REVIEW

隣の影【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『隣の影』ソウルステイン・バックマン/セルマ・ビヨルンズドッテル

アイスランド・アカデミー賞で、作品賞、監督賞ほか主要部門を含む7部門を受賞とした本作は、万国共通のご近所問題をテーマにしています。些細なことといえば些細だけれど、そのご近所問題に家族の問題、個人の精神的問題が絡んできて、いざこざがあらぬ方向へと発展していきます。ご近所トラブルの渦中の夫婦と、その息子夫婦の物語が同時進行していって、息子夫婦の問題は一見ご近所問題には関係ないように思えますが、どうしても折り合いがつけられない時、和解の仕方にもいろいろあるのだという別のパターンを示していると考えられます。また、ただのご近所トラブルによって、失うとは思っていなかったものまで失ってしまうという怖さを表す展開にも繋がっていて、「お互いに譲らないから、あんなことがこんなことに!」という衝撃の結末は、人間の愚かさを痛感させます。一方で、終始シリアスなテンションで描かれていながら、息子夫婦が住むマンションの住人同士のミーティングは観方によっては遊び心を感じるもので、夫に怒り心頭の妻が、夫の恥ずかしい行為を皆にぶちまけるシーンは、周囲の住人のリアクションも含めて滑稽で笑えます。
とにもかくにも、やっぱり生活する拠点の問題ですから、端から見たら些細なことでも、当事者がすごくストレスを感じるのは当然ですよね。自分もこんな状況になったらどうするだろうと考えずにはいられない内容ですが、すごく静かに流れてくるラストシーンが、一つの答えになっているように思います。この映画が持つ空気感も独特なものがあり、淡々と描かれているにも関わらず、エネルギッシュな作品となっていて、映画好きの女子にはオススメですよ。

デート向き映画判定
映画『隣の影』

序盤でエロチックなシーンがある点、その後に夫婦のいざこざが描かれている点で、デートの雰囲気が盛り上がるような内容とは言えません。なので初デートではやめておきましょう。ただ、これから結婚するカップルは、夫婦問題、ご近所問題ともに、反面教師として参考になる部分が多くあるので、本作を観て自分達の方針を話し合うきっかけにできると思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『隣の影』ステインソウル・フロアル・ステインソウルソン

大人こそ暴走するとどうしようもないということを実感できるストーリーになっていて、皆さんに観てもらうとしたら「こんな大人にならないように」とメッセージを添えたいと思います。両者の不快な気持ちはわからなくもないですが、その後に起こる大きな出来事を考えたら、あまりにくだらない理由です。その場の感情だけに流されないで、冷静になることが必要だということを、本作を観て知って頂けたら嬉しいです。

映画『隣の影』エッダ・ビヨルグヴィンズドッテル

『隣の影』
2019年7月27日より全国順次公開
ブロードウェイ
公式サイト

2017 © Netop Films. Profile Pictures. Madants

TEXT by Myson

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ロングウォーク』クーパー・ホフマン/デヴィッド・ジョンソン 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2026年6月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2026年6月】のアクセスランキングを発表!

映画『トイ・ストーリー5』Tシャツ 『トイ・ストーリー5』オリジナルTシャツ(Mサイズ)2名様プレゼント

映画『トイ・ストーリー5』オリジナルTシャツ(Mサイズ)2名様プレゼント

ドラマ『スピナーベイト』制作発表記者会見、加藤清史郎 加藤清史郎【ギャラリー/出演作一覧】

2001年8月4日生まれ。神奈川県出身。

映画『ブリング・ハー・バック』サリー・ホーキンス ブリング・ハー・バック【レビュー】

690万人のチャンネル登録者数を誇る人気YouTuberとして活躍し、『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』で長編映画デビューを果たした双子のダニー・フィリッポウとマイケル・フィリッポウが、A24と再びタッグを組み…

映画『マジカル・シークレット・ツアー』塩野瑛久 塩野瑛久【ギャラリー/出演作一覧】

1995年1月3日生まれ。東京都出身。

映画『だぁれかさんとアソぼ?』鎮西寿々歌(FRUITS ZIPPER) 『だぁれかさんとアソぼ?』【学生限定】絶叫上映試写会 5組10名様ご招待

映画『だぁれかさんとアソぼ?』【学生限定】絶叫上映試写会 5組10名様ご招待

映画『トイ・ストーリー5』 トイ・ストーリー5【レビュー】

子どもにとってのおもちゃの役割をさまざまな視点で描いてきた人気シリーズも、本作で5作目となります…

映画『四月の余白』一ノ瀬ワタル/上阪隼人 子どもの成長における大人との出会いの重要性『四月の余白』【映画でSEL(社会性と情動の学習)】

今回は、元半グレで元受刑者の主人公が問題を抱えた少年、少女達と向き合う姿を描く『四月の余白』を取り上げます。

映画『口に関するアンケート』板垣李光人/綱啓永/吉川愛/MOMONA(ME:I)/ 森愁斗(BUDDiiS) /西山智樹(TAGRIGHT) 口に関するアンケート【レビュー】

原作は、『近畿地方のある場所について』の原作者としてもお馴染みの背筋による小説「口に関するアンケート」です…

映画『スーパーガール』ミリー・オールコック スーパーガール【レビュー】

スーパーマンことカル=エル、地球での名前クラーク・ケントの従姉妹、スーパーガールのカーラ・ゾー=エルを主人公にした本作は…

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集! 【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集!

今回は、私の研究で扱っている情動知能を取り上げます。非認知能力という言葉を聞いたことがあるでしょうか…

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック 映画好きが選んだ実在アーティストの伝記映画ランキング

今回は実在アーティストの伝記映画について、正式部員の皆さんに投票してもらいました。さまざまな有名アーティストにまつわる作品がある中で上位にランクインしたのはどの作品でしょうか?

映画『ズートピア2』 映画好きが選んだ2025アニメ映画ベスト

今回は、2025年に劇場公開されたアニメ映画について、正式部員の皆さんによる投票結果ベスト30を発表!2025年のアニメ映画ベストに輝いたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『四月の余白』一ノ瀬ワタル/上阪隼人
  2. 【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集!
  3. 映画『炎上』森七菜/髙橋芽以

REVIEW

  1. 映画『ロングウォーク』クーパー・ホフマン/デヴィッド・ジョンソン
  2. 映画『ブリング・ハー・バック』サリー・ホーキンス
  3. 映画『トイ・ストーリー5』
  4. 映画『口に関するアンケート』板垣李光人/綱啓永/吉川愛/MOMONA(ME:I)/ 森愁斗(BUDDiiS) /西山智樹(TAGRIGHT)
  5. 映画『スーパーガール』ミリー・オールコック

PRESENT

  1. 映画『トイ・ストーリー5』Tシャツ
  2. 映画『だぁれかさんとアソぼ?』鎮西寿々歌(FRUITS ZIPPER)
  3. 映画『白パンと独裁者』ジャスパー・ビラーベック
PAGE TOP