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すべてうまくいきますように【レビュー】

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映画『すべてうまくいきますように』ソフィー・マルソー/アンドレ・デュソリエ

例のごとく、あらすじは読まず、フランソワ・オゾン監督、ソフィー・マルソー主演ということだけ知った状態で鑑賞しました。観終わってからタイトルの意味を改めて考えると「なるほど、そういうことだったのか」と、観る前のイメージとは異なる意味に、何ともいえない感情がこみ上げます。
親が老いて病に伏せるというのは、誰もがいつか経験する可能性があります。本作で起きている出来事は、これまでいくつもの作品で取り上げられてきました。公にできない事柄なので身近に聞くことはありませんが、思っている以上に起きていることなのかもしれません。それは、愛する家族の決断だからこそ支えてあげたいという気持ちがある一方で、愛する家族だからこそ同意できない事柄で、ソフィー・マルソーが演じるエマニュエルの葛藤にすごく共感できます。ただ、エマニュエルが複雑な心境にあるなかで、皆にとって大切な一日いちにちは、悲しみと切なさ、温かさとユーモアに溢れていて、とても美しい物語となっています。いくつになっても美しいソフィー・マルソーの姿と共に、フランソワ・オゾン監督の手腕が光る家族の物語をご堪能ください。

デート向き映画判定
映画『すべてうまくいきますように』ソフィー・マルソー/アンドレ・デュソリエ/ジェラルディーヌ・ペラス

重いテーマを扱っているので、デートのムードが盛り上がるのは期待できませんが、一生を共にしたい相手となら、一緒に観て自分達の価値観や家族との関係について話すきっかけにすると良いでしょう。また家族の問題に向き合う時、パートナーの支えが重要なことも共通認識として持てると思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『すべてうまくいきますように』ソフィー・マルソー/シャーロット・ランプリング

キッズの皆さんにはまだ難しいテーマだと思います。いろいろな人生経験を重ねて、いろいろな世代の人生観を観たり聞いたりしてから観るほうが、理解が深まり、自分の価値観との摺り合わせもできるように思います。ぜひ大人になってから観てみてください。

映画『すべてうまくいきますように』ソフィー・マルソー/アンドレ・デュソリエ

『すべてうまくいきますように』
2023年2月3日より全国公開
キノフィルムズ
公式サイト

© 2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION – SCOPE PICTURES

TEXT by Myson

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2002年9月27日生まれ。アメリカ出身。

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