REVIEW

ソワレ

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ソワレ』村上虹郎/芋生悠

本作は、豊原功補、小泉今日子、外山文治監督らが立ち上げた映画制作会社“新世界合同会社”の第1回目のプロデュース作品で、若い男女の切ない逃亡劇が描かれています。俳優を目指して上京するも結果が出ず、オレオレ詐欺をしながら稼いでいる翔太と和歌山の高齢者施設で働くタカラ。ある日、翔太が演劇を教えるために高齢者施設を訪れ、そこで2人は出会います。その数日後、翔太はタカラが刑務所帰りの父親から激しい暴行を受けているところを目撃し、咄嗟に止めに入りますが、タカラが父親を刺してしまい、そこから2人の逃亡劇が始まります。この展開だけでもドラマチックですが、タカラには心に深い傷を負っている過去もあり、そこに翔太がどう向き合っていくのかにも注目です。
そして、翔太を演じた村上虹郎と、タカラを演じた芋生悠の自然な演技が素晴らしい!2人の名演あってこそ、この物語がよりリアルに見えたと思います。特に芋生悠は、少女にも大人の女性にも見える絶妙な雰囲気があり、観ていてすごく引き込まれます。また、本作は単なる愛の逃避行でなく、若い男女の抱える絶望感や将来への不安に焦点をあてて描かれているのもポイントとなっています。主人公達と同世代の方はもちろん、今の社会を作っている大人にも響く点が多い作品だと思います。ぜひご覧ください!

デート向き映画判定
映画『ソワレ』村上虹郎/芋生悠

恋愛部分も少しありますが、どちらかというと若い男女それぞれが抱える問題に焦点を当てた物語なので、デートのムードを盛り上げるタイプの作品ではありません。映画好きや付き合いの長いカップルであれば、単純に1つの作品として受け止められると思うので、観賞後は本作の感想と共に、普段あまり聞けないお互いのより深い部分について話し合うのも良いかも知れません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ソワレ』芋生悠

PG-12なのでキッズも保護者同伴なら観られますが、父親を刺してしまうタカラの感情や、逃亡中の2人の心の変化などを汲み取れたほうが本作をより理解することができるので、中学生くらいになってから観ることをオススメします。ティーンは、翔太とタカラが、どうして逃げる選択をしたのかということや、2人がそれぞれ抱える苦しみについて考えながら観てください。複雑な人生を送る2人なので、全部に共感することは難しいかも知れませんが、2人の感情に寄り添うことで本作をよりいろいろな角度から観られると思います。

映画『ソワレ』村上虹郎/芋生悠

『ソワレ』
2020年8月28日より全国公開
PG-12
東京テアトル
公式サイト

© 2020 ソワレフィルムパートナーズ

TEXT by Shamy

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『We Live in Time この時を生きて』フローレンス・ピュー/アンドリュー・ガーフィールド 大切な人ができれば、譲れないことも変わる!?『We Live in Time この時を生きて』【映画でSEL(社会性と情動の学習)】

今回は運命的な出会いを果たし、ぶつかり合いながらもお互いに正直に生きるカップルの物語『We Live in Time この時を生きて』を取り上げます。

映画『雪風 YUKIKAZE』竹野内豊 『雪風 YUKIKAZE』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『雪風 YUKIKAZE』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『IMMACULATE 聖なる胎動』シドニー・スウィーニー IMMACULATE 聖なる胎動【レビュー】

敬虔な修道女のセシリア(シドニー・スウィーニー)は、イタリアの美しい田園都市にある修道院にやってきます…

映画『ストレンジ・ダーリン』ウィラ・フィッツジェラルド ストレンジ・ダーリン【レビュー】

6章からなる本作は、ユニークな構成となっています…

映画『DROP/ドロップ』メーガン・フェイヒー/ブランドン・スクレナー ブランドン・スクレナー【ギャラリー/出演作一覧】

1990年6月26日生まれ。アメリカ出身。

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット スーパーマン【レビュー】

ジェームズ・ガン監督らしい表現によって、全く新しい“スーパーマン”が観られます。冒頭の演出からして…

映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレート アンソニー・ブイサレート【ギャラリー/出演作一覧】

2004年9月27日生まれ。タイ、バンコク出身。

映画『逆火』北村有起哉 逆火【レビュー】

主人公の野島浩介(北村有起哉)は、感動を呼び話題となっている自伝小説の映画化作品の助監督を務めています。野島は作品に活かすため…

映画『アマチュア』来日ジャパンプレミア:レイチェル・ブロズナハン レイチェル・ブロズナハン【ギャラリー/出演作一覧】

1990年7月12日生まれ。アメリカ生まれ。

映画『顔を捨てた男』セバスチャン・スタン 顔を捨てた男【レビュー】

社会が自分を見る目と、自分自身が自分を見る目がいかにして人の心理や生き方、ひいてはウェルビーイングに影響するのかを…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『シークレット・アイズ』キウェテル・イジョフォー/ジュリア・ロバーツ /ニコール・キッドマン 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.5

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『We Live in Time この時を生きて』フローレンス・ピュー/アンドリュー・ガーフィールド
  2. 映画『君がトクベツ』畑芽育/大橋和也
  3. 映画でSEL:告知1回目

REVIEW

  1. 映画『IMMACULATE 聖なる胎動』シドニー・スウィーニー
  2. 映画『ストレンジ・ダーリン』ウィラ・フィッツジェラルド
  3. 映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット
  4. 映画『逆火』北村有起哉
  5. 映画『顔を捨てた男』セバスチャン・スタン

PRESENT

  1. 映画『雪風 YUKIKAZE』竹野内豊
  2. 特製『平成狸合戦ぽんぽこ』ふんわりキーホルダー正吉
  3. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP