 蒼井優【ギャラリー/出演作一覧】

1985年8月17日生まれ。福岡県出身。

映画『バーフバリ エピック4K』来日舞台挨拶イベント、プラバース、ショーブ・ヤーララガッダ(プロデューサー) プラバース、ショーブ・ヤーララガッダ来日!『バーフバリ エピック4K』には追加シーンも

2025年に劇場公開10周年を迎える大ヒット作『バーフバリ 伝説誕生』と『バーフバリ2 王の凱旋』を一つの作品として再編集し、壮大な物語を4K映像で体験できる『バーフバリ エピック4K』の日本公開を目前にして、バーフバリ役のプラバースと、プロデューサーのショーブ・ヤーララガッダが来日しました。

映画『楓』福士蒼汰/福原遥 楓【レビュー】

残酷過ぎて、切な過ぎて、優し過ぎて、どうしましょ(笑)。ネタバレを避けると、ほぼ何も書けませんが…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『THE END(ジ・エンド)』ティルダ・スウィントン/ジョージ・マッケイ/モーゼス・イングラム/ブロナー・ギャラガー/ティム・マッキナリー/レニー・ジェームズ/マイケル・シャノン
  2. 映画『シェルビー・オークス』
  3. 映画『悪魔祓い株式会社』マ・ドンソク/ソヒョン/イ・デヴィッド
  4. Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一
  5. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥

PRESENT

  1. 映画『サリー』エスター・リウ
  2. 映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ
  3. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
PAGE TOP