REVIEW
SNSによって情報拡散が容易になった現代では、新型コロナウィルス感染症によるさまざまな混乱も根深い問題に発展しました。その一つはワクチンに対する考え方です。本作は、妻を突然失った男性が、妻の死と新型コロナウィルス感染症予防ワクチンの関連を疑い、思わぬ事態を引き起こすストーリーとなっています。

富山県の小さな町に暮らしていた浅岡信治(成田凌)は、妻の明希(山谷花純)を突然亡くしてしまいます。明希が亡くなる前日、明希がワクチンを接種する際に立ち会っていた信治は、ワクチンのせいで明希が亡くなったといって医師の髙野(淵上泰史)を責めます。そして、信治は毎日明希の遺影を持って、髙野が営むクリニックの前に立ち続けます。そんな信治を目撃した地元の新聞記者の福島美波(沢尻エリカ)は、記事で取り上げようと近づきます。

前述のように出来事だけでみると、信治が妻思いの夫のように思えるでしょう。でも、夫婦仲が良かったのかどうかは、観る方によって印象が異なると思います。むしろ、それがはっきりしないうちに明希が亡くなってしまうという展開が、後の展開に効いてきます。

信治が極普通の人間で、強い信念があるように見えない点は、知らず知らずのうちにネットやSNSに翻弄される人々を象徴しているように映ります。そして、信治や信治の周りに“群がる”人達を観ていると、現代社会における人と人との繋がりは歪になったと実感します。また、ネットの世界が主なのか、生身で暮らしている世界が主なのか、境界線は曖昧になったと同時に、人によってはネットの世界が主(=その人にとっての“現実”)という人も存在し得る社会になったと感じます。

コロナ禍は、対面で人と人とが繋がる機会が強制的に断たれたため、ネット社会の功罪がクッキリと表れた時期ともいえます。そこから徐々に以前の生活を取り戻すなかで、私達の選択を問い、警鐘を鳴らす要素を本作に感じます。
デート向き映画判定

夫婦関係の明るい面、美しい面が描かれているわけではなく、主人公夫婦それぞれの本心も見た目だけでは読み取れないので、デートで観るとお互いにどんな反応になるのかが未知数です。ただ、観終わった後に感想を語ると、各々のネット社会との向き合い方がわかりそうなので、お互いの価値観を知る機会にできそうです。
キッズ&ティーン向き映画判定

ネット社会を俯瞰できる内容なので、反面教師にできる事例を複数観られます。ワクチンに反対派、賛成派の間で議論が起こっているようでいて、騒ぎにのっている人達が本当に求めているものは別のところにあるのかもしれません。社会問題に真剣に向き合っている人なのか、ただ流行に乗りたいだけの野次馬なのか、情報を発信する側と合わせて、情報に反応している人達の本質にも目を向けて、自分ならどうするかを判断する機会として観てみるのも良いでしょう。

『#拡散』
2026年2月27日より全国公開
ブシロードムーブ
公式サイト
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©2026 #VIRAL PRODUCTION COMMITTEE
TEXT by Myson
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情報は2026年2月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。



























