REVIEW

スクールズ・アウト

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『スクールズ・アウト』

生徒の目の前で教室の窓から教師が飛び降りるシーンから始まり、ほぼ最後まで何とも言えない緊張感に包まれます。生徒達の妙に冷静な態度や大人に対する諦めに似た反応、不可解な遊びがすごく不気味で、生徒達が恐ろしい存在に見えると同時に、大人の頼りなさ、不誠実さも対比して描かれていて、そこに漂う絶望感がリアルに伝わってきます。そんな絶望的な社会で、感受性が強く、頭が良い子ども達は、どんな恐ろしい想像を膨らませていくのか。生徒達の心の中で何が起きているのかは、映画で観て頂くとして、恐る恐る展開を見守っていたら、予想だにしない結末が待っています。最終的に生徒達にまつわる謎が解ける意味ではスッキリする部分もありますが、視点がガラリと変わる結末は、最後にドカンと違う大きな問題を提起してきます。すごく独特な視点、演出を堪能してください。

デート向き映画判定
映画『スクールズ・アウト』

名門中等学校が舞台で、生徒達の日常を描いていますが、胸騒ぎがするシーンが何度も出てきます。ホラーの吊り橋効果的なものではなく、何を考えているのかわからない怖さがあります。デートが盛り上がるようなムードは一切ありませんが、とても引き込まれるストーリーと世界観なので、純粋に映画を観たい人同士のデートなら観るのも良いと思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『スクールズ・アウト』

名門中等学校に通う優秀な生徒達が、放課後にやっていることは恐ろしいことばかり。でも、それにはちゃんと理由があって、頭が良いからこそ頭でっかちになり、不安ばかりを増幅させてしまう、子どもらしさの表れだとも言えます。大人の理不尽な態度に絶望したり、社会に希望が持てない若者達の物語で、ティーンの皆さんは等身大で観られるはずです。

映画『スクールズ・アウト』

『スクールズ・アウト』
2019年10月11日より「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2019」ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマスコーレ、シネ・リーブル梅田ほかにて全国上映
ブラウニー
公式サイト

© Avenue B Productions – 2L Productions

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ 大命中!MEは何しにアマゾンへ?【レビュー】

『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』という邦題がいい感じで「どういうこと?」と好奇心をそそります(笑)…

映画『君の顔では泣けない』芳根京子 芳根京子【ギャラリー/出演作一覧】

1997年2月28日生まれ。

映画『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー 『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー

今回は『白の花実』に出演する美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんにお話を伺いました。撮影前に準備されたことや、本編を観た感想を直撃!

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド 『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』オリジナルグッズ<チャージングパッド&チャージケーブルセット> 3名様プレゼント

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』オリジナルグッズ<チャージングパッド&チャージケーブルセット> 3名様プレゼント

映画『AFRAID アフレイド』ジョン・チョウ AFRAID アフレイド【レビュー】

『M3GAN/ミーガン』を手掛けたブラムハウスのチームが本作でも進化し過ぎたAIの脅威を描いています…

映画『楓』北島岬 北島岬【ギャラリー/出演作一覧】

2007年8月6日生まれ。千葉県出身。

映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン 心理学から観る映画60:記憶障害の診断「神経認知領域」と「病因」からみる『殺し屋のプロット』

今回は、急速に進行してしまう認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病に冒された殺し屋の最後の“仕事”を描く『殺し屋のプロット』を取り上げます。

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ 『ただ、やるべきことを』鑑賞券 3名様プレゼント

映画『ただ、やるべきことを』鑑賞券 3名様プレゼント

映画『星と月は天の穴』綾野剛/咲耶 星と月は天の穴【レビュー】

映画に対してというよりも、本作で描かれる男女のやり取りについては、解釈の仕方および、その解釈に伴った好みが…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  2. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  3. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ

REVIEW

  1. 映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ
  2. 映画『AFRAID アフレイド』ジョン・チョウ
  3. 映画『星と月は天の穴』綾野剛/咲耶
  4. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』ウーナ・チャップリン
  5. 映画『新解釈・幕末伝』ムロツヨシ/佐藤二朗

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP