REVIEW

モガディシュ 脱出までの14日間【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『モガディシュ 脱出までの14日間』キム・ユンソク/チョ・インソン

本作は、内戦中のソマリアに駐在していた韓国大使とその仲間と家族が、敵対していた北朝鮮大使達と共に脱出を試みたという実話に基づいています。舞台は1991年、内戦が激化するソマリアの首都モガディシュ。韓国大使を務めるハン(キム・ユンソク)をはじめとした韓国人駐在員達は、生死をかけてモガディシュからの脱出を試みます。
物語の最初はハン大使がロビー活動に励み、ライバルの北朝鮮大使(ホ・ジュノ)と張り合う様子が観られ、クスッと笑える場面もあります。ただ、後半になり内戦が激化すると一気に緊張感が増します。この困難な状況のもと、敵対する韓国と北朝鮮の人々にどんな心境の変化が起こるのか注目して観てください。
本作でハン大使を演じたキム・ユンソクをはじめ、ホ・ジュノ、チョ・インソン、ク・ギョファンらキャストの熱い演技も心に残り、彼らの名演が物語により説得力を与えています。また、内戦が起きた時に、大使館という本来なら治外法権となる場所でさえ機能しなくなってしまうことは、本当に怖いなと感じます。そういう意味では、昨今世界中で起きている紛争の状況にもリンクするので、これを機に命の大切さや、国家間、人種間での争い事について考えるきっかけにもなると思います。

デート向き映画判定
映画『モガディシュ 脱出までの14日間』キム・ユンソク

紛争がテーマとなっている作品で、ムードを盛り上げる要素はありませんが、国境を越えた人間ドラマは誰もが共感できるので、映画好きや付き合いの長いカップルなら一緒に観ても良いのではないでしょうか。また、ハン大使達の命懸けの状況を疑似体験することで、パートナーをより大切にしたくなる効果も期待できます。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『モガディシュ 脱出までの14日間』ホ・ジュノ/ク・ギョファン

戦争など国家間、人種間での争い事を知る第一歩として、観てはいかがでしょうか。歴史や政治の詳細についてわからないところは鑑賞後に調べてもらうとして、まずはフラットな視点で観て欲しいと思います。なかには複雑な感情になる場面もありますが、本作を通して人間にとって本当に大切なものは何か考えてみてください。

映画『モガディシュ 脱出までの14日間』キム・ユンソク/チョ・インソン

『モガディシュ 脱出までの14日間』
2022年7月1日より全国公開
ツイン、カルチュア・パブリッシャーズ
公式サイト

© 2021 LOTTE ENTERTAINMENT & DEXTER STUDIOS & FILMMAKERS R&K All Rights Reserved.  

TEXT by Shamy

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『盤上の向日葵』坂口健太郎/渡辺謙 盤上の向日葵【レビュー】

“孤狼の血”シリーズの原作者としても知られるベストセラー作家、柚月裕子の同名小説を映画化した本作は…

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

映画『女性の休日』 女性の休日【レビュー】

ちょうど今から50年前の今日、1975年10月24日に…

映画『爆弾』山田裕貴/佐藤二朗 爆弾【レビュー】

呉勝浩による同名ベストセラー小説を原作として映画化された本作は、知らぬ間に…

海外ドラマ『エイリアン:アース』海外ドラマ『エイリアン:アース』 シドニー・チャンドラー【ギャラリー/出演作一覧】

1996年2月13日生まれ。アメリカ出身。

映画『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』マリアンヌ・ジャン=バプティスト/ミシェル・オースティン ハード・トゥルース 母の日に願うこと【レビュー】

現代のロンドンを繰り広げられる本作は、対照的な性格を持つ姉妹のそれぞれの日常を…

映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人 ミーツ・ザ・ワールド【レビュー】

この町で出会った、アニメにハマっている腐女子の由嘉里(杉咲花)、キャバ嬢のライ(南琴奈)、既婚の No.1 ホスト、アサヒ(板垣李光人)は、それぞれどこか孤独感、空虚感を…

韓国ドラマ『TWELVE トゥエルブ』パク・ヒョンシク パク・ヒョンシク【ギャラリー/出演作一覧】

1991年11月16日生まれ。韓国出身。

『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』豆原一成さん、八木莉可子さんインタビュー 『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』豆原一成さん、八木莉可子さんインタビュー

今回は『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』で恋人役として共演された豆原一成さんと八木莉可子さんにインタビューをさせていただきました。

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「なんとなく孤独、これでいいの?」

今回も、正式部員の皆さんからいただいたお悩み相談を2件取り上げました。最後に、2025年10月劇場公開作品の中で特にオススメの3作品を紹介しています。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

AXA生命保険お金のセミナー20251106ver3 トーキョー女子映画部マイソンと学ぶ【明るい未来のための将来設計とお金の基本講座】(スイーツとお飲み物付)女性限定ご招待!

本セミナーでは、「NISA・iDeCoなどの資産形成」「子どもの教育資金」「将来受け取る年金」「住宅購入・住宅ローン」「保険」など、将来に役立つお金の知識や情報、仕組みやルールについて、ファイナンシャルプランナーの先生が初めての方でもわかりやすく優しく教えてくれます。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  2. 映画『おーい、応為』長澤まさみ
  3. AXA生命保険お金のセミナー20251106ver3

REVIEW

  1. 映画『盤上の向日葵』坂口健太郎/渡辺謙
  2. 映画『女性の休日』
  3. 映画『爆弾』山田裕貴/佐藤二朗
  4. 映画『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』マリアンヌ・ジャン=バプティスト/ミシェル・オースティン
  5. 映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人

PRESENT

  1. 映画『爆弾』山田裕貴/佐藤二朗
  2. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  3. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP