REVIEW

スパゲティコード・ラブ【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『スパゲティコード・ラブ』倉悠貴/三浦透子/清水尋也/八木莉可子/古畑新之/青木柚/xiangyu/香川沙耶/上大迫祐希/三谷麟太郎/佐藤睦/ゆりやんレトリィバァ/土村芳

これは個人的にいろいろな意味ですごく胸に刺さりました。本作は東京を舞台に繰り広げられる13人の若者達の群像劇で、仕事や学校、夢や恋愛のことなど、キャラクターそれぞれに理想と現実との狭間でもがく姿が映し出されています。誰に特に感情移入するかは観る方それぞれで異なると思いますが、状況が違えど誰にでも通じる普遍的な葛藤が描かれている点では、必ずしも自分に近いキャラクターが見つけられなくても共感できると思います。
真逆なキャラクターとして対比が描かれるシーンもあれば、似た者同士が並べて描かれるシーンもあったり、人間を深く洞察して作られている印象があります。さらに脳裏に残るセリフも多数で、その多くを占める哲学的な言葉が、巧みに若者達の心情を正確に表現しています。そんな若者達が悶々としている様子は観ていて辛くなる部分もありますが、最後には皆自分なりに答えを見つけていくので、希望ももらえるストーリーと言えます。人間の醜いところをありのままに描くことで逆に美しさが際立つようなコントラストもあって、ビジュアル的な面だけでなく物語の構成、演出としても見事です。
実力派の若手俳優が勢揃いしている点でも魅力的で、彼らが演じるキャラクターも皆愛おしい存在として描かれています。若い方はもちろん、大人も初心に返るきっかけにできると思うので、ぜひ観てみてください。

デート向き映画判定
映画『スパゲティコード・ラブ』倉悠貴

さまざまな恋愛模様が描かれているので、自分達に似たような関係性のカップルが出てきた時に多少なりとも影響を受けるかもしれません。作品全体的に自然に自分を見つめ直すきっかけになるようなストーリーとなっているという点も含めて、1人でじっくり観るほうが向いている作品ではないでしょうか。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『スパゲティコード・ラブ』ゆりやんレトリィバァ

ティーンの皆さんにはどんぴしゃな作品だと思います。登場人物の中には皆さんと同世代もいれば、少し年上くらいのキャラクターもいて、等身大で共感できる部分、将来をシミュレーションさせる部分の両方があります。社会の厳しさに直面させられる部分はありますが、自分ならどうするかを考えるきっかけにできるので、自分の価値観を整理するのに良いでしょう。

映画『スパゲティコード・ラブ』倉悠貴/三浦透子/清水尋也/八木莉可子/古畑新之/青木柚/xiangyu/香川沙耶/上大迫祐希/三谷麟太郎/佐藤睦/ゆりやんレトリィバァ/土村芳

『スパゲティコード・ラブ』
2021年11月26日より全国公開
ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト

©『スパゲティコード・ラブ』製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』水上恒司/木戸大聖/八木莉可子/綱啓永/JUNON(BE:FIRST)/中沢元紀/曽田陵介/萩原護/髙橋里恩/山下幸輝/濱尾ノリタカ/上杉柊平 WIND BREAKER/ウィンドブレイカー【レビュー】

にいさとる作の同名漫画を原作とする本作は、不良グループが街を守るというユニークな設定…

映画『ナイトフラワー』北川景子 北川景子【ギャラリー/出演作一覧】

1986年8月22日生まれ。兵庫県出身。

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年11月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年11月】のアクセスランキングを発表!

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 映画に隠された恋愛哲学とヒント集80:おしどり夫婦こそ油断禁物!夫婦関係の壊れ方

どんなに仲が良く、相性の良さそうな2人でも、夫婦関係が壊れていく理由がわかる3作品を取り上げます。

映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン マルドロール/腐敗【レビュー】

国民を守るためにあるはずの組織が腐敗し機能不全となった様を描いた本作は、ベルギーで起き、1996年に発覚したマルク・デュトルー事件を基に…

映画『消滅世界』蒔田彩珠 消滅世界【レビュー】

ジェンダー、セックスのどちらにおいてもこれまでの常識を覆す価値観が浸透した世界を描いた本作は、村田沙耶香著の同名小説を原作として…

映画『ナイトフラワー』森田望智 森田望智【ギャラリー/出演作一覧】

1996年9月13日生まれ。神奈川県出身。

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 佐藤さんと佐藤さん【レビュー】

同じ佐藤という苗字のサチ(岸井ゆきの)とタモツ(宮沢氷魚)は、セリフにも出てくるように「結婚しても離婚しても佐藤」です…

映画『楓』福士蒼汰/福原遥 『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大 兄を持ち運べるサイズに【レビュー】

原作は、村井理子が書いたノンフィクションエッセイ「兄の終い」…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』水上恒司/木戸大聖/八木莉可子/綱啓永/JUNON(BE:FIRST)/中沢元紀/曽田陵介/萩原護/髙橋里恩/山下幸輝/濱尾ノリタカ/上杉柊平
  2. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  3. 映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン
  4. 映画『消滅世界』蒔田彩珠
  5. 映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚

PRESENT

  1. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥
  2. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
PAGE TOP